朝食はホテル内の食堂でバイキング。名前に笑ってしまった。
外に出ると雨はまだだが、どんよりと今にも泣きそうな空。
タクシーで阿波十郎兵邸へ。
十郎兵とは罪状も明らかにならないまま処刑された庄屋だとか。
ここはその板東十郎兵の屋敷跡で「傾城阿波の鳴門」のゆかりの場所とある。
「傾城阿波の鳴門」は人形浄瑠璃では一番有名な演しもの。
そのハイライト場面が30分ほど実演された。
何度か見たことのある演目なのに感情移入してしまう。文楽を見に行こうと思った。
三人で一つの人形を操り、義太夫と三味線が感情を盛り上げるので文楽とほぼ同じ。
違うのは文楽が劇場で上演されてきたが、この阿波人形浄瑠璃は淡路から伝わり四国内の多くの農村を回って演られてきたことだろうか。
かしらなどいろいろ展示されている。
すぐ傍の「阿波木偶(でこ)人形会館へも回った。
人形の命とも言えるかしら作りの行程を実際に見せてくれる。
丸太が顔になっていく順序や、表情を瞬時に変化させるらめのからくりなど感心することがいっぱいだった。
八百屋お七が展示されていたが鐘楼に登っていくところを舞台で見たいと思う。
きれいな庭園があって戸塚さんと再会。
金比羅さんの町内会の慰安旅行にきたというおじさんから「徳島に来たら藍の館」に行かないとつまらん」と言われた。
13時半。眉山に行くという戸塚さんとはバス停でお別れ。
食べるところが何処にもない。
空腹のままバスがないのでタクシーで「藍の館」へ行く。
ここには道の駅風な店があったので海苔巻きとお茶を買って店内の休憩所で食べた。
さて、「藍の館」とは藍染め関係の展示や実習や即売を行っているところ。
大昔から吉野川流域では藍の栽培が盛んで日本有数の大産地。
この中には藍で豪商となった「藍商屋敷」が再現されていて種まきから染め物に出来るまでの過程が人形などを使って詳細に展示されている。
もともと紺とか藍色が好きなのでとても楽しむことが出来た。
ついでに実習にも参加。白絹を買えば参加できる。
つきっきりで教えてくれるせいか意外に簡単に世界に一つだけのショールが染め上がった。
遍路にいってきたからか、柄は五百羅漢さまが並んでいるように見える。
徳島駅へは3時半についた。ここから電車や船でそれぞれの家に向かう。
「おつかれさん~」と同行者と別れて港へのバス停に向かっていると広島さんに出会った。
同じホテルに泊まったはずなのに会わなかった。それが最後の最後に再会。お茶でもすればよかった。
というのも、バスは少なく船も少ない。
港の暗い冷たい風の中で3時間も時間を潰さなければならなかったから。
船が港を離れた頃から雨が降り始めた。遍路道では一日中時雨れていたようだ。
雨の中でキラキラ何かが光る和歌山南港に着いたのは21時5分。
予定より一日早い帰宅であった。
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