マッタリ (´ー`) 子連れ狼が撃つ!

マッタリな、トイガン&ドライブのブログです♪

君の名は。(組紐)

2016-12-19 00:06:00 | アニメ
さてさて、

映画『君の名は。』をご覧になられた方ならお分かりでしょうが、
この作品は、組紐が重要な役割を持つ、アイテムとして登場します。

実際に、その組紐を組むシーンも劇中に登場し、時の流れを美しい
組紐で表現するシーンもあり、その美しさに目を奪われました。

映画が終わり、エンディングのクレジットにて、取材協力のところに
実在する組紐をつくる職人さんのお名前がありました。
なので、映画を見終わったあとに、職人さんの動画なども拝見し
映画の組紐を再現するべく、制作のご依頼をメールしてみました。

その後、その職人さんから直接電話でご連絡を頂きました。
確かに、新海監督がお二人でいらして、熱心にお話を聞いていたそうです。
でも、その職人さんは映画の存在は知っておりましたが、映画自体は
ご覧になっていないので、組紐がどのような使われ方をしているのかは、
分からなかったそうです。(と、言うか、私がご連絡をとるまで、
その取材のこと自体、忘れていたそうです)

お電話でしたが、丁寧に組紐の歴史やご説明をして下さりました。
(例えば、仏教の伝来とともに渡来してきたとか、昔の戦国時代、
 鎧兜は全て組紐でつながっているので、武士は紐が組めたとか)

そして、本題の製作の話になったのですが、結論で言うと、あのような
細かい図柄の組紐の制作はとんでもなく難しい!との事でした。
組紐の楽譜というか、設計図のような、『綾書き』をつくるのが、
とんでもなく大変なようです。それこそ、大量に作るのであれば、
ひとつ単価の金額は安くなりますが、ワンオフのオーダーメイドだと
すると、とんでもない高額になるそうです!(恐ろしくて、金額は
聞けませんでしたが・・・)

また、代々の職人さんで、帯締めや羽織紐などを伝統的に製作して来たので
ストラップや、ミサンガなど、組んで来たものを途中で切断、『切る』
という行為は、我が子を切られるようで、そういった仕事は職人として
したくない、との事でした。
なので、こういった図柄の製作なら、今は染めなどで安く大量に出来ますよ、
との事でした。
 しかし、私が映画を見て感動したのは、組紐の図柄やデザインではなく、
絹糸一本一本が人の手によって綾とられる、その製作過程や、職人さんの
歴史や想い、そのものに心を震わせたからです。なので、映画のグッズと
して売っていたポリエステル製品では、見た目は同じでも、本物ではないな~と。
なので、本物の素晴らしさに触れたいのです、とお伺いしたところ、
映画の組紐のデザインをみる限り、この組紐は、『伊賀くみひもの高麗組である』
との助言を頂きました。そうなんです、組紐にも、用途に合わせてたくさんの
組み方があるのです。その中でも『高麗組』は、複雑でしっかりとした作りです。
 
 お仕事の依頼としては、制作につながらなかったのですが、貴重なお話を聞かせて
頂き、ますます、組紐に興味が沸いてきました。
しかし、『伊賀くみひも』と言っても、たくさんの業者さんがいらっしゃるので、
どこにお願いしたものか・・・
 そんな時、検索中に一軒の組紐店さんに目がとまりました。

なになに、

「組紐のデザインにト音記号♫や音符♪?」
「毛玉のついた立体感のある帯締め?」
「組紐で、猫の首輪?」

まだお若いですし伝統を受け継ぎながらも、新たなデザインに挑戦する
職人さんのようです。この方なら、ご依頼受けてくださるのでないか?
と思い、調べてみたら、近々、実演の催しとして東京に至っしゃるじゃ
ないですかぁ~!これは、是非ともお会いして、直接オーダーしよう♪
と思い立った訳です。

 そして、出店される、「きもの」を楽しむ国内最大規模のファッション
&カルチャーイベントの会場である、日本橋に行って来ました!
 仕事があったので、イベントの最終日、しかも撤収の直前になんとか
会場入り出来ました。撤収前でしたが、出店場所には、カラフルな
いくつもの素晴らしい色合いの組紐が展示されており、うっとりと
見入ってしまいます。これか~!本物の美しさは。
映画の資料をお見せしながら、ご説明をします。
が、やっぱり、設定画にある細かい幾何学模様は再現が難しいとの事
でした。しかし、せっかくここまで来たのですから、なんとか製作して
頂くべく、設定の細かい組紐の再現ではありませんが、UPにならない

ラフな通常のデザインとしてでもいいので、オーダーをしました。
 やっぱり、大盛況の映画の影響もあり、組紐についてのお問い合わせが
何件かあったそうです。デザインや、染色などの防染(ぼうせん)などの
兼ね合いなどもありますし、全国を飛び回っておられるので、一度お店に
持ち帰って、あらためてご連絡を頂くことになりました。

そして、

お待ちすること約2週間

ご連絡が来ました。

映画、『君の名は。』もご覧になって下さったそうです!
「本当に素晴らしいですね!めちゃくちゃ良かったです!」
とのご感想も頂きました。ありがとうございます。
この組紐を製作するにあたり、映画を見るのと、見ないでは、
組紐に込める想いも、きっと違うだろうと感じておりました。
なので、映画をご覧になって感じた想いなども、組紐の製作に
反映されると思います。
 細かい打ち合わせをして、正式に制作をお願い致しました♪
実は、この職人さん、誕生日が私と同じ日なんです!
なんという偶然。

これも結び。

そして、

12月に入り、

素敵な箱が到着。



開けてみると・・・

ついに完成しました~♪

それが、

コチラ!

いやぁ~

美しい、

素晴らしいです。

細かい色のグラデーションがわかりますでしょうか?

もったいなくて、まだ紐の房を止めている包み紙を

剥がせません(笑)

今回、実際にこの作品を組んで下さったのは、
経済産業大臣指定の日本が誇る伝統工芸士のお母様だそうです。
映画の中でも、組紐を組んでいるのは女性陣ですもんね。
これも結び。

三葉のように髪を結ぶリボンとすると、そうですね、
約100~120cmは紐の長さが必要になって来ます。
しかし、その長さだと瀧のように、手首にブレスレット
として巻くには長すぎるんですよね~。
なので、今回はアニメでのお約束のご都合(ディフォルメ)
の設定を考慮し、ブレスレットとしても使える、約80cm
の長さでオーダーしました。
これでしたら、なんとかギリギリ髪も結べる長さなので。

送られてきた作品の長さを測ると、

房の部分を除く長さが、826mm。
8.26とは、『君の名は。』が上映開始の日!

これもまた結び。

伊賀くみひもの高麗組の方が手間がかかる分、しっかりした作りになる
のですが、手首に巻くような使い方でれば内記組の方が厚みがない分、
適してる、という事でしたので、この作品は『内記組』という組み方で
作って頂きました。

見た目の美しさだけでなく、人の手で丹念に組まれた組紐はしっかりと
していて、紐だけでも、ダラ~んと垂れ下がることなく、

自立します!凄い!

実は、

12月に入り、配給元のTOHOからグッズとして劇中に出てくる組紐を

再現したものが発売になりました。(オーダー4ヶ月待ちみたいです)

しかし、こちらはよくみると、ベースとなる組紐に、デザインの部分を
刺繍したような造りになっており、本来の意味での『組んだ紐』とは
異なります。やっぱり、組紐だけで、このデザインを再現するのは、
相当な困難という事になりますかね。


国内興行収入200億円突破。
今年、一番見られた邦画となり、歴代でも2位までになりました。
年末年始も絶賛上映のようですし、まだまだ勢いは止まりそうに
ありませんね。
年明けには、コラボカフェの出展もあるようなので、そちらも楽しみ
であります。

あ~、でもこれだけ人気が続くと、DVDやBlu-rayの発売はまだまだ
先になりますね・・・