ライブもトリのひと組となりました。
照明が暗くなり、
スモークが焚かれ、
ベースのソロにドラムが入り、
イントロが始まります。
吹き出すマグマを(秘めている情熱を)抑えているような
幻想的な掛け合いが続きます。
そこに、一人の人物が現れました。
ぱっと見ると、華奢で小柄な少年のようです。
しかも、かなりの美形。
Pink FloydのTシャツに、実際は↓コレよりも水彩画っぽいラフな絵柄だったような?、
(イギリスのバンドでしたっけ?らんぼうさんなら知ってる?)
お尻まで隠れる濃い目のターコイズブルーのカーディガンを
羽織っております。
まくった袖からのぞく腕は白く、透き通っているよう。
しかし、黒いショートパンツからは、
黒いタイツを履いた御美足が・・・
どうやら少年ではなく、少女のようですね。
華奢な上半身に比べて、ももの肉付きはしっかりとしていて、
それでいて、膝から下は細い足であります。
ぽっちゃり系が好きな私としては物足りなさを感じますが、
足フェチの皆さんの嗜好的にはどのように写りますでしょうか。
髪は色の薄い白っぽい金髪でショートカット。
前髪の片側だけが長く、顔が隠れ、ギターを持って下を向いているので、
余計に顔が見えません。
見た目や雰囲気からは、中性的なイメージが感じられ、
私が会いに来た、あの方のイメージと結びつきません。
(これが本当に彼女なのだろうか・・・)
イントロが終わり、
『あ~~~!』っと
ロングトーンの高音がその口から発せられた時、
その声を聴いた時、やっと確信しました。
(間違いない、彼女だと)
英語の歌詞で、音響の音が大きかったのでよく聞き取れなかったのですが
その歌声、目をつむって、眉間にシワをよせて高い音を出す仕草なんかは、
まさに彼女そのものでした。
2曲目になり、
ベースとドラムの絡みが激しくなります。
本日の演奏ではアコギ以外は、音響が大きく、
肝心の歌詞が、上手く聞き取れませんでした。
歌詞よりも、演奏そのもの、『音』をバーン!と
伝えてるような印象を受けます。
歌詞も、『嘘ばっかつくな~よ~』とか今までにない
激しいものがあります。
(これがあの彼女なのだろうか・・・)
復帰した彼女をお目当てにして来た方は、このパフォーマンスを
どのように受け止めたのでしょう。
会場の視線が、耳が、ステージの少女に引き込まれているのですが、
今までの3組みとは違い会場と一体となる雰囲気はなく、
ベースとドラムの激しい絡みと共に歌声が、『音』が、
鋭いナイフのように突き刺さります。
この湧き出る感情をぶつけるような激しい演奏に圧倒されます。
(これが彼女のやりたかったこのなのだろうか・・・)
3曲目がおわり、
ここでやっとMCにはいります。
なにも喋らないではじめちゃったので、と、
『FLOWER FLOWER です』と自己紹介。
これがバンド名なのか、このアーティストの名前なのか、
説明がないまま、ベース、ドラム、キーボードとメンバーの
紹介をしていきます。もともとMCやおしゃべりが得意ではない
のですが、話すと変な空気に~と、彼女が一番分かって
いることであります。
4曲目は、
アコギに持ち替えて、ゆったりとした演奏になります。
この曲が、世間で『宝物』と言われている曲で、
他の方にカバーされてUPされている曲です。
(お世話になった夫婦がいて、そのお母さんが一昨年、星になり、その2人の曲です)
こちらは、ゆったりなバラードなので、歌詞もはっきりと聞き取れ、
ホロっと来る歌です。
その後も演奏は続き、エレキに持ち替えたりするのですが、
とにかく、バンドの皆さんの演奏技術が凄いんです!
皆さん一流のアーティストさんなのでしょう、それぞれの
演奏の絡みがとても印象的でした。
特に、ドラムの佐治さんという方のテクニックが凄かったです。
会場の音響が大きいからではなく、ドラムそのものの響きが
ズンっ!と来る感じがしました。
ベースの演奏も、前にズンズン来る感じで、アイドルやポップス
のように、ボーカルの演奏や歌声を引き立てる脇役では決してなく、
ドーン!とぶつかる感じです。
それを、一歩引いて、キーボードが優しく包み込んで受け止める、
そんな雰囲気を感じました。
すみません、音楽の技術的な事がよくわからないので、擬音語が
多いですが、とにかく、ボーカルのためのバックバンド、ではない、
ということです。それぞれの演奏に自己主張がありつつも、
それぞれが巧妙に刺激し合い、絡み合い、ひとつの音楽を紡いでいく
バンドでした。
そのため、復帰した女性アーティストの演奏を聞きに来た方は、
私を含め、今までにない違和感を感じたと思います。
盲目的なファンや信者であれば、元気に歌っている姿を見れて
よかったと思うかもしれませんが、今までにないルックス、
激しい演奏と歌詞など、全く違うジャンルと言っていいかもしれません。
ライブでの一体感や盛り上がりを意識するのではなく、感情や技術を
ぶつけるような一方的なパフォーマンスは、圧倒的であり、
もしかしたら、わざと今までのファンや信者を置いてきぼりにするような
そんな印象でした。
(今までの私を期待してたらゴメンナサイ・・・これでも着いてこれる?)
と訴えかかているような、いないような・・・。
私の勝手な感想ですが、そんな感じです。あくまでもファンのひとりでは
ありますが、ライブを見に行って、ひと組のバンドを聴いた感想として
書いたので、客観的ではありますが。
今回、歌詞がよく分からなかったので、CDとかの音源で聞いたらまた
違う印象かもしれません。バンドのスタイルもアコースティックぽくしたら
また受け止め方も違うでしょう。
今日の演奏を聴くに、今までシークレットで地方のライブハウスに顔を
出していましたが、もしかしたら、この東京、渋谷での演奏のパフォーマンス
のためだけに、すべてがあらかじめ段取りされていたんじゃないでしょうか。
400~500人くらいの会場のキャパ、中心地である渋谷、
スペースシャワーTVプロデュースによる、音響システム、照明、
他のバンドの皆さんとは明らかに手間暇が違う演出など、
ひと組のバンドをお披露目するには絶好の機会ではないでしょうか?
しかも、その日が、そのバンドのボーカルの女性の誕生日であるならば。
アンコールでは、『スタートライン』という曲を演奏しました。
全曲目で、演奏する曲名を自ら言ったのは、このラストの曲だけです。
そう、まさに、自分の誕生日にあらたに生まれ変わった彼女は、
自らのスタートラインに立ったのでありました。
ついて行くか
ついて行かないかは
あなた次第です。