ちょいボケじじいの旅・酒・エーとそれとね

毎晩酒を愛で古き日本と温泉を愛す、少し物忘れも出始めた爺が、旅日記やコレクション自慢などと、時々の興味のままを綴る。

みちのく湯けむり周遊の旅 4 青荷温泉

2012-04-26 16:23:38 | 旅日記

 物凄い雪山の中を到着した青荷温泉はランプの宿を売りにしている山中の一軒宿で、携帯の電波も届かないという秘湯だから電池の消耗を避けるために電源を切っておいた方がいいと添乗員さんのサゼッションも。建物は素朴な木造の二階建てで、部屋には当然にテレビ無しで暖房は石油ストーブ、宿から最初の館内説明のあとの大切な注意としてランプには絶対に触らない、ストーブは寝る際には切ることというのを念押しされる。それと翌日の朝食の生卵はご飯に掛けるものじゃないから、絶対に明日の食事説明の前に割らないでねだって。

 雪深い冬場に来るとよくぞこんな所にこれだけの宿を建てたものだという驚きもひとしお、温泉好きの日本人はこうまでしていで湯を楽しもうという根性が素晴らしいじゃないですかなんて、そんなことに思いを馳せるのは変人というべきかな。ここまでの山道自体は土湯温泉の一軒宿の不動湯のほうが悪路だったという記憶があるが、雪道はデコボコは隠されてそんなにはバスは揺れなかったし、雪の壁で崖地の怖さは分からなかったからかもしれないけどね。宿の玄関まで来たら床にはビー玉でお出迎えの文字(冒頭写真)が書かれていて、これもユーモアでホノボノさせようということだね。

                      青荷温泉玄関

                           本館の玄関ロビー

                      フリーでどうぞというような囲炉裏の間もあったが

                      一般客室

 青荷温泉には四ヶ所の風呂があるということで、本館には内湯が男女別に、独立した別棟として滝見の湯と総ヒバづくりの健六の湯も男女別に、そして露天風呂は混浴となっていて我々の到着して間もなくの5時からは女性専用時間というから、4時半になってはいたがザブンと飛び込んでその他の風呂はそのあとにハシゴすることにした。いや露天は忙しかったなぁと、ぬるい湯だったから翌朝に長湯してやろうと目論んだ。そのあとは滝見の湯と健六の湯、それに内湯にもと手短に廻ってみた感想は、いずれも柔らかい湯でその表示は無かったが飲泉も出来そうな軽い感じの湯、源泉は泉温が違うもの3本あるらしいが成分は似たような弱アルカリ性単純泉、特に熱い風呂が無かったのは僕には嬉しい。渓谷沿い見立ての流れが聞こえる露天風呂、裏側に滝が見えるという眺めの湯の滝見の湯、木造りで広くて雰囲気のある健六の湯と気持よく入ったあとの内湯だけは小さな風呂でこれは何故と、女房に狭かったろうと言ったら女性のほうは広かったということでこれはその時で男女入替えにしているのかな、それとも混浴露天に配慮して女性側を大きくしたのかどちらかね。でもこれだけ風呂があったら真冬厳冬期じゃなければ男は内風呂は無くてもいいですよ。

                            宿のパンフレットより

                      露天風呂入口

                      滝見の湯

                      健六の湯

 夕食は大広間で団体客以外も一同に、照明はランプだけの薄暗い中でという初めてのスタイルにやや戸惑ったが、内容はどれも山の幸ばかりでの健康的な田舎家庭料理の態、最初に食材の説明があって薄暗がりでも内容は分かったが、山菜類は保存したものですね、特別に高級な食材はなくて素朴な料理というのは山奥の宿には相応しいというべきか。メインは鴨鍋というが普通の味、イワナ塩焼きは移動囲炉裏に串を並べていたがこれらは別途焼いたものを仕入れているのが普通でこういう演出は上手いね、中では大鍋から自由にという郷土料理のけの汁が僕には一番旨いと思った。

                      大広間でランプの下こんな感じで

                            けの汁はやはり人気だったんでしょう       

                            イワナ塩焼は各自が1本ずつ取って行く

                      山の幸を徹底

                           イワナはもっと焼いたほうが僕は好き  

 目覚めてみれば予報より早く天気が回復したらしく青空が広がっていて、こうなれば早朝からの温泉はやはり露天からと一番乗りで独り占めの湯を堪能する。この露天の湯温はかなりぬるめで長湯できるのがいい、そのためだろう目の前には一人用樽風呂があって、こちらは適温だから最後にザンブリと樽に浸かってから出ればこの時期でも寒々とあがるということは無い。このあとは滝見の湯で落水の輝きを眺め、〆は昨夜同様に健六の湯に、すべてが木造りの風呂というのはいいもんだねぇ。この温泉は軽めの湯ではあるが、これだけハシゴして浸かったら温泉三昧を味わえるというものだ。

                       山の左手に客室から見えた滝が黒く写る

 朝食のメインは青森名物の貝焼き(地元ではカヤキという)だそうで本来はホタテの貝殻の上で作るんだそうだが宿では鍋で、具が温まったところに昨日卵かけご飯にしないでという注意があった卵を溶き入れて、これが固まらないように適当に掻き混ぜて仕上げるという。はたして僕のが上手くできているのかどうかは食べたことが無いから分からない。

                       朝食には海の物も少し

                                  貝焼きの出来上がり

 今回のツアー参加者の中に一人だけここに泊まったことがあるという人が居て、晴天なら夜空の星が降るように見えたと言っていたからそれはまたの機会にチャレンジしないと。しかし新雪の降ったあとの好天というのは景色は一段とキラキラ輝いてきれいなもんだ、宿のバスに乗る前にも周囲をパチリパチリと、そのあとの山道では昨日には見えなかった素晴らしい眺めに皆さんが歓声を上げることに、途中では雪を被った宿の屋根がはるか下に眺められたり、真っ白な雪の向うに八甲田の山々や独立峰の岩木山が遠望できたりと、昨日の悪天候が逆に別世界の光景を恵んでくれたみたいだね。

                       宿の目の前の山

                       帰りの山道の木々に新雪の花が

                       宿は左手の谷底に小さく

                    八甲田が頭を覗かせて

                       頂部が雪で白い岩木山も

 我々みたいな暖かいところからの旅行者はこういう景色を見ると雪がきれいだねぇとはしゃいでしまうが、雪国の人にはゴメンネと言いながらのことだろうけどね。


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