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小江戸そして蔵の町でもある川越の祭はそれまで日にちが決まっていたのを、たまたま数年前に土日と重なったから僕らも初めて見物に行ったのだが、その時には観光客がドッと繰り出しエラク賑わったのに地元では気を良くして、以後は10月第3土日の休日に合わせて開催するようになった。川越は祭りや有名な喜多院などの見物だけでなく、最近は普段でも街中に観光客が多くなっていて、蔵の並ぶ一番街ではボランティアガイドに案内された団体客が目に付いたり、菓子屋横丁など20年近く前までは閑散としていたものが、今は休日には道に人が溢れるほどなのですよ。
もう一つここでのその道の好きな方の名物行事は、お不動さんの縁日28日に毎月行われる骨董市(雨天中止)で、夜明けから境内の四角い広場(原宿の東郷神社の境内みたいに長々と店が並ぶのに対し、ギッシリ固まって店が集まるというのがここの良いところ)に80店位がギッシリと品物を並べていつも盛況である。てなわけで僕もかなりここには物好きにも遊びに来ているので、祭りの様子だけでなく多少の観光面白情報を加えて紹介しておこう。
まずは祭りの内容からということで
この日ばかりは中心街は交通規制で車は入れず、周辺の学校のグランド(前日が雨でグランドがヌカルミ、荒れるのを避けて学校の駐車場が閉鎖となった年は駐車場探しに大変だったこともあったが)などを臨時駐車場にしているので、満杯になる前にと余裕を見て朝8時45分に家を出て、日曜は環八も空いていたので10時には月村小学校グランドに到着、まだガラガラな時間に駐車できた。後で聞くと昼前には満車になったとか。祭りは10時からとのことだが、午前中は屋台は動かず展示されているだけで、その屋台上や道路に面した各町内の仮設舞台でお囃子に合わせて、ここ独特のおかしみある踊りが演じられている。昨年は土曜日に来て各町内だけを廻る引き回しと宵山で一番街に並ぶまでを見ただけで、肝心な曳っかわせなどで盛り上がったところは見られずじまいだったので、以前にぎやかだったと記憶する日曜日に今回は勇んでやってきたのですよ。が、今年の参加屋台は9台とかで例年に比べ寂しいため、街中を歩いても人ばっかりでお目当ての屋台はマバラというのには当てが外れた。午後2時に市役所前に集合、3時頃蔵作りが並ぶ一番街を順次通るとかで、それまではブラブラ歩きして廻ることに。ここの祭で本当に面白いのは曳っかわせという、屋台同士が交差点などで出会った時に屋台台座上を回転しあって向かい合い、それぞれの前面で踊り手の踊り比べが行われるところにあるのです。
所々に仮設舞台があって
電線のない一番街では人形も現れて進む
山車の舞台ではお囃子と踊り
曳っかわせの場面
時の鐘の下を行く山車
見事な蔵が並ぶ一郭
神輿は一基だけが
これが今年は台数が少ないので夜7時に提灯の明かりが入ってから始まるとのこと。これは予定外で午後4時頃帰ろうと思っていたので来年は夜だけを中心にしようかと、その時間なら逆に今日の僕らみたいに帰り客も出てくるだろうから駐車場も空いてくるかもしれないからね。事実4時以降に帰る観光客も多い代わりに、地元の人ならこれからの時間帯を楽しみに見物しに来る常連も多いらしく、この手もありそうですな。あとは祭りにつきものの神輿はここでは脇役みたいなようで、大型神輿が1基だけ出ていただけ、でもその担ぎ手に女性が増えているのはいずこも同じようではあるね。
祭りだけじゃなく川越の観光名物についても以下にいくつか、祭り見物の際に訪れた時の状況も取り混ぜながらということで
この時には祭り見物が佳境になるまではまだ間があるからと昼飯までの時間つぶしに、洋食ビストロ岡田(ここのロールキャベツが美味しい)の向かい側、NTTの脇の道を入ったところにあるはつかり醤油醸造松本商店に併設の喫茶店エサーゴノ(ここの娘が始め、醤油の酵母が六角形だということでつけた名前だとか)で一服。さてそろそろいい頃かという時間となって、江戸料理山屋の前を通って蔵が並ぶ一番街の人ごみの中へ。
この通り一番街は川越観光のメインとなっていて祭りじゃなくても最近は観光客が多いところ、老舗菓子屋の亀屋、くらづくり本舗などは老舗の菓子屋で甘党なら是非とも立寄って品定めしておきたい店じゃないかな。亀屋の裏には橋本雅邦の日本画を中心とする山崎美術館があり、以前は見終わっての出口手前の休憩所では名物菓子の最中が置いてあって自由にどうぞとなっていたが、今でもそうなっているかな。くらづくりの方は福蔵という最中風の中に餅が入ったお菓子が美味しいと女房がいつも買う、ラジオなどでもPRが流されているようだが、最中に餅というのはカロリー過多が心配だから中年以上で糖尿病の気がある人には目の毒だな。またこの店の脇の引戸をくぐった裏には古い民家をそのまま店にしたくらつくり茶屋があって、会津の割烹旅館田毎と提携したというわっぱ飯(田毎では朝食に出る)と、これも会津満田屋に倣ったと見られる田楽だけの食事が食べられて、セットメニューもあってこちらは中年以上の年配の人にはお薦めである。食べ物関連は新しく出来た店も多くて祭りでどこも賑わっていたようだが、僕が知っているのは食事ではやや高めのコースメニュー2種だけだった家庭料理えぷろん亭、陶器屋やまわの奥にある喫茶と和食の陶路子(何故かここには感じの良い陶器屋が2軒すぐそばに並んでいたのだが平成15年に1軒は閉店)、出汁醤油の商品名春夏秋冬や胡麻ドレッシングなどが美味しい金笛醤油の奥にあるうどん屋うんとん春夏秋冬、はるり銀華2階の喫茶室などでそれぞれ一度ぐらいはは食べたことがある。
またこの通りの名物店として荒物や銅鉄器の荻野銅鉄店、時の鐘の入口路地の筋向い近くにある包丁刃物の町勘、蔵店が文化財指定の民藝品屋大澤商店などがあり、中でも親父が研ぎながら(ここで買ったものは優先的に研いでくれるそうだ)講釈してくれる町勘の包丁は切味が素晴らしく、値は張るものの思い切って買ってしまい2本も家においてあるが出番は少ないかな。今日は犬猫グッズを階段下の道路にディスプレイしたペット・スタジオ<今は無くなっていると思う>という2階にあるペット衣料の店に女房がふらっと入って行って、犬用の可愛い洋服が安いと我家の愛犬用に衝動買い、なんで川越祭を見にきてこんなものを買ったのかしらと、そんなことはワシは知らんよという一幕も。この通りは新しい建物も蔵風にするよう協定が出来ていて、この協定作りに一女性が活躍したとTVでかなり前にやっていたが、やはりこれだけ蔵が並ぶ街並みは見事なものだ。
町勘
亀屋
くらつくり茶屋
左手がエサーゴノ
この日の食事は祭り見物客で混む前にと11時半開店のこれもお気に入りの地元の人も推薦する幸すしに、金笛醤油脇の細いこんな路地(車だと裏側の道から入っていけば駐車場もある)にという所を奥に入る。この店は寿司カウンターや座敷は1階にあるが、予約客以外の昼は2階のみとなっている。階段を登ってすぐの店内には先客は地元の人らしい女性客ばかりのまだ2組4名で、上がり板敷に向かう椅子席の面白い趣向の席につく。ここ半年程来ていなかったうちに改装されて、この趣向の席が減って上段の板敷にテーブル席が増え、窓側に面するカウンター席も出来ていて収容力をアップしたようだね。寿司も勿論あるが、我々のお薦めは休日だけのやまぶき弁当2000円である。今日は祭り弁当だそうで、蟹なども入ってやや豪華になっていたのが仇となって、殻つきというのは食べにくいぞ、とはいえ美味しく戴けましたよ。品数が豊富なおかずに比べて御飯の量が少なめなので、男連中だとお代りしたくなりそうですねぇ。我々の帰り時間にはやはりもうかなりの客が入ってきて、先んずれば人を制すで、人気店だから昼時は今は満席ですなんて言われることもあるそうだから早目に入店をお薦めします。
幸すし
やまぶき弁当
このあとは人混みにもまれながらの祭り見物となったが、やはり9台だけでは寂しいね。
<2012年の川越まつりは市制90周年を祝って全部の29台の山車が出たんだそうだ。これを書いたころの27台から2台が増えたようで、ネットで見たら各町内のものじゃなくて市が独自に作ったものらしいのが1台掲載されていた。町内だけでのまつり費用の分担ではこの不景気では大変だとは思われ、こういう形でも市が助成して盛り上げようという意図が見られるようですな>