これまでにもいくつか手持ちの絵画や版画については書いてはいるが、まだいくつか残っているものがあるのでそれらを順次お見せする。まぁしょうもないものもあるのだけれど一応作家ものだけをいくつか。
今回のシリーズ(というほどのものではないが)の最初はバラを描いた油絵で、荻谷巌というもう故人となられた作家の作品。これは義父がどこぞかから手に入れたもので、我家の玄関正面にずーっと掛けられている。この作家は特にバラを描かせると上手だということを義父から聞いたのを覚えているが、今ネットで調べてみてもよく分からない。絵自体は上手いなぁと思うし手馴れた感じがよく分かる。以前に読んだ中川一政のエッセイに、画商は売れる絵を描いて欲しいからという魂胆で作家にバラの花束をよく送ってくると書いてあったが、やはり油絵の静物の画題の王道ではあるな。玄関正面で威厳を発揮しているぞ。
この作家の油絵はもう30年以上前に、絵画好きのオーナーが集めたらしい厚木国際CCの絵画展示コーナーで見かけたことだけは覚えているが、その時の画題は何だったか記憶が無い。
義父が気に入っていた油絵はこれともう一つ緑の丘の上に真っ青な空が広がり、一片の雲が浮かぶという図のもがあったのだが、そちらは画材の質が悪かったのか絵具が剥げて粉化してきて修復不可能となってしまった。こちらだけでも大切に保存しないということで、細かい装飾が入ってクラシカルで立派だったオリジナルの額は古い物だから保護ガラスが無くて絵はむき出しであった。それではまずいと、額だけは保護ガラス付きのシンプルなものに取替えている。