お天気が良かったから山寄りの秩父でもまず寒くはないだろうと、朝を手早く済ませてお出かけ。女房が秩父の新酒で瓶詰めしてもまだ発酵を続けるこの時期だけの日本酒が呑みたいというから、ついでに温泉にもということで。
朝8時ちょっと過ぎに我家を出発、平日のこの時間の環八外回りはそんなには混雑しないから比較的にスムースに関越に乗って花園ICまで、10時前には高速を降りてすぐの道の駅に隣接するJA直売所に到着。秩父では冬場の農産物は少ないからこの時期にはここで買っておくのです。それとここは植木類や花卉類が多いのも特徴で、三つほど芽が出てきている福寿草が300円というので軽井沢に植えてやろうかと買ってみた。
このあとは有料道路で秩父市のはずれまでにはすぐ、市街に入って道の駅でいくつか観光パンフレットをチェック、というのも皆野町吉田地区などに新しい温泉施設が出来ているようなので。まぁ今回は秩父には何回も来ているのに入ったことがなかった満願の湯にして、新しいところは次からにしようかと、両神村の薬師の湯が硫黄泉じゃなくなちゃったからね。
昼には地元で人気らしいモン・シャーレという洋食屋に開店直後に入る。ここにはもう10年以上前の出来たばかりの頃に来たのだが、その後は数年前までは中心部にあったシャンドフルールで続けて食べていた。でもそこが場所を郊外に移して予約制にしちゃったから、遠出で時間がキッチリ確約できない旅行客では行けなくなっちゃって。モン・シャーレは名前といい、造りもログハウス、さらに店内にヒマラヤのパネル写真を飾っているから、オーナーは山好きなのでしょうね。サービスランチはコーヒーが付くそうで、10種類ぐらいのメニューがある。僕はホタテのムニエルにアサリのソース、女房はいつものハンバーグを何故か避けてポークしょうが焼を注文、いずれもスープ付きでメインはボリューム満点、でも味は普通かな、女房のほうはやや醤油味がきついと言っていた。でも値段と量では地元客に喜ばれているはずで、我々が食べ終わった12時頃にはもう満席になっていた。地元客が食べていたものを見たら、煮込んだものが旨そうだったな。
カボチャスープ コーヒー
ホタテ ポークしょうが焼
ちなみにこの洋食店の隣には蕎麦の有名店こいけがあるがまだ食べたことは無い。こいけも参加する秩父そばの会なるパンフレットがあったが、昨年その一員であるやなぎやという店のもり蕎麦は美味しかったから、この会員店ならまずは大丈夫だろう。
奥がモン・シャーレで手前が手打そば・こいけ
その後はまずJR秩父駅にある地場産センター物産館に行って秩父張子の今年の干支の寅を探す。今年のものはどれも小型で今までのような大きなものが無いし形も絵付けもいまいち、中では白い虎はまずまずかな。白虎は南の守護神、インドではこれを見たら幸せになるというから縁起物にいいと思うけれど、どういうわけかあまり見かけないからと、安いこともあってこれにしとこうと。
次は駅からすぐの古い造りの蔵元柳田総本店に回り、目的だったにごり生酒の4号瓶を2本と普通のにごり酒に樽酒の1升瓶を、そして吟醸酒粕などを買って、裏にある蛇口で流し出していて自由にどうぞという酒造り用の地下伏流水を持参のペットボトルに10本ばかり頂戴する。秩父には秩父錦という蔵元もあって、観光施設も整っているようなのだが、日帰りで秩父となると忙しすぎるかとまだ訪ねていないし、味も確かめていない。物産館で味の違いを酒販売コーナーの女性店員に訊いたが、どちらも辛口ですけど飲み比べたことがないので分かりませんと、もっと売り手としては勉強しておきましょうね。その逆に武甲の蔵元のおやじは話してみるとかなり面白い返事をしてくれるから、無駄話でもいいから雑談しておこうね。
この生酒は発酵中だから栓に穴が開いていて立てて持帰る
それでは温泉へと皆野町に戻って満願の湯に、こちらは出来てからかなり経っているようなのに何故か縁が無かったなぁと。あとで知ったのだが手前の日帰温泉施設は民営で、すぐ奥には公営の水と緑のふれあいの館という施設もあったのですね。でも公営はやや小さめの内風呂だけだそうで、民営のほうはサウナや露天風呂も完備しているから、値段相応のようではある。泉質は18℃の単純硫黄冷鉱泉でPH9.5の強アルカリ泉だから肌がツルッとする。露天風呂からは奥長瀞渓谷対岸に作られた滝が見えるという趣向で、脇には長命水と名付けられた冷水が飲めるようになっているのがいいね。満願の湯とは近くに日本百観音の結願寺である水潜寺があって、その寺に願かけしその地下から湧出を得たからという。1Fの広間の舞台ではお母ちゃんたちがカラオケをスター気取りで歌っていて、庶民的な温泉宿の雰囲気であるな。
午後3時となって、山側だけが暗く曇った空の下の武甲山(冒頭写真)を眺めながら秩父市にまた戻って市内を突っ切り、芦ヶ久保から正丸トンネルを通って飯能に出てから川越方面に走って、最後の目的地で日高にあるサイボクには夕刻近くの到着となってしまった。ここのゴールデンポークと名付けられた銘柄豚肉は旨いです。鹿児島黒豚と同様に脂がいいからソーセージ類なども実に品がある肉質で大手メーカーの一般品などとはモノが違う。ここでは農産物直売所もあるし、昼だったらレストランからテークオフまで懐と相談して楽しめる。でも数年前に掘削に成功した天然温泉施設のまきばの湯の入浴料だけは、我々みたいにサッと入って帰る客にはもう少し安くなりませんか。
宵闇迫る中を川越ICから乗って環八経由で我家まではまずまず順調に1時間半強の時間で帰り、買ってきた豚足などで一杯を、でもにごり生酒は明日ゆっくりと楽しもうということに。