今回の第一日目は会津周辺で時間をとるつもりだったので、一泊目は喜多方経由で峠越えしてすぐの、米沢中心部手前の山間に少しだけ入った所にある小野川温泉にしていて、宿はもう20年前ぐらいに泊まったことがある吾妻荘を予約していた。ここは古いが立派な木造建物の旧館が手前(冒頭写真)にあって、その奥が鉄筋コンクリートの新館、そして脇の道路を挟んだ場所に別館がという小野川温泉では規模が大きい宿で、ちなみにキャッチフレーズは名湯の宿とある。
我々が泊まったのは新館で、入口がある旧館は斜面に建っているので、中庭に面した廊下と階段を登って奥に案内されることになる。駐車場はその新館のさらに奥にあって、ちょっと不便な感じになってしまうのは老舗の和風旅館が旧館をそのままに増築したからで、代わりに木造のほうは風情があるからもっと活用したらと僕は思いますが。その昔は女将が部屋まで案内してくれたがもう高齢のはずで、受付案内に居た女性はどうやらその娘さんらしかった。
中庭の鯉の池には冬場は温泉を引き込むようにしてからは鯉が元気になったそうで、温泉の効能を証明していますな
新館も和室でトイレ付き、内装はきれいでメンテナンスされています、食事は山形の老舗宿では部屋出しがほとんどでこの宿も。米沢は山奥の秘湯が多くてどこも秘湯ブームで有名であるが、ここはそこまででは無いが鄙びた温泉街を形成していて如何にも日本の温泉といった山間の狭間、小野川の名は小野小町が東北への道中で病に倒れて発見した湯ということでだそうだが、それはあくまでも伝説でしょうけど。
客室
客室から中庭越しに温泉街方面を
小野川温泉の由来が、お隣の湯の神様は客室からこじんまりした屋根が見えた
温泉はPH7の中性で、硫黄臭のある含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉であるが成分量は多め、特筆すべきはラジウム温泉でもあることで、やや高温の湯に浸かれば肌が引き締まる感じ、名湯の湯というのは温度が違う2源泉を混合して温度調整していて、一切加水しない源泉掛け流しの湯ということでしょうか。浴槽は大きな窓に面する男女別大型内風呂だけで露天は無いが、無料の貸切小浴室もあって以前は空いていたら自由にという方式だったが予約制となっていた。
宿のパンフレットより
温泉成分について
今回はスタンダードプランで、食事はあんまり期待していなかったのに思いのほか内容がよくて美味しく食べたが、ボリュームもかなりあって、我々ぐらいの年齢だとご飯まではとても食べられない。メインのすき焼きは山形牛であるが、米沢牛とまではいかないけれどとてもいい肉、そして米沢の鯉は煮汁に水飴などを使うからカチッとした仕上がりで佐久の旨煮とはまた違う味わいがいい、あとは地元の有名店の豆腐、山の宿では定番のイワナ塩焼き、山形名物の芋煮、変ったところでは茶碗蒸しには東北ではよく使うという麩が入っていたり和風冷麺などというのもあったりと、これがこの旅行での喰い過ぎの始まりとなってしまった。
運ばれてきた夕食膳
山形では菊の花が食用として名物
豆腐と刻み野菜 冷酒は米鶴
アケビ肉詰めとマイタケの天ぷら
山形牛すき焼
鯉の甘煮
イワナ塩焼き
茶碗蒸しには麩と小さなマツタケが
名物の芋煮が少しだけ
和風冷麺
漬物とデザート
早寝した翌朝は当然に早起きして朝風呂に、そのあとの朝食も部屋食で、昨夜にあれほど食べたのに一晩寝たらまたチャンと腹に収まるのが不思議と、家でだとこうはいかないのにねぇ。朝食には和風旅館では定番のものが並んだが、塩鮭が美味しくてやはりご飯は2杯をペロリと、ここの名物だというラジウム温泉玉子もあったが、宿からのお土産ということで別途に包みも渡されて、これって我家に帰ってからでないと食べられませんな。
朝食の膳
ラジウム温泉玉子のお土産包み
ここは温泉も食事も内容がなかなか、特にラジウム温泉というのと鯉の甘煮の肝が気に入った、また泊まることがありそうですね。