信州に来れば温泉には事欠かないからこれだけは有難いことで、でも一ヶ月の滞在となると毎日とは贅沢すぎるかとだいたいが一日おきぐらいでの利用に、これでも山荘の風呂にはほとんど入らないで済ますことになりますな。温泉の泉質は東信地区では東御から東は塩化物泉、上田から先は硫黄泉に、丸子あたりはその中間成分の単純泉といったところ、それぞれに効能が違うからいろいろと入らないとねぇ、こちらに来ればあぁいい湯だなと温泉天国万歳だ。
今回一番多く利用したのが町営の複合施設の木もれ陽の里の健康増進部門にある温泉施設、山荘から一番近いし入浴料金も安いからねぇ。ここは温泉と言っても茅野の芹ケ沢温泉から運搬してきたもので、アルカリ性単純泉という表示だけがある。運搬してきたものだから湯自体の鮮度は落ちてはいるし改めて沸かしていると思うが、それでも湯上りには肌はスベスベ、体全体はよく温まって暫し扇風機で冷さないと服が着られないぐらいにはなる。露天は無いがサウナはあるからまずまず、外に出られて涼むスペースがあるから露天も作ってくれたら嬉しいのにね。入浴料金の300円というのは、体育室を自主的に利用する料金も含んでいるから時間があれば運動もできるが、やはり運動をするとなると指導料の200円を追加してレッスンを受けた方が励めるはずだよね。一つ言わしてもらうと、この施設については周辺の道路沿いには案内表示が全くないというのは如何なものかと、我々は建設中を知っていて何ができたのかと、半年後ぐらいあとになって温泉があるのをやっと知った。
施設正面から
裏側から、温泉はこちらに
館内案内図、温泉は2Fに
簡単な温泉表示だけ
その次に利用したのが旧浅科にある穂の香乃湯、ここは周辺では一番空いているのと、第二駐車場側には木陰があるので犬を連れている場合はほとんどこちらを利用することになる。泉質はナトリウム塩化物泉でPH9.1のアルカリ性、成分総計は13290mgとかなり多いがそんなには塩辛く感じない。泉温は古い表示では25℃を超えて温泉となっていたが、新しい成分表には21℃とあるから鉱泉ということになりますかね。夏場は大きな露天の湯温が内風呂よりも低くなっているから僕には好都合、いつも露天ではドドッと流れ落ちる打たせ湯を頭から被ることにしている。サウナもあるが狭いから数人でいっぱい、温度は100度に近い高温になっている。眺めは男風呂からは田園風景が、女風呂からなら浅間山が何とか見えるんじゃないかな。
穂の香乃湯
二度ほど利用した布施温泉は旧望月の東端にある温泉施設で、この辺りでは一番ショッパイ味がするナトリウム塩化物泉であるが、成分総計は4875mgほど、PHは7.8と弱アルカリ、泉温は45℃とあったがおそらく沸かしてはいて、僕には内風呂も露天もちょっと熱すぎるから長湯できない。ここの浴室は週替わりの男女入替え制で、浴槽の種類が一部違っている。場所はやや高台なので、露天からは浅間山が手前の小山越しに何とか見える、総じて東信地区の温泉施設などは浅間山を意識した立地となっているようだ。
布施温泉
こちらも二回ほど利用した小諸の千曲川の南側の高台の北斜面に建つあぐりの湯は、北側の浅間山に連なる山々の眺めが最高という温泉施設だ。泉質はこちらもナトリウム塩化物泉で成分総計は1455.6mg、PH7.8.泉温は32.6℃と表示がある。この施設は国の補助をを貰って農事法人が造ったものだから、農産物などの直売所を併設しているのは温泉だけじゃまずいということだろう。この下には今は民営に委託となっている旧国民宿舎があって、湯はそちらの布引温泉からの引湯、当然に沸かし湯だが内風呂は高低二つの浴槽があるのと、露天はぬるめというのが気に入っていて、この湯温なら雄大な眺めを見つつ長湯ができるというものだ。我々は夜に利用したことは無いが、小諸の夜景もなかなかキレイだとか。
湯楽里
浅間山は一番右、冒頭写真も別の日に写したもの
眺められる山々の名前の説明パネル
僕が東信地区で一番の泉質だと思う田沢温泉の有乳湯にも二回だけ、単純硫黄泉ということで成分総計は198mgと少ないのだが硫黄臭がかなりあり、成分が少ない分柔らかい湯となっているのだと思う。注ぎ口の湯は飲泉できるからと、飲んでみると硫黄特有の味がある。PH9・6の強アルカリも凄いが、何よりも湯の中に微細な泡が大量にあって肌にビッシリと付いてくること、撫でればツルリヌルッとしていい湯だな気分を実感できる。泡の成分は炭酸ガスだとばかり思っていたが、成分表の溶存ガス成分を見たら遊離炭酸ガスは無いとあった。温泉財産区の人に訊いたらガス成分の内容は分からないが硫黄泉で泡があるのは珍しいとだけは聞いているとか、とにかく湯の鮮度がとびきりいいことだけは確かだね。この温泉の源泉は二つあって浴槽の方が湯量と泉温が高くて、浴槽脇のやや緑色の湯と洗い場カランからの湯はやや低めの源泉のほうと言う話も、さらに僕はこの浴槽の湯は40℃はないぐらいのぬるめで長湯できるのがいいねと話したら、毎日浴槽の温度管理で測っていて泉温は40℃だが湯船で41・2℃あるのを確認して調整しているという返事、これも不思議で何でぬるめに感じるのかと、柔らかい湯が錯覚させるものか、これに納得できる答えを知る方はおられませんか。有乳湯の名前の由来は外の看板に書かれていたが、ガスと湯温の謎の説明も欲しいですぞ。この湯の効能はご婦人たちだけでなく僕のような年寄などにも嬉しいはず、他にもご飯を炊いたり煮物に使ったりするのもオススメということだ。
湯殿造りの有乳湯
遊離二酸化炭素には-線が