■総理がTPP参加を決めた後も何やらゴタゴタが続いている。僕の視点からはなにげにばかばかしい議論だと思える。メディアも国論が2分しているような扱いをするが、日本経済を牽引する自動車業界が賛成で、一方、将来の展望が見えない農業団体が反対論の代表のような顔をしている。最近「国益」と称して「食の安全」「アメリカの言いなり」などのわけのわからない用語で農家の保護が日本経済に匹敵するような重要性を主張するような論評が目に付く。
政治の世界で農家保護をうたうのは自民党、共産党と一部民主党で、みんなの党は賛成だし、立ち上がれ日本はTPPと日本農業は別問題だと言っている。これが正論だと思う。日本的組織政党ではわけのわからん組織の主張というのがあって、個人的意見が反映できないのかもしれない。これが旧自民党保守政権時代からの「票田」政策という幽霊ではないのか?でも、一般人もTPPが国論をわける問題のように思ってしまう、、、と考えるとこわい問題だ。そうなりつつあるんだろうか?まるで戦時中の軍事思想のように、、、。
外交交渉はそもそも国益が前提で進められるものなのに「国益」に反する協定だと反論したり、それを国会で審議しないと許されないなどという論理があるとするといかにもうそっぽい。そもそも外交は政府行政固有の権限でそれを国会審議にかかわらせるというのは三権分立に反するのだが、日本的発想だと総理の発言は国会の民意を反映しないからダメだ!とでもいうのだろうか?確かに交渉事で代表者が本社に伺いをたてないと何も決められないという日本的組織の全員一致決定方式の悪評は高く、国際的に信用されない原因である。だから日本の外交はアカンのだ、と思う。その遅れた外交を取り戻すためにもTPPは避けられない、と思うのだが、、、。
日曜のTV政策討論で、それではこれからの農業政策はどうあるべきか?という提言に対し自民党の政策は与党とそれとさして変わりない、ということなのだが、、、。えーっ、それ一体どういうこと!と言いたくなる。何のために、一体誰のためにTPPに反対したの?と誰でも聞きたくなるんじゃあないの?
オリンパス事件で日本企業体質の不健全性をアメリカに批判されても文句はいえまいと思うが、非関税障壁やらなんやら民主国家と思えない不透明性を持つ日本が「アメリカのいいなり」になるのは「国益」に反するなどと抽象的に言われるようになると、これはちょっと妙だ!論理が破綻してきた!、、と思う今日この頃です。