「川柳ふんえん」№874(2022-11)が発行されました。
令和4年噴煙川柳大会の発表号です。巻頭で編集人の徳丸浩二さんが通巻千号を越える柳誌をいくつか紹介しています。「川柳ふんえん」も千号が視野に入ってきたようです。
令和4年 噴煙川柳大会 9/22(木)熊本市民会館大会議室にて
天地人 入賞句
「サンプル」真島久美子 選
人 善人のサンプルそれは父でした 落合 洋人
地 理科室の標本いつも濡れている 梅崎 流青
天 雛形をまね雛形の上を行く 徳丸 浩二
「湧く」麻井 文博 選
人 雨の日はよく言い訳が湧いてくる 前田 一天
地 源泉を持つにんげんが温かい 山口 亮栄
天 好奇心湧くたび歳を捨てている 北村あじさい
「まばら」間瀬田 紋章 選
人 ばらけ出した記憶風に舞っている 黒川 孤遊
地 葬列のまばら分限者だったのに 梅崎 流青
天 善人の列がまばらになってくる 萩原奈津子
「損」古谷龍太郎 選
人 ふさふさの髪と同額払います 江川寿美枝
地 知名度のなさを悔んでいる名刺 桜木 えり
天 算盤に合わぬ生き方して豊か 梅崎 流青
「サンプル」徳丸 浩二 選
人 サンプルに多弁な罠が伏せてある 古閑 萬風
地 サンプルは不要私の進む道 吉開 綾子
天 今日からの本当のメニュー軽くする 上田ゆい子
「湧く」萩原奈津子 選
人 降って湧くまだ結論は出ていない 緒方 正堂
地 労働歌湧く閉山の地底から 梅崎 流青
天 湧水の揺らぎを誰も見ていない 真島久美子
「まばら」松村 華菜 選
人 とびとびの灯りを奪い合う貧者 梅崎 流青
地 鳴りやまぬ鈴を神さま恋しがり 高橋 悟
天 国葬へ拍手まばらな民の意志 間瀬田紋章
「損」平田 朝子 選
人 弾痕を欠損品というなかれ 真島久美子
地 はずれくじ今日も他力でのり越える 間瀬田紋章
天 欠損の指こそ誇れ花火の徒 梅崎 流青
特別課題「しばらく」森永可恵子 選
特選 しばらくお待ち鴨の親子が通ります 矢村なお美