熊本県川柳研究協議会(熊本川柳研)

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「湧水」30号から

2023-02-05 00:00:01 | 川柳一般

「壺」(熊本番傘お茶の間川柳会発行)に4回(24号~27号)にわたって嶋本慶之介さんが執筆した「熊本の川柳 歴史散歩」が、内容を凝縮のうえ、「湧水」(ゆうすい)第30号(くまもと文学・歴史館友の会 令和4年12月発行=発行年1回)に掲載された。

 

「壺」に掲載したときにあった写真は省かれているが、四章からなり、6ページ半にわたっている

その一

熊本川柳のスターター田中辰二(鳴風)。熊日の前身・九州日日新聞に川柳壇を開設、熊本に川柳の種を蒔いた旧制五高教授・田中辰二から、川柳噴煙吟社を設立することにつながる吉岡五竹、龍城、茂緒の三兄弟について。そして昭和25年の大嶋濤明を迎えての噴煙吟社設立から今日に至るまでをまとめている。

その二

戦後、熊本の川柳会の統合、発展に務めた大嶋濤明について。

その三

大嶋濤明の後、川柳噴煙吟社を率いた吉岡龍城と、脇を固めた川柳仲間たちについて。

その四

新しい動きをはじめた柿山陽一が創設した「川柳真風吟社」や、川柳に関する本(アンソロジーなど)の出版を続けた田口麦彦、熊本番傘お茶の間川柳会の誕生などの最近の動きをまとめている。

 

熊本県の川柳史が豊富な資料と取材によって活写されており、貴重な資料となっている。

「くまもと散文月評」古江研也令和5年1月30日熊本日日新聞)でも「文学・歴史館と友の会の来し方を次世代へ語り継ぐための記録といえる」と評している。

「湧水」はくまもと文学・歴史館〉(中央区出水、県立図書館横、電話096-384-5000)で入手可能。1.000円

                                       (レポート 黒川孤遊)