熊本県川柳研究協議会(熊本川柳研)

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第2回薩摩川内こころの文芸大会開催される

2023-10-03 06:39:15 | 句会・大会

NPO法人薩摩川内市文化協会文化祭 第2回薩摩川内こころの文芸大会 に参加しました。

             とき:2023年10月1日(日) ところ:SSプラザ川内301~303会議室

国民文化祭かごしま2015の開催を期に、第6回まで開催した「薩摩川内こころの川柳大会」を発展させ、新しく俳句・短歌・さつま狂句を加えた「文芸大会」として昨年から開催され、今年はその第2回目の開催となりました。4つのジャンルには、自由に応募できて複数応募者も多いようです。

披講や呼名の要領が独特で、始めに選者が読みあげ、次にプロジェクターで投影しながら再度読み上げ、司会が作者名を読みあげます。さつま狂句はさらに複雑で、披講の最後は選者の返しの句が付け加えられます。その斬新さに驚かされます。

写真1 大会会場内

      

 

写真2 こころの文芸大会会順表

             

各ジャンルの特選:各選者1作品

川柳

「歩 く」間瀬田紋章(選)田植足袋百年の土均しゆく   甲斐雅人(宮崎)

「自由題」馬場ナオミ(選)引き金を軽く一本締めで引く  村上和巳(熊本)

写真3 受賞の様子 

                                       (間瀬田紋章さんのFacebookから楊子が引用しました。了解済)

俳句

「歩 く」鈴木守(選)もみじ狩り母の歩みに逆らはず   大重淳一(鹿児島)

「自由題」丸山眞(選)身ほとりに妣のまなざし盆踊    上野ミチ(鹿児島)

短歌

「歩 く」本屋敏郎(選)城跡の石の階段(きざはし)もののふの寡黙な一歩削りしへこみ   黒瀬圭子(鹿児島)

「自由題」鶴田直樹(選)現へとあなた見送る未練坂身はこがれども鳴けぬほたるは  下野落椿(熊本)

さつま狂句

 写真4 

          

 

※県関係作品

川柳

「歩 く」 バス停を二つ歩いて干す涙        若松節子(佳作1)

      徘徊と言われるまでは散歩です      いわさき楊子(入選)

      まだ杖はいらぬと励むウオーキング    阪本ちえこ(入選)

俳句

「歩 く」 夏雲や漱石辿る峠道           森永可恵子(入選)

      白南風や足どり軽ろき通学路       下野落椿 (入選)

「自由題」  青北風を介護の部屋へ通しけり       下野落椿 (佳作4)

           算盤を弾く音して秋近し         阪本ちえこ(入選)

短歌

「歩 く」 手術終えやさしい人の手を借りてゆるりと一歩前に踏み出す  森永可恵子(佳作3)

      真っ直ぐに歩くのはもう止めました路傍の草に語りかけねば  西村楊子(入選)

        愛不思議不毛豊穣歩く野は愛して沃野求めて荒野       村上和巳(入選)

「自由題」 キャッシュレスカードですかと店員は現金払い抜きにして言う  森永可恵子(佳作2)

      若さには希望という荷重かった年経て今は軽ろきを嘆く     村上和巳(入選)

さつま狂句  

     夫婦喧嘩(みとげんか)手話い切い替え延長戦           下野落椿(客5席)

 

以上でしたが、プロジェクター表示をデジカメ撮影したため一部不鮮明な部分があり、細部は発表誌等を確認する必要もありそうです。いずれにしても、異業種交流・ダイバシティー・ボーダーレスと昨今流行の多様性満載の大会で、実行委員長の石神紅雀さんの活躍が光っていました。                                   (レポート 村上和巳)