わたしの詠みたい川柳
冬薔薇のつぼみ 撮影:村上和巳さん
具体的には人の役に立たないもの。感動をあたえすぎないもの。想い出つづりでも格言でも報告書でも挨拶文でも説明文でもお礼状でもないもの。読んですぐは軽いけれどしばらくしてから重く感じるもの。最初は冷たいけれどしばらくく触れているとある程度の温度を感じるもの。詩情はあるが自己愛に陥らないもの。すべてに平等な視線でながめたもの。遠くを眺める感じで自分をみたもの。少しの微笑をもって読めるもの。そして具体的には何も伝えないが心の奥底に沈んで豊かさを醸しだすもの。
そんなものを書けないだろうか。理想だけは高く持ち続けよう。 (いわさき楊子)