2022年4月10日「壺」28号を発行しました。私たちの熊本番傘お茶の間川柳会もいよいよ8年目に入りました。毎月第1金曜日に熊本鶴屋東館パレアで句会を開催しています。是非一度見学にお越しください。
◆ 壺の詩 黒川孤遊選から5句
おしゃべりは今日の恵方に背をみせて と も
チョイ悪に魅かれやんちゃの匂い嗅ぐ 紀美代
冷えた手が釣れたメバルに春を知る 徹 則
古希なんてタンスの奥にあったはず としお
初孫の顔を見ぬままもう二歳 光三郎
◆私の川柳創世記㉒ 萩原奈津子
ご本人は川柳歴十数年と謙遜されるが、熱心に取り組まれている姿勢に頭がさがります。
新茶の香しずく一滴つぎ分ける
眠れない書きたいことがあるのです
月だったか太陽だったのか おんな
◆流花 女性川柳家伝 黒川孤遊
今回は近藤十四子さんです。大正4年東京に生まれ、14歳の時に母親が通りすがりの男に殺され一家離散、その後波乱の人生と句が紹介されています。
底の無い悩みを神に責め立てゝ
沈黙の骸は過去を閉じこめて
公然の秘密 人間 屠×業
このいのち天地の愛のひとしずく
七十路の峠 はるけき野の眺め
◆私の好きな川柳 井芹陶次郎
「誹風柳多留」の初篇巻頭句などを紹介、解説しています。
五番目は同じ作でも江戸生まれ
ふる雪の白きを見せぬ日本橋
子を捨てる藪とは見えぬ五丁町
◆熊本の川柳 歴史散歩 ③ 嶋本慶之介
大嶋濤明の後、熊本川柳会をリードし、後に全日本川柳協会長を努めた吉岡龍城とその仲間たちを紹介します。吟社の垣根を越えて読んでいただきたい内容です。吟社の壁を越えて読んでいただきたいと思います。
「壺」編集人 井芹陶次郎 (ご購読の申し込みは陶次郎または孤遊まで)
この句、面白いですね。
どっちなんでしょうかね。
いいとこ、突いてきたなと思いました。
古希なんてタンスの奥にあったはず
古稀は、koki
帯は、obi
母音が一緒で
確かに箪笥にありそう。
韻まで想像されるとはさすがですね。気がつきませんでした。