私が死んだ?
それは、去年の暮れの一本の電話が序章だったのです。
大先輩にあたる人からの電話だった。
大先輩:「あれ、本人だよね、やっぱり人違いだったか」
しろ猫:「え?どういうことですか?」
の、やり取りの後で聞いた話は、買物帰りに葬儀場の横を通り掛かったら私の通夜が行われていて、慌てて確認の電話をしたとのことでした。直ぐにピンと来たのは私より10歳くらい年配の同姓同名の方の存在でした。
しろ猫:「生きてます、ご安心下さい、多分同じ町内の同姓同名の方です」
と返事をして電話を切りました。
その翌日は、朝刊の訃報欄を見たという友人・知人から電話の嵐がやって来たのです。「年齢が違っていたけど誤植ということもあるし…」という懐疑派まで登場し数日は電話の嵐でした。
この町で生活を始めた頃は、郵便物が違って配達されたり、銀行が間違えて振込んだり、若い二人づれが「今度お部屋を借りることになりました○○です」と挨拶に来られ、同姓同名の方はアパート経営かなと想像したものでしたが、ここ数年は静かだったのです。
電話の嵐から数日後、今度は「ご愁傷さまです」で始まる忌日の料理や引出物等、そして墓所・墓石のセールスまでが玄関へ…。事情を説明すると、みな一様に頭を垂れて引揚げていきました。
私は生きています。と、とりたてて名乗る事に不思議な感慨を覚えたものでした。
福分けの元のあるじに辿り着く・・・しろ猫
山茶花の絨毯 Byしろ猫
さざんかは笑い上戸にちがいない Y
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