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公共事業が止らない


いわゆる建築の「保存問題」としては驚異的な報道量になっている明石小問題。
先日の建築学会、建築家協会(JIA)、建築士会の合同記者会見の様子もNHKニュースに取り上げられました。
→ http://www.nhk.or.jp/news/html/20100818/k10013432101000.html
会見でも質問が出ましたが、ここまでこの問題が大きな議論を巻き起こしているのは、
建築の価値だけでなく、地元の持続的な活動が大きな原動力になっていることは間違いありません。
区側がこれを少数意見として無視しているというのは、あまりにまずいんじゃないかと思います。
(区長は来期は出馬しない気なのかな?もう6期目だというし)

ところで区の説明は相手によってコロコロ変わるんで一々潰すのも馬鹿馬鹿しいのですが、
(朝日新聞に出した「リノベーションしても30年しか持たない」とかいうコメントなんか、
 あまりの訳分からなさに頭が白くなっちゃいましたよ)
この事自体がまさにこの「改築計画」の中身の無さを象徴していると思います。
「小学校の建替え」ということから多くの人がなんとなく「善意の公共工事」と思っているようですが、
児童生徒のことを考えたらあんなプロセスであんな小学校を計画することはあり得ない。
今の段階で異論が噴出していること自体、合意形成のプロセスのいい加減さを象徴しています。
(今日の小学校が地域で共有された教育ビジョンを背景に存在するべきであることは当然です)

要するにダムであろうが学校であろうが、一度動き出した公共事業は
いかに状況が変化してももうこれは止めることはできない、っていう
旧態依然とした日本の風景がここでも現出しているに過ぎないと理解すべきでしょう。
悲しいことです。

8/23追記;
本日付けで中央区が中央区長・矢田美英名でHPに見解を発表した。
→ http://www.city.chuo.lg.jp/kyouikuiinkai/kyosyomu_20100820223602337/index.html

今年に入ってから色々な展開があったはず、なのだが、
H21に決めた方針通り改築を進めるということなのだそうだ。
で、改築の理由として今回は(毎回、あるいは相手によって微妙に変わるので)
「建築後84年が経過し構造体のコンクリートの劣化が進む現校舎でこれら課題に対応していくことは困難」
(これら課題=教室の確保、体育館の拡充、バリアフリー化、地域の防災拠点としての充実<プラナリア注)
と言う主張をしているんだけど、、、
(劣化が無ければリノベ可能ということは認めたって言うことでしょうかね、この文章は)
耐震性に問題が無いことがバレちゃったんで、今度は
コンクリートの劣化とか言うなにやら恐ろしげな不治の病に明石小の構造体がおかされている
と言うことをアピールしたいということでしょうかね。

・・・きゃぁ~怖すぎ。こういう出鱈目を考え付ける人間の精神構造が。
本当にそうなら戦前のRC建造物の保存再生なんてしてる訳無いでしょ?
もう腐るほど実例があるし、そもそもメンテナンスだけで乗り切っている建物もいっぱいある訳で。
日本の建築・建設業界の技術力を舐めるな!!っていう感じですわよ。

そもそもこんなバカなこと区が言っちゃったら民間にどう歴史的建造物の保存をお願いするつもりなのだろうか?
あーだから何も言わずに歌舞伎座解体させちゃったのか。

区長はいい加減なこという玄人のふりした素人職員に騙されているんじゃないのか?
もうちょっと専門家の言うこと信じた方が良いと思いますけれども。
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