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茶室いろはのい(?)~茶室の、「その後」
茶室を考える際に大事なのは、
「名席」と言われるような茶室と言うのは大体江戸初期までの(コンセプトによる)ものだ、
と言う事なんですね~。
名席っていうのは、例えばこういった本で紹介されている茶室。
基本見開きで一席なんで情報量としては不満が残りますが、ガイドブックとしては好適。
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このころの茶室は利休直系の茶匠によるものにせよ、武家茶道のものにせよ、
各々の美意識、あるべき茶の理想像を具現すべく造ったから、多様性がある。
あと、侘茶の流れなんで4畳半よりも小さい小間の茶室が殆ど、ということになる。
ところが、現在要請される茶室っていうのは大勢でお稽古したりするので8畳とかの広間も大事だし、
たぶん小間も4畳半が基本で、それより小さいものはちょっと特殊かもしれない。
なんで「名席」に類するものとはちょっと違う感じなのですねー。
で、前回大胆にも「侘茶の歴史」を概観してみた訳ですが、
こういった「変容」があった江戸時代の茶の湯の展開を扱った本があります。
茶会記にある道具の取り合わせからある程度その茶人の思想を探ることは可能だと思うのですが、
なんせお茶の知識がない人間には全く無理な方法論ではあります。
なのでそのようなアプローチで、しかも平易に書かれている本書は非常に有難く、しかも面白いです!
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本書は安土桃山~江戸期を対象としていますが、前史についてもコンパクトに整理されているし、
明治以降の状況には直接触れられてないけど、そこでの展開も見据えて書かれていて、
茶室という建築空間を要請する茶道がどのような変化の中にあったかを鮮やかに描き出しています。
ただ、茶の湯の大衆化に関して言えば、明治以降にもう一段展開がある訳です。
で、明治以降、近代の茶室というあまり類書のないと思われる分野を扱っているのがこちら。
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ところで本書には「近代数寄者たちが関与した茶室には今ある茶室と過去の名席を繋ぐ鍵がある」と書かれているけど、
多分それは伏流水みたいなもので、その鍵はメジャーなものとしては意識されていないと思う。
(そもそも「今ある茶室」が何を指しているのかもよく分からないし)
近代数寄者の茶室についてはもっともっと知りたいところですですよねー。
モダニズムの建築家と茶室の関係に関する論考は残念ながら今ひとつかなぁ。
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