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御政道としての茶の湯

基本的に今の世の中、利休以降の侘び茶が「茶道」と言われ、茶の湯の本流です。
でも、室町幕府以来の政治的儀礼としての茶の湯と言うものもあったのではないの?
という視点で書かれたのが本書です。

茶道と天下統一茶道と天下統一ヘルベルト・プルチョウ

日本経済新聞出版社 2010-04-23
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著者はスイス生まれの日本文学研究者。
なかなかに博覧強記な観はありますが、読んでみると実はそれほど特別なことは言っていなくて、
「政治の場における茶の湯」という視点で、裏・茶の湯史を通しで書いた点が新機軸なのではないかと。
個別的には(こっちが無知なだけですが)根拠がよく分からない断言部分もありますが。。。

*足利将軍自ら点茶して天皇に差し上げたというのは本当ですか?

今までチョロチョロと茶の湯関係の本を読んできた印象からは、
資料的に政治の場で茶の湯がどのような位置にあったかが分かるのは、せいぜい秀吉以降なような感じですが、
秀吉が室町幕府の儀礼の踏襲を計ったことは確かなので、
(著者の「権力が変わると、それを支えてきた儀礼も変わろうとする」という主張と整合しませんが)
室町幕府から徳川幕府に至る線を引いて見たい気持ちは分かるのんですけれども、、、
歴史学者の視点から見たら、文学的理解に過ぎるのではないかなぁ、なんて思っちゃったりして。

まぁ、でも面白かったです。
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