復興小学校は117校、なんだけれども

東京市の復興小学校を語る場合の基本資料として、
建設が完了した後の1932年に東京市が出した「東京市教育施設復興図集」という本があります。
といってもプラナリアも現物を見たことはなく、知人からコピーを拝借しているだけですが（汗）。

この本には小学校が138校、中学校が2校、高等女学校が1校、図書館が4館掲載されていて、
序文に「震災で焼失した小学校は117校」と書いてあるので、
一応復興小学校は117校だと思うわけですが、
実は巻末資料にある一覧表に復興小学校として丸印が付いているのは116個しかない。
ただ、その表で同一校舎を使用している有馬尋常小と日本橋高等小が別になっているので、
（つまり一覧には139校ある、残りの23校はその時点で完成していた「改築小学校」ですね）
んっじゃあ明治尋常小と明治第二尋常小は違う学校なんだから別に数えることにして117でいいじゃん、
と言う解釈を多分藤岡先生もされているような気がしているのですが、
それはそれでいいとして、有馬と日本橋高等を別に数えるのならば、
他の尋常小と高等小の併設校も別に数えるべきなんじゃないの？という疑問もあるわけで。

因みに当時の「高等小」というのは尋常小学校卒業後の進学先の一ジャンルなので、
現在の中学校のイメージに近く、その意味からも別カウントが正当な気もするわけですね。

ただ、そこで原点に立ち返ると「焼失した117校」と言うのだから、新しく建ったものを数えるのでなく、
焼失したものをきちんとリストアップするのが筋かもしれない、とかも思ったりもして。
まあ、ただ思うだけでとてもやっている気力はないんだけれどもね。

誰か117校のリスト（できれば住所と起工年・竣工年入り）、作ってくれないかな～。

＊取り敢えず117校（候補？）を知りたい人はこちらのリスト（PDFです）を参照してね。

memories of A.

昨日は座談会開始ギリギリにお邪魔する形になってしまったので、
本日改めて写真展＠つきじTASSギャラリー若松屋にお邪魔。

事前に明石、明正、中央（旧鉄砲洲）の三校（＋京華）を廻って復習。
それぞれ個性的だが、やはり明石の伸びやかな広がりのあるスケール感は
一連の復興小学校のなかでも圧巻だと、改めて思った。

復興小学校はいくつ残っているの？

建築学会の関東支部が中央区に復興小学校に関する保存要望書を提出したそうだ。

中央区には復興小学校の建築が10校現存しているのだけれども、
学会の要望書は現在も区立小学校として使われている7校を対象としたもの。

ところでこの要望書には「現存する東京市の復興小学校は21校」といった内容が
書かれているのだけれども、残念ながらこれは間違い。
実はこの21の中に既に解体されてしまったものと、実は復興小でなく改築小であるものが
1校づつ混じってしまっているので、実際には19校しか現存していないのです。

＊もっとも21以外に残っている可能性が皆無とは言えないですけれども。

なので一応整理のためにこの19校を挙げておきます。
この19が2009年末の時点で現存していることはプラナリア自身で確認済。
（福井小は解体目前ですけど・・・かっこいいんだけどなー）

千代田区：上六小
台東区：黒門小、待乳山小、小島小、下谷小、柳北小、福井小
中央区：常盤小、阪本小、泰明小、明石小、京橋昭和小、明正小、鉄砲洲小、十思小、京華小、箱崎小
港区：愛宕高等小
文京区：元町小

あと、横浜に1校残っているのも忘れちゃいけないんだけども。

＊詳細を知りたい人はこちらのリスト（PDFです）を参照してね。

東京雪景色

積もりました。

嬉しい勘違い

先週の土曜日は中央区をうろうろ。
八重洲口の鉄鋼ビル(写真手前の渋ビル）を見ようと言うことで歩いてゆくと・・・。
おお、あの光るものはっ！

(クリックで拡大）

そう、かの大和證券本店の屋上アンテナではないですか。
ピカピカに磨き上げられていて日の光に燦然と輝いています！！

昨年仮囲いがされてしまったので解体と思い込んでいたのですが、
なんと大規模リノベーションによる再生だったとは。
遠目にも内外装が一新されているのがわかりますし、
外壁はどうやら蔓性植物で緑化されそうな雰囲気なので、
たぶん殆どの人が新築だと思うのではないでしょうか。

最後の追い込み工事中、という感じのビルには
大手人材派遣会社の社名が取り付けられていましたが、
建築も人材も良いところを活かして使う、
という感じでなかなか素敵ではないですか。

いやぁ、勘違いでよかった。