読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

文句あっか!! 島田洋七 文春文庫+plus

2005-12-03 20:42:55 | 読んだ
第一次漫才ブームを巻き起こした筆頭のコンビ「B&B」の島田洋七が、どのようにして漫才師になったのか、どのようにして売れたのか、売れてどう振舞ったのか、そしてどう売れなくなったのか、ということを書いている。
書いているというより、語っていることが文章になったというカンジだ。

で、面白いか?
ということだが、ソコソコ面白い。
こういう読み物は、自慢が半分以上であるから、ときとして「鼻持ちならない」というところもあるが、何しろ一度売れなくなったという事実があるから、その辺は押さえている部分もある。

でも、読み物としてみれが、徹頭徹尾「自慢」であったほうが良かったりする。
「反省」が時々出てくるのは、島田洋七自身としては当たり前のことであったりするのだろうが、「謙遜」というのは「イヤミ」だったりする。

近頃の流行であるが、どこかで責任を逃れようとする、「悪い」ことをしているのに「やんちゃ」なんて言葉をすりかえたりする。
そういうところが、チラチラ見えるのは「いやらしい」

そういう部分を気にしなければ、あるいは、私のように、あえて問題にさえしなければ、「すごーい」とか「お笑いになりたい」みたいな気持になったりするのではないか。

私は「芸人」の表にでてくる「おかしみ」の部分と裏の部分(例えば努力とか稽古熱心とか遊びとか逃避とか)の差が好きだ。
いかにして人を笑わせるか、ということに、熱心に取り組んで・・・
熱心に取り組むあまり、かなり「いっちゃった」りなんかすると、本末転倒して、なんだかわけがわからない。なんて状態になりました。というのがいい。

人は大なり小なりそんなところがあるが、芸人、というのはその差がバカに大きい。その辺がたまらない。

「その差」についてはバカバカしいというかうらやましいというか、エピソードがあって面白かった。

追伸
 明日はすごーく久しぶりの完全休暇。たまりに溜まっていた月刊誌を一年分くらい積んでおいて、お気に入りのモノを読もうなんて思っている。ジャマがなければいいが。
コメント
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