宮城谷昌光の「戦国名臣列伝」を最初から読もうと思い、オール読物を引っ張り出してきたら、2004年4月号にこの小説があった。
オーロラ宮異聞<女馬賊「満州お春」の生涯>
主人公のお春は、九州天草で、父母の顔も知らず育つ。本名は「山本キク」である。親類筋から7歳で朝鮮の漢城(ソウル)の料理屋に売られ、続いて15歳で朝鮮北西端にある新義州の売春宿に売られる。
しかし、そこでお春は「天性の美貌と勘の良さ、愛想の良さ」で評判になる。
日露戦争で、兵隊が大勢来るようになり、いわゆる「特需」をもたらすが、それもおわり、続いて「奉天」へ移る。
奉天で、彼女は、香村憲兵大尉と知り合い、彼に何気なく行った言葉がアドバイスとなり、それが縁で今度は、満州の軍閥「張作霖」の義兄弟である孫花亭と知り合い、彼と結婚し馬賊となる。
そして・・・・というのがあらすじである。そして以降は読んでのお楽しみというところか。
お春は自分の環境のなかでしっかり生きている。
しかし、生きているということはもしかしたら生かされていることなのかもしれない。国はお春に何もしてくれなかったが、気安く利用しようとする。
国にとっては、そのことが成功しようと失敗しようとそれほどのことでもないかもしれない、が、当事者たちにとっては「人生の一大事」である。
人が生きる、ということはいったいどういうことなんだろうか。
自分の知らないところで、実は、生かされているのではないか。
そんなことを思ったりした。
チョット前までは、自分の思うとおりに生きるためには、何かを犠牲しなければならないことが多くあったのだと思う。
今は、自分の思うとおりに生きるために、どう犠牲を少なくして、つまり丸儲けの人生を志向しているようである。
丸儲けと丸儲けがぶつかるから、些細なことで、ぶつかりあう。
今怖いのは国家権力ではなくて、隣人たちではないか。
どこでこうなってしまったんだろうか?
お春は、国家の仕事をして多額の金を得て、アムール川畔のロシアの町「ブラゴベシチェンスク」でバー<オーロラ宮>を営む。
その後、またしても意に沿わぬ仕事をして、ニコラエフスクに住み、1923年(大正12年)に病没した。
オーロラ宮異聞<女馬賊「満州お春」の生涯>
主人公のお春は、九州天草で、父母の顔も知らず育つ。本名は「山本キク」である。親類筋から7歳で朝鮮の漢城(ソウル)の料理屋に売られ、続いて15歳で朝鮮北西端にある新義州の売春宿に売られる。
しかし、そこでお春は「天性の美貌と勘の良さ、愛想の良さ」で評判になる。
日露戦争で、兵隊が大勢来るようになり、いわゆる「特需」をもたらすが、それもおわり、続いて「奉天」へ移る。
奉天で、彼女は、香村憲兵大尉と知り合い、彼に何気なく行った言葉がアドバイスとなり、それが縁で今度は、満州の軍閥「張作霖」の義兄弟である孫花亭と知り合い、彼と結婚し馬賊となる。
そして・・・・というのがあらすじである。そして以降は読んでのお楽しみというところか。
お春は自分の環境のなかでしっかり生きている。
しかし、生きているということはもしかしたら生かされていることなのかもしれない。国はお春に何もしてくれなかったが、気安く利用しようとする。
国にとっては、そのことが成功しようと失敗しようとそれほどのことでもないかもしれない、が、当事者たちにとっては「人生の一大事」である。
人が生きる、ということはいったいどういうことなんだろうか。
自分の知らないところで、実は、生かされているのではないか。
そんなことを思ったりした。
チョット前までは、自分の思うとおりに生きるためには、何かを犠牲しなければならないことが多くあったのだと思う。
今は、自分の思うとおりに生きるために、どう犠牲を少なくして、つまり丸儲けの人生を志向しているようである。
丸儲けと丸儲けがぶつかるから、些細なことで、ぶつかりあう。
今怖いのは国家権力ではなくて、隣人たちではないか。
どこでこうなってしまったんだろうか?
お春は、国家の仕事をして多額の金を得て、アムール川畔のロシアの町「ブラゴベシチェンスク」でバー<オーロラ宮>を営む。
その後、またしても意に沿わぬ仕事をして、ニコラエフスクに住み、1923年(大正12年)に病没した。