読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

青春のうた 第24巻 1970年代前期⑧

2007-01-03 18:13:07 | 読んだ
1.春のからっ風/泉谷しげる 1973年11月

泉谷しげるの歌は、本人の攻撃的なキャラクターとはあわない内省的なものがいい。

この「春のからっ風」も内省的である。であるが、開き直りに似た攻撃性もある。
そのバランスがいいのだ。

♪今度こそまじめにやるんだ♪
とか
♪自分こそ正しいと逃げ出す♪
という部分がなんとなく「感じる」のである。

そして最後に
♪今日の生き恥をかく♪
としめるところが、泉谷らしいのである。

2.しおさいの詩/小椋佳 1971年

すごくさびしい歌、という印象であった。
高校生のときに聞いたのである。

大人になるとこういう気持ちになるのだろうか。
とも思ったのである。

♪消えた僕の若い力呼んでみたい♪

若い力、みなぎる時代にこういう歌を聞くと、なんとなくうなだれてしまった、そんな記憶がある。

とはいえ、いい歌、だと思う。

3.されど私の人生は/斉藤哲夫 1971年

この歌は、吉田拓郎、で知っている。
斉藤哲夫が歌っているものは今回はじめて聞いたのである。

拓郎のアルバムは「オン・ステージ!!ともだち」というライブ盤であり、この歌を歌う前に語っている。

<斉藤哲夫という人の歌で、覚えるためにレコードを何回も聴いたので、レコードがシャリシャリいっている。ゆえにレコードをくれてもいいのではないか、そういうところから『ともだち』関係が生まれる>

といったふうの内容であったと思う。

であるから、斉藤哲夫ってどんなふうな人なんだろう?
とずっと気がかりであった。

そのうち斉藤哲夫が♪今の君はピカピカに光って♪と歌っているのをきいて「こんな声であったのか!」と驚いた。
印象としては、重く低い声、だった。

今回聞いて、斉藤哲夫の「されど私の人生は」は少し軽い感じ、という印象なのである。
拓郎の歌い方が重い感じであったからなおさらなのであるが、こういう感じも悪くない、と思った。
歌詞が重く暗いので、こういう歌い方もいいと思うのである。

それにしても「名曲」である。

4.サルビアの花/もとまろ 1972年

サルビアの花は「もとまろ」に限る、と思っていた。
ところが近頃は作曲者の早川義夫が歌うものしか聞こえてこないので、サルビアの花のイメージが違ってきていたのである。

サルビアの花は、詩を素直によめば、失恋した男の女々しい気持ちが直に感じられ、それがなんとも哀れで、きれいな恋、とか思ってしまうのである。
しかし、いつか何かの雑誌かで読んだ早川義夫の談を聞いて「んー」と思ってしまったのである。

♪いつもいつも思ってた サルビアの花を
  あなたの部屋の中に投げ入れたくて   ♪


の「あなたの部屋」というのは「子宮」のことである。
というのである。
何でそんな解釈をしなければならないのだろうか、と思ったのだが、そのごこの曲を聴くたびに、いつも引っかかっていたのである。

そうして、早川義夫が歌うのを聞くと「フーム」と納得したりしていた。

しかし、こんかい「もとまろ」できくと、やっぱり純愛の歌でいきたいなあ、と思ったのである。

5.月光仮面/モップス 1971年

この歌を聴いたとき「ふざけた歌だなあ」と思ったのである。

しかし、世間の、というか専門誌などの取り扱いは「斬新な手法」で「実験的な歌」というものであって、「そういうものなの?」と思ったのであった。

で、今になってきいても「斬新」という感じはしないのである。
そのご、このような形が普及したとも思えず、つまり「実験」は失敗に終わったのではないか、と思う。

ジャンルとしては「コミックソング」になってしまうだろうなあ。

6.僕にさわらせておくれ/ピンク・ピクルス 1971年

こういう歌は、当時から苦手だったのである。
なぜかといえば
「さわやか」「かわいい」というのが<恥ずかしい>のであった。

あまりにも直接的な詩が、いわゆる「モロ」ではないかと、そういうことが恥ずかしいと感じる年頃だったのである。

今は、どうでもいいけれどね、そんなこと。

とはいえ、この歌を聴くとやっぱり「恥ずかしい」と感じたりする50歳なのであった。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする