電影フリークス ~映画のブログ~

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綽頭状元(4)

2007-08-25 16:18:22 | 嘉禾電影
場面は変わって香港。街で手相を見てもらう辛極貴(李昆)。占い師から眼鏡をはずすように言われる。しかし辛の顔を見てもなかなか言おうとしない。よっぽど酷いのだろうか。正直に言いますとやはりこれから悪い事を言おうとしている占い師。そして額に危険の相が出ていると占った。せっかちな人ですねと性格まで当てられる辛。更にもっとせっかちな人に会ったら命が危険になると辛を驚かせた。占い師はこの道30年なのだから信じなさい、性格を変えれば災いは去ると助言するのだった。

浮かない表情の辛は気分を変えようとレストランへ入ってみた。早速、排骨麺を注文すると、待ちきれずに早く早くと店員を急かしまくった。まったく落ち着かない辛。やっと店員が運んで来るとブツブツ文句を言う店員。早く食べろとこちらもせっかち。しかし熱くて食べられない。店員はブチ切れて器をひっくり返し、さっさと器を洗うからと持っていってしまった。自分よりせっかちな店員である。辛は気付いた。これで死んでしまうのかと怖くなった辛は店を飛び出した。

急いで家に帰ると妻の寶玲(恬女尼)を怒鳴って呼んでいる。
「どうしたの?」
「俺は死ぬ。自分よりせっかちな人に会ったからもうおしまいだ」と泣き出してしまう。もうこの先絶望的で困りはてる辛。するといきなり寶玲が鞄に荷物を詰め出した。「あなた死ぬんでしょ?私再婚するから」と言って辛にすっかり嫌気がさしている。
「まだ死んでないよ」
「それはないでしょ」
「どういうこと?」
「いいわ、聞かせてあげる。若くてきれいなのに貧乏な暮らし。やっと死ぬまで待ってたのになにがいけないの!」と逆ギレされる。慌てるなと言っても、もう待てないと呆れた表情。今すぐ死んでも遅いぐらいと相当な剣幕である。「何かしたか?」「女房も養えないで私ならとっくに死んでる」と言う妻。そこまで言うなら死んでやると辛は家を飛び出した。

辛は死んでやると港で大きな石を縄で縛りそれを体に括り付けてそのまま海へ飛び込もうとしていた。しかしドジな辛はなかなか死ぬことができない。近くのベンチにいた伍は止めに入る。
「自殺は犯罪だぜ」
「ほっといてくれ。俺は泳げるんだ。石がないと死ねないじやないか」
「何が悩みなんだ?」
「手相で死ぬと言われ、女房からも言われるし生きていられるか」
「占いを信じるな。奥さん美人かい?」
「美人だ」
「なら死んじゃいけないよ」
辛を助けた伍。家まで送ってあげようと辛と友人になった伍は港から連れて帰った。

家に帰って辛は、早速妻の寶玲に伍を紹介した。部屋にかざってある絵の話をする伍。辛は売れない絵書きだったのだ。いい絵じゃないかとほめる伍。いや一銭にもならない、売りにいっても売れなかったと妻。本人が死んで初めて価値が出て売れると言うと「誰が言ったんだい?」と伍が聞いた。どうもどこかの社長が辛が死んだら全部買い取ってくれるらしい。鼻をこすり少し考える伍。すると簡単なことだ、死ねばいいと話す。妻は「ほらね、みんな死んで欲しいのよ」言った。しかし、それは誤解だった。死んだふりをするだけと言ったら辛と妻は驚いて絶叫した。

そして、王社長(梁醒波)が訪ねてきた。泣いて芝居をする妻と死んだフリをする辛。しかし役立たずと言われ辛が怒って起きあがろうとする。動いてはいけないところだが性格上それは無理というもの。伍がうまく誤魔化している。王は辛の妻にまだ若いから心配ない、誰かが面倒みてくれるよと言った。すると絵を買う約束だからと妻が言うと「もちろんだよキミィ。」と王社長。「全部で何枚だねぇチミ?」7、80枚ある絵は全部買ってもらう約束だ。「兄はいい画家でした…。」ってまた誰かの弟になる伍。「分かっとるよ。そうでなきゃ買わん」あとは値段の交渉である。1万、2万とつり上げる妻。もう少しとウインクする。じぁあ3万だ。小切手をきろう。「でも3万って安すすぎないかしら…。」更にふんだくる。「絵だけじゃないわ。ほかにも…。」とはっきり言わない。

「何かね?」
「私には価値がないかしら?」
「じゃあいくらかね?」
「5万でどう?」
「2万は手付けだね」
「わかってるわ。言わないで」
葬式が終わったら自分の家に来させるつもりの王社長。
「あなたのものよ。」
「君は利口だよ。あの男よりわしの方がいいにきまっとる。」
それを聞いて黙っていられない辛は、後ろを向いているすきに起きあがって王の頭をポカンと叩く。またすぐ死んだふり。
「なぜ頭をぶつの?」と聞く王。
「愛情表現よ。好きなの。早く書いてよ」と何とかして小切手を書かせようとする寶玲だったのだが…。

ーつづくー

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