電影フリークス ~映画のブログ~

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「鬼手十八翻」から「笑拳」へ

2007-06-27 23:51:15 | 成龍的電影
78年の韓国。ジャッキーは羅維監督の元で「鬼手十八翻」を撮影していたものの、途中でこれを放棄してしまいます。

この後、台湾へ向かって「笑拳」(最初は“怪招”が付いていない“笑拳”)を一転してジャッキーが監督として撮ることになるのですが、そこで喜怒哀楽をモチーフとした独自の“エモーショナル功夫”を考案し、見事オリジナルの型を完成させます。確かにエモーショナル~は素晴らしいアイデアだったと思います。

ところで「龍騰虎躍」を見れば田俊や陳慧樓が「鬼手~」に出演予定であったことは明白だと思います。またそこには「鬼手~」における出演予定者の役柄の片鱗が窺えます。

元の「鬼手~」のストーリーは今の「龍騰~」と「笑拳」を合わせたのとほぼ同じだったことでしょう。

勝手ながらもう少し想像してみますと…、
賭事に明け暮れる遊び人の若者阿龍が獣拳鬼手の達人・程と出会う。その後阿龍の父親は謎の男に殺されてしまう。特訓につぐ特訓でついに十八の技をマスターする。町で偶然知り合った程の娘・リンは実は従兄妹で、阿龍の父親を殺した犯人を探していた。鉄の爪・任はその真犯人で、阿龍はリンと協力して任を倒すのだった。(これはフィクションです。)  

半分は「笑拳」に近いものだったと思うのですが、例えば今の「笑拳怪招」で見られる陳慧樓は「鬼手~」で成龍と同じ画面に映っていますが、ほぼそのままの姿で「笑拳~」にも出演しているのですから当然ながら“鬼手十八翻”から“笑拳”へシフトしたのですね。シフトしたので「鬼手~」はもうそれで終わってしまい、たとえ羅維が半年後に「次は醒拳だ!」と言い出したところでジャッキーにとっては「笑拳」が既に完成している訳なので「鬼手~」の続きを撮る気はなかったでしょう。

出来上がった「笑拳」は「笑拳怪招」に改名され、翌年の公開で興業的にも成功したのは御存知の通りです。
完成した時期が果たしていつだったのか。これが大変気になる部分であります。
78年中にほぼ完成している事は容易に想像出来るのですが、まず「鬼手~」が8月終わりか9月初め開始だったとして9月中旬か下旬には台湾へ向かっているのではないでしょうか。
もしかしたら台湾で9月末に公開された「酔拳」がヒットしたこともこの逃亡劇に影響しているのかも知れません。

主演映画がヒットすれば心境の変化もあると思いますし、より羅維との関わりをなくそうとする気持ちが強くなります。
「蛇拳」ではまだ自信が無かったようでも「酔拳」では自信に満ち溢れた演技で手応えを掴んだかのような演技だったと思います。
また、丁度この「酔拳」ヒットを受けて劉家良が「中華丈夫」から酔八仙拳の盗用を訴えたのもこの時期でした。
「笑拳怪招」はこう言った様々な騒動の中、着々と進行していたのでしょう。

ところで、「鬼手~」が中途半端になってしまった為に「陰陽十八翻」「五爪十八翻」「鬼手龍虎闘」など似たようなタイトルのものが次々と現れたのも香港(台湾)らしい現象ですね。

龍方と本当の醒拳については次回に続きます。

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