電影フリークス ~映画のブログ~

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壊小子

2007-09-08 17:24:10 | 嘉禾電影

【嘉禾】製作の「壊小子」(邦題:「復讐の彼方」)は韋白の主演映画です。
いわゆる民初功夫片ですが主役の韋白以外は人気のある有名俳優が出演していないという地味な作品です。殆どが【邵氏】のスターで固められ、私が以前CS局で観たときには(字幕は中文英文和文の3段!)かなりマイナー作品のイメージがありました。また、日本での知名度の面では著しく低い存在である李榮章が監督をしています。彼は【邵氏】で助監督として「洪拳與詠春」などに参加していましたのでその頃から韋白を知っていたかも知れません。この映画の武術指導にはこちらも【邵氏】で活躍した黄志強(カーク・ウォンではない方の人)が当たっています。

韋白は【邵氏】から【嘉禾】へ移籍して「豪侠」や「林世榮」に出演するなど【嘉禾】でも活躍することになります。当時【嘉禾】で売り出し中だった彼は「豪侠」「壊小子」を経て「師弟出馬」に出演、一気に名を広めたと思います。洪拳や空手もお得意の彼。”韋拳”なる独自の拳法も編み出す程の武術家、功夫使いでした。

風来坊の馬山雁(韋白)は佛山の壊小子と呼ばれていた。持ち前の腕と度胸で歐行武(韋弘)と老人・高岳帥(楊澤霖)とのいざこざもあっという間に解決。しかし、他人の婚礼の縁起物の焼き豚をつまみ食いするなど騒動を起こす。放浪生活から1年ぶりに実家に戻ったが騒動の被害者に怒鳴り込まれ母親(文秀)に勘当される。(家の息子が追い出される光景はよく目にします。)ある日、泥棒2人組(廖偉雄、朱剛)が男から財布を盗んだ。ところが馬はその金を奪ってしまう。再び歐が登場し弟子にしてくれと頼むが馬は一蹴する。馬が川で魚を獲っていると、大金の入った財布は2人組に持っていかれた。
翌朝、金鳳(文雪兒)の家の外で寝ていた馬。金鳳が気付くと父親(鮑洛夫)を呼び出した。父親は財布を取られた男だったのだ。家から追い出される馬。そこに借金取りの沙福(馬宗)が現われた。馬が助けに入ると沙福たちは退散した。しかし父親は病気にかかってしまう。ここで馬は金鳳に結婚を強要した。すぐに追っ手が来ると強引に家に火をつけた。金鳳は馬に従うしかなかった。父親を宿に運び、馬が医者の包史仁(葉夏利)を連れてくる前に父親は息を引き取っていた。悲しむ金鳳と平然とする壊小子。そこに中ボスの沙金陀(王青)が登場する・・・。

と、終始強引な壊小子と金鳳とのやり取りや各登場人物の絡みには趣向を凝らしてありますので展開が読めず引き込まれてしまいます。(この後、大ボスの沙千甲(陳耀林)も控えていますが・・。)ラストにはちょっぴり感動しました。また”壊小子”は滅法強く、アクロバティックなカンフーアクションもストレス無く安心して見ていられましたので疲れないと思います。尚、韋白が演じた”馬山雁”は英語名が"Wild Goose"といいましたが、イギリス映画「ワイルド・ギース」(78)のBGMが劇中に流れるのも一興でした。



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