ヨーロッパで最も高い所にある鉄道駅ユングフラウヨッホ駅に行く途中の、乗り換え駅であるクライネ・シャイデック駅裏手の小高い場所に、作家新田次郎さんの記念碑があります。
『八甲田山死の彷徨』などの山岳小説の名作を残し1980年に亡くなった新田次郎さんは、スイスアルプスを愛し憧れ続けて、1961年、66年、77年の3度、ここを訪れられたそうです。
この記念碑がある所はアイガー北壁下のハイキングコースの入り口近くで、アイガー、メンヒ、ユングフラウの3山が望める素晴らしい場所です。
この記念碑を作ったのは妻の作家藤原ていさんで、お墓は故郷の諏訪市にあるそうですが、ここには遺品のメガネ、万年筆、取材ノート、磁石などを、ていさん自身が埋められたそうです。そして彼女によれば、この記念碑は精神的なもうひとつのお墓という事です。
銅版には「アルプスを愛した日本の作家、新田次郎ここに眠る」と刻まれています。