東日本大震災から11日で1年が過ぎ、各地で追悼式や慰霊の祈りが捧げられました。津波が押し寄せ、すべてをのみ込むテレビ映像を見て、呆然とした日から早1年が経ちました。被災された方々のこれまでのご苦労を思うと、胸がつまり、励ましの言葉も見つかりません。
報道によると、震災後1年たった現在、インフラ整備や工場再建は進んでいるそうですが、がれき処理に関しては遅々として進まないということです。
東北3県のがれき推計量は、約2,247万トン(岩手県約449万トン、宮城県約1,570万トン、福島県約225万トン)で、これは全国の年間一般廃棄物総量の2分の1に相当するそうです。
一言でがれきといっても木材や畳、布、プラスチック製品、コンクリート、石など様々で、積みあがった現場で大まかな選別をした後、被災したそれぞれの沿岸市町村の仮置き場へ移し、ここでも再度選別し、これを受け入れを承諾してくれた全国の自治体に搬送する広域処理を計画しているそうですが、受け入れを拒否する自治体が多く、計画は大幅に遅れ、現在、広域処理されたがれきは全体の6.7%だけなんだそうです。
これはあまりにも情けなく、残念な事だと思います。「がんばろう、日本」「がんばれ、東北」などのスローガンはいったい何だったのだろう?と考えざるをえません。
がれきの処理は東北の復興にまず必要な事であり、受け入れを拒否する事は、被災地の方々の気持ちを逆なですることになると思います。
自治体の受け入れ拒否の大きな理由は、放射線量が不明確なので、住民が受け入れに反対しているからという事ですが、国の基準値を満たした数字であれば、たとえ低レベルの放射線量があったとしても、受け入れるべきだと思います。ある程度の放射線量は通常の環境の中にもあるものですから。
日本列島は火山列島であり、いつ自分の住んでいる所が東北の被災地と同じ状態になるかもしれません。がれき処理はそれぞれが自分のこととして考え、日本全体で引き受ける覚悟が必要だと思います。
野田総理は3月11日に「震災により岩手、宮城両県で出たがれきを、災害廃棄物処理特別措置法に基づき、被災県を除く全都道府県に受け入れるよう文書で正式に要請する」と表明しました。
3月16日現在、9の都道府県が、がれき受け入れを表明しているだけですが、この要請により、がれき受け入れが早々に全国に広がって、がれき処理が少しでも早く完了する事を願っています。
しきりに言われている「絆」という言葉が本物かどうかが、今、問われているのではないでしょうか?