先日、フランス映画「冬時間のパリ」を見ました。
何だか小難しい議論の応酬で始まる映画で、少々ウンザリしながら見ていると、夫が編集者で妻が女優の夫婦と、もう一組の夫が小説家で妻が政治家秘書の夫婦が主人公だと判ってきました。
スクリーン上に繰り広げられるパリの街並みやそれぞれの家庭の生活感あるたたずまいも魅力的で、いつの間にか最初のウンザリはどこへやら、映画の中に巧みに引き込まれていました。
パリが大好き、フランス映画が大好きな私は、パリが舞台の映画だと知ると、その内容に関係なく見てしまうんですよね。この映画も何だか受け入れがたく理解しがたい場面が多く、現代のフランスの社会、モラルをホントに写し取っているのだろうか、なんて思いながらも一方では、こんな一面もあるんだろうな~、パリならではの人間模様なのかな~という、気持にもなって来るから不思議です。
女優で編集者の妻役の人気女優のジュリエット・ビノシュにとって、この役は物足りないというか人物造形があいまいで、やりにくかったのではという気がします。主人公たちの会話が抑制的で淡々と時間が流れていき、最後は編集者と女優夫婦の別荘に小説家と政治家秘書の夫妻が招かれ、政治家秘書の妻が夫に妊娠を告げるところでラストとなりました。この成り行きって、見ている私からすると「おや、おや」という感じですよ。
人の気持ちの動きを追うのがフランス映画だと、言ってしまえばそれまでですが、何となく胸にすとんと落ちて来ない映画でガッカリでしたね。とりとめのない感想でごめんなさい。