私が子どもの頃、オムライスは大の好物だった。
父親は菓子屋を営んでいて、その仕入れ関係で熊本市に行くことが何度かあった。
小学生になると、時には私を一緒に連れて行ってくれて、
そのときの昼ご飯は、いつもデパートの上階にある食堂だった。
その食堂で私が食べるのはいつもオムライスだった。
最初にオムライスを食べたのはいつだったか記憶は定かでないが、
当時の阿蘇ではこんな洒落た食べ物はなく、始めて食べたときの衝撃は計り知れなかったのであろう。
それから幾度となく行ったデパートの食堂ではいつもオムライスだった。
三つ子の魂百までで、大人になってからもオムライス好きは変わらず、
学生時代は、天文館の狭い路地にある「キング」という店でよくオムライスを食べた。
この店の売りはケチャップライスの量の多さで、学生に人気があった。
ただし、上に乗った卵焼きは、極めて薄く、持ち上げると向こうが透けて見えるくらいだった。
あれから幾星霜。
縁があって産山村で仕事をすることがあり、そこで出会ったオムライス。
店の名前は「山水亭」。オムライスにはちと遠い和食屋風の店名。
ここのオムライスは、人生二度目の衝撃。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/63/e0/5a57cb67e13d386f28681ca97a1b952a.jpg)
産山村田尻にある山水亭。池山水源の手前にある
ケチャップライスの上に乗った卵焼きは分厚く、スプーンで割るととろりと半熟の卵焼きが広がる。
皿の底にたっぷりと横たわるスープはデミグラでもなく、単純なケチャップでもない。
若干辛みがあって、しかし胡椒の辛さではなく些か複雑な味がする。
山水亭独特のスープで、これこそが山水亭のオムライスたる所以なのだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/f6/aed5e4099863fcca53dd7cf72d675e66.jpg)
卵は一つのオムライスに4コ使用しているそうだ
実は、この店のご主人とは古くからの知人で、一度あるイベントでタイに行ったとき御一緒した。
そのときに、ご主人が地元の小さな店に入って、ナンプラーなどのタイの調味料をいくつか買っていた。
なかなかの研究熱心な人だと思ったものだ。
その後一度会う機会があって、ナンプラーの件を話題に出したら、
「試してみたけど、あれは使えなかった」ということだった。
現在は息子が後を継いでいて、でも親父さんも一緒に厨房に入って、忙しく働いている。
あのスープが絡んだオムライスの旨さは食べてみないと分からない。
バイカーも多く寄る店で、10数台のオートバイが並んでいることもあるが、
店を覗くと席が空いてることもある。
さあ、入ってみよう。
メニューにはいろんな種類があるが、ほかのものには目もくれず、
「オムライス下さい!」と。
父親は菓子屋を営んでいて、その仕入れ関係で熊本市に行くことが何度かあった。
小学生になると、時には私を一緒に連れて行ってくれて、
そのときの昼ご飯は、いつもデパートの上階にある食堂だった。
その食堂で私が食べるのはいつもオムライスだった。
最初にオムライスを食べたのはいつだったか記憶は定かでないが、
当時の阿蘇ではこんな洒落た食べ物はなく、始めて食べたときの衝撃は計り知れなかったのであろう。
それから幾度となく行ったデパートの食堂ではいつもオムライスだった。
三つ子の魂百までで、大人になってからもオムライス好きは変わらず、
学生時代は、天文館の狭い路地にある「キング」という店でよくオムライスを食べた。
この店の売りはケチャップライスの量の多さで、学生に人気があった。
ただし、上に乗った卵焼きは、極めて薄く、持ち上げると向こうが透けて見えるくらいだった。
あれから幾星霜。
縁があって産山村で仕事をすることがあり、そこで出会ったオムライス。
店の名前は「山水亭」。オムライスにはちと遠い和食屋風の店名。
ここのオムライスは、人生二度目の衝撃。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/63/e0/5a57cb67e13d386f28681ca97a1b952a.jpg)
産山村田尻にある山水亭。池山水源の手前にある
ケチャップライスの上に乗った卵焼きは分厚く、スプーンで割るととろりと半熟の卵焼きが広がる。
皿の底にたっぷりと横たわるスープはデミグラでもなく、単純なケチャップでもない。
若干辛みがあって、しかし胡椒の辛さではなく些か複雑な味がする。
山水亭独特のスープで、これこそが山水亭のオムライスたる所以なのだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/f6/aed5e4099863fcca53dd7cf72d675e66.jpg)
卵は一つのオムライスに4コ使用しているそうだ
実は、この店のご主人とは古くからの知人で、一度あるイベントでタイに行ったとき御一緒した。
そのときに、ご主人が地元の小さな店に入って、ナンプラーなどのタイの調味料をいくつか買っていた。
なかなかの研究熱心な人だと思ったものだ。
その後一度会う機会があって、ナンプラーの件を話題に出したら、
「試してみたけど、あれは使えなかった」ということだった。
現在は息子が後を継いでいて、でも親父さんも一緒に厨房に入って、忙しく働いている。
あのスープが絡んだオムライスの旨さは食べてみないと分からない。
バイカーも多く寄る店で、10数台のオートバイが並んでいることもあるが、
店を覗くと席が空いてることもある。
さあ、入ってみよう。
メニューにはいろんな種類があるが、ほかのものには目もくれず、
「オムライス下さい!」と。