釜山の二日目は、鎮海(チネ)の軍港祭りに行く。
ラッシュは避けたいので、2階の会場で開始時間の7時に朝食を摂る。
たいしたものはないが、腹朽ちればいいかなという程度に食べる。
朝食後、そのまま7:30に、地下鉄で鎮海行きのバスが出る西部バスターミナルまで乗る。
東横イン釜山駅1から地下鉄1号線で西面(ソミョン)まで行き、そこで地下鉄2号線に乗り換える。
今日は、数回地下鉄を利用する予定なので、1日券(5,000W)を購入する。4回以上利用するなら、1日券がお得。
西面から乗り換えて、沙上(ササン)駅で降りる。
釜山の地下鉄で最も注意すべきなのは、上り下りによってプラットホームが分かれていることがほとんどで、
どちらの改札を通るかの確認をきちんとしてからキップを通さないと、逆方向に行くことになる。
実際この日はあとで私のミスでトラブルが起こってしまった。
さて、無事沙上駅で降りて、3番出口を出る。
こちら方面だろうと見当を付けて歩いていると、後ろから女性2人組が来ていたので、
T氏が英語でバスターミナルの場所を訊ねた。
流暢な英語で返ってきたたのは「自分たちもそこへ行くから」
後ろからついて行っていると、二人の会話は何と日本語。
T氏と顔を見合わせて、「日本人?」。二人に「日本の方ですか?」と確認すると、その通り。
再びT氏と顔を見合わせて、「わっ、恥ずかしい。」
日本人に英語で話しかけるというのは、旅先でないことはないが、微妙に恥ずかしいものなのだ。
地下鉄の出口から100mくらいで、西部バスターミナルに到着。
T氏が窓口で、「チネ、2パースン」と言うと、10,200W。一人5,100Wである。
そこで、彼女らと別れて、鎮海行きバスが出る17番ホームに行く。
既に停まっているバスの運転手にチケットを見せると、頷いたので乗り込む。
鎮海行きバスの内部。ゆったりした良いバス。
9:20に出たバスはジャスト1時間後の10:20に、鎮海バスターミナルに到着。
地図を頼りに中園ロータリーを目指す。
町は桜並木で、満開を少し過ぎたくらいで美しい。祭り一色の通りを歩いて、10分ほどで中園に着く。
まずは桜名所の慶和駅(キョンファ)へ行こうとインフォメーションで情報を仕入れる。
中園ロータリー付近
どうやら鎮海駅の前からシャトルバスが出ているらしく、そこのインフォーメーションで再び訊ねる。
あまり要領を得ない返事だったが、どうやらその目の前で待てばいいというような感じ。
しかし、来たバスの運転手に、「キョンファステーション?」と訊いても首を横に振る。
行けそうもないので、道向かいのバス停で307番バスを待つ。
やってきたバスの運転手に訊くと、乗れと言って、一人1,300W支払って乗り込む。
慶和駅に着くと、運転手がここだと教えてくれて、下車する。
道向かいが駅の会場らしく、既に多くの人で賑わっている。
向こうが慶和駅
列車は運行していないのでゆっくりと桜を楽しめる
満開の桜並木
列車前で記念写真待ち人がたくさん
ついでに綺麗どころ。こういうの売ってます
これもついでに、昔の綺麗どころ(?)
一人ライブはいい声でした。チョー=ヨンピル(?)、ないない
慶和駅の桜を楽しんだあと、バス停に行くと、番号表示のないバスが止まる。
待っている人がゾロゾロと乗り込む。
T氏がチネ?と訊くと頷いたような。で、金を出そうとすると首を横に振る。
やっぱりチネ行きじゃないのかと思ったとき、ムリョウ(無料)と運転手が言ったようで、これがいわゆるシャトルだったのです。
鎮海駅でバスを降りて、余佐川に行く。
以前映画の撮影があったとこらしく、ロマンス通りなどという名前がついたこれも桜の名所である。
余佐川の桜は、7,8割方散っていて、それでも多くの観光客が来ている。
満開の時は美しかったろう
ついでに綺麗どころ(T氏撮影)
途中、極小の回転焼きのような型の鉄板で、ピーナツを入れて焼いたのと、
同じような大きめの型で焼いた餡入りの回転焼きのようなものが入ったのを、3,000Wで買って、つまみながら中園に向かう。
ロータリーに着くと、舞台で歌や踊りのパフォーマンスをやっていた。
その一つ。アリランの曲に合わせた舞踊
そろそろ昼食時間。
バスターミナルへ帰る方向に大きなテントの食堂がいくつかあって、その一つでビビンバを食する。
全州石焼きビビンバとは大分違う。しかし野菜がたくさん入っていて美味しかった。
ちょっと道に迷いかけたが、イケメンのお巡りさんに訊いてバスターミナルに着く。
鎮海バスターミナル
帰りは、1時間少しかかって2時過ぎに釜山西部バスターミナルに到着。
釜山の繁華街、西面に寄ろうということで、西面駅で降りて、ロッテホテルへ。
地下鉄は1日券を持っているので、どこで乗り降りしようと、何回使ってもいいので気楽なものだ。
実はこの3階にあるセブンラックカジノで一儲けして、今夜のマッコリ代をただにするという魂胆だったのだが、
地下のフードセンター辺りを散策していたら面倒になって、それぞれ土産を物色して過ごす。
4時頃の地下鉄で釜山駅まで帰ったが、地下鉄の車両の中で面白いことがあった。
3,4才くらいの女の子が乗ったのだが、その父親は少し離れて乗り込み、一見関係なさそうな感じで立っていた。
発車するとその勢いで、立っていた幼児が蹈鞴を踏んだ。
それを見て、近くのオジサンや青年が心配して声を掛ける。
しかし父親は知らんぷりでドアのところに立っている。
近くの乗客は、この幼児は親にはぐれて乗り込んだものと思ったようで、かがみ込んで幼児にいろいろと聞いている。
乗客同士で顔を見合わせて、車掌にでも言った方がいいんじゃないか(というのは私の想像)、というようなことになったとき、
初めて幼児の父親が、「これは俺の子どもだよ」(これも私の想像)と言った。
心配して一生懸命に話しかけていたオジサンと青年は呆気にとられて親父の顔を見る。
周りの乗客は大爆笑。心配していた二人はバツが悪そうに、かつ親父に対して恨めしげに幼児から離れた。
まったく。これは親父が全面的に悪い。
その後、離れたところで怒鳴るような男の声。
酔漢か?という感じで聞いていると、次の停車駅で車掌と別の車両に行ったのか、それとも降りたのか、
そのトラブルのためしばし停車して、彼らの姿が見えなくなってから出発した。
言葉は分からないが、しばしの寸劇に心慰められて宿に帰った。
2時間ほど休んで、いざマッコリへ。
本日は南浦洞の発酵酒房(パリョチュバン)という店に、シャンパンマッコリを飲みに行く。
地下鉄で南浦駅まで2駅。改札を通るとき、私が方角を間違えて西面の方を指したので、
T氏が1日券を入れたとき、しまった間違えた、と言ったのでT氏は改札を通らず先の方に出た券だけを抜いた。
改めて反対の改札に券を入れて通過したのだが、T氏の券はブザーが鳴って認識しない。
多分、反対の改札を通したのに人間が通過しないで抜いたからだろうと。
どうしたらいいか思案して、もう一度試すがやはりブザーがなる。
丁度そのとき駅のスタッフが通りかかって、T氏の1日券を確認すると事務所の方に行った。
しばらくして帰ってきたスタッフがT氏に1日券を渡し、自分のカードで改札を開けてくれ、「OK、OK」と言って去って行った。
「カムサハムニダ」
南浦駅の3番出口で外に出、記憶にある地図でパリョチュバンを見つける。
光復路にある竜頭山公園に上るエスカレーターに向かって4軒ほど右手の2階にある。下はカルバンクラインの店。
パリョチュバン。何故か醗酵ではなく酵醗酒房となっている
パリョチュバンでは、67,000Wのセットをオーダー。
そのセット内容は、シャンパンマッコリ(ボクスンドガ)の1リッター瓶2本、
パジョン(ニラチジミ)、海老と野菜の天ぷら、焼き栗という豪華さ。
ボクスンドガは開栓の時は店員にやって貰わないと危険です、と念を押された。
アルコール度数は約10%だが、飲み口は若干甘く、さっぱりとして美味い。
パジョンも天ぷらも量が多い。焼き栗がこれまた美味い。
ボクスンドガも一人当たり1リッター飲んで、さすがにエビ天を2本残して終了。
もう時間は9時を過ぎている。光復路は日曜日のせいか人はまばらだった。
光復路
ところで、パリョチュバンに行ったとき、若い店員がどちらにするか席を勧めるのだが、
その席のひとつが下の写真。
どう考えてもカップル席でしょう。
70過ぎの爺さまと、60半ばの若めの爺さまの二人組に、彼がその席を勧めた意図はどこにあったのか、
我々は微妙な心理状態のまま、ボクスンドガは着実に減り続けたのです。