ひねもすのたりにて

阿蘇に過ごす日々は良きかな。
旅の空の下にて過ごす日々もまた良きかな。

リガ・デ・キト

2008年12月19日 | 旅の空の下
クラブワールドカップが現在開催され、
今最強といわれるマンチェスター・ユナイテッドにガンバ大阪が挑み、
点数以上の、圧倒的な力の差にびっくりした。
決勝戦は、エクアドル代表のリガ・デ・キトである。

コパ・リベルタドーレス(リベルタドーレス杯)を今年制したリガ・デ・キトは、
トヨタカップ時代から始めてとなるエクアドルからの南米代表である。
今まで、ブラジルのチームかアルゼンチンのチームが出場することが多かったので、
非常に珍しいことである。

今回旅行したエクアドルやペルーはもちろん、
パラグアイなどの南米諸国にはプロチームがあって、
リーグ戦の結果などは、ニュースで見ることが出来る。
サッカーだけのスポーツニュースみたいなのもあって、
各国のリーグ戦の結果を報道している。

コパ・リベルタドレスでは、J1浦和にいたワシントンの在籍するフルミネンセとの決勝で、
8万6000大観衆で埋まるフルミネンセの本拠地で行われた第2戦では決着がつかず、
優勝を決めるPK戦でワシントンら3選手が失敗し、
栄冠は、リガ・デ・キトの上に輝いた。

フルミネンセは、決勝で負けた痛手を未だに負っているのか、
それとも、全ての力をコパ・リベルタドレスに使ったからか、
11月にブラジルでサンパウロFCの試合を見たときには、
成績はあまり芳しくなかったようだ。

無名と言っていいチームのキトの核だった、
MFジョフレ・ゲロンが、この大会後、スペインのヘタフェに移籍し、
パチューカとの準決勝は心配されたが、
ボール支配率では遅れを取ったものの、結果は2-0で勝利。
さすがに南米代表と思える堂々たる試合だった。

キトに滞在中、2010年のワールドカップに向けての南米予選の試合があっていて、
エクアドル代表の試合がある夜は、
街中に車が出て、至る処に駐車し、
テレビを置いたバーやレストランは大賑わいだった。

逆に我々旅行者は、そういうときは出歩かないのだ。
エクアドル代表が負けた日には、どんな状況になるか分からない。
危険は事前に避けるのが旅行者の鉄則で、
南米では、サッカーの試合の結果は常に危険と隣り合わせである。

さて、リガ・デ・キトはいかにマンUに立ち向かうのか。
興味は尽きない。
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揚げ出し・・・

2008年12月17日 | 酒と料理と
先日、すっかり枯れてしまった里芋の茎をきり、
芋の収穫をした。
自然というものは実に偉大である。
植えた芋は、大丈夫かいというほど小さなものだったのに、
数ヶ月の間に大きく成長し、その周りにたくさんの芋を従えている。

収穫した里芋は、2日ほど天日干しし、土を乾燥させる。
その後、箱に入れ、毛布等で厳重に包んで保存する。
冬越しさせないといけないので、大変なのだ。

すぐに使うものは、自作の芋洗い道具で土を落とし、
これも水切りをしてから置いておくとしばらくは保つが、
そんなに長くは保存できない。

小さい芋は、よく洗って、皮のまま塩水でゆがく。
柔らかくなったら取り出して、手で皮を剥いてそのまま食べるか、
ちょっと甘めの生醤油に付けて食べる。
これも非常に美味くて、クセになる。

里芋は、五角形に切ると形もよく味もよく染みこむらしいが、
家庭で使うものにそこまでする必要はない。
薄口醤油に酒、みりんを入れ、出汁を加え柔らかくなるまで煮込む。
味がついたら取り出しておく。

カツオの出汁に、やはり酒とみりん、薄口醤油に砂糖をほんの少し加えて、
すり下ろした大根を混ぜ、揚げだし汁を作っておく。
先の、煮っ転がした里芋に片栗粉をまぶし、油で揚げる。
これを深皿に入れておき、
揚げだし汁に火をかけて、溶き片栗粉を入れてとろみを付ける。
これを揚げた里芋の下半分までくらい入れる。
上には、柚の皮を小さく千切りしたものを載っけて完成。

上品で、柔らかい味がする。
揚げ出しといえば豆腐だが、野菜も捨てがたい。
茄子を天ぷら風に揚げたものも、これに合う。
ただ食感の堅いものはいまいち揚げ出しには向かない気がする。

この料理には、昨日送ってきたばかりの
「鍋島 純米吟醸中汲みしぼりたて」を合わせてみよう。
新酒のフレッシュな口当たりと、オレンジのような香り。
熱々の揚げ出し里芋とのハーモニーだ。
至福の瞬間。
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安上がりの鶏ハム

2008年12月11日 | 酒と料理と
燻製品は家庭でも意外に簡単にできる。
一番簡単なのは、中華鍋でする熱燻で、
これは、燻製をする間に、材料に火が通り、あらためて火にかけなくても完成するというもので、
例えば塩鯖の切り身とか、鶏の砂ズリなどは酒のつまみにも合う。

温燻になると少々時間がかかるのと、道具が中華鍋ほど簡単ではない。
豚のロース肉を、塩、胡椒、ニンニク、などの漬け汁をまぶして数日冷蔵庫にラップしておき、
洗った後、水気を拭き取り、これを温燻にするとハムが出来る。
ただし、燻製の後、70℃前後の湯で肉の芯まで火を通す必要がある。
肉はたこ糸で整形してもいいし、そのままの形でも味がある。

冷燻は、主にスモークサーモンなどのように、生で食べるようなものに用いる。
サーモンは、火が通ると変色してしまうので、冷燻にする。
燻製の煙だけを当てるような装置を作るか、
温燻の設備の中で、氷を敷いた平たいボールの上にサーモンを載せて燻製にするか、
いずれにしろほとんど生で食すので、刺身で食べられるようなものを使わないといけない。

鶏肉の胸身というのは、鶏肉の中でもっとも安価で手に入る。
これにおろしニンニクと塩、黒胡椒に砂糖(ほんの少し)、をまぶして、
ラップでしっかり包んで3日ほど冷蔵庫に入れておく。
取り出したら水で洗い、好みで黒胡椒を再度まぶしてたこ糸で整形する。

次に、中華鍋にアルミホイールを敷き、その上に燻製用チップを載せる。
チップは、ホームセンターあたりで売っている。
その上に餅焼き用の丸い網を載せ、鶏の胸肉を置く。
中華鍋にふたをかぶせ、燻煙があまり漏れないようにしてからガスの火をつける。

時々、肉を回して、万遍なくうす茶色の燻煙色がつくようにする。
約30分ほどで燻製は終わる。
次に、肉をしっかりラップして輪ゴムで巻き、
約70℃の湯の中に20分ほど浸しておくと、鶏肉の簡易ハムのできあがり。

燻製はその香りと共に、味も濃い。
新酒が出始めた今、濁り酒でこれを食しよう。
一升2千円という非常に高いコストパフォーマンスの、
豊杯の「ん!にごり」がいい。

このハムは、そのままでもいいが、
山葵をとかしたマヨネーズに付けても絶品。
お試しあれ。
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ハモン・セラーノ

2008年12月09日 | 世界一周記2008
生ハムのことを、スペイン語でハモン・セラーノと言う。
ハム屋さんに行くと、店内の天井から吊してある。
スペインの生ハムは非常に美味い。
塩気もそんなに強くなく、ビールのつまみには最高だ。

このハム屋が併設しているBar(バル)がマドリッドには数軒あって、
その中でも、Sol近くにある1軒は人気があって、ARUKIKATAにも紹介されている。
マドリッドのバルのいいところは、生ビール(カーニャ)を注文すると、
必ず無料のタパス(つまみ)が一皿ついてくるということだ。

このタパスが、その店では各種のハムやサラミ、ソーセージの切れ端で、
一皿でビール2杯飲めるくらい盛ってくれる。
もちろんつまみはオリーブやキノコ、ハム類各種、
コンビナートのプラート(肉か魚とフライドポテトにサラダ風野菜を一皿に盛った料理)もあって、
パンもあるので、食事も出来るのだ。
しかし基本的に座るところはなく、カウンターに立って飲食する。

無料のタパスに生ハムが出ることはない。
これがバルセロナになると、タパス自体が出ない。
仕方なく、何かオーダーすることになる。
そこで生ハムの登場となるのだ。

生ハムには、普通の生ハムと、かの有名なイベリコ豚の生ハムがあり、
その価格差は、3~4倍にもなる。
だから、バルでイベリコ豚の生ハムを食べたことはない。
ところが、バルセロナの日本人宿で、ワインを買ってきて、数人で居間で飲んでいるとき、
市内観光から帰ってきた別の3人が、ワインとイベリコ豚のハムを買ってきて、
飲みましょうということになった。

先行していた我々も一緒に7人でワイワイ言いながらハムをつまんだ。
さすがにイベリコ豚の方は、普通の生ハムとは、似て非なる味がする。
絶品のハムと言っていい。
スペイン料理は、パエリアなど何種類か食べたが、これに勝るもの無し。

ハモン・セラーノ・イベリコ
考えてみれば、日本で食べるより随分安かったのだ。
もっと食ってくればよかった。
こういう貧乏性で後悔することはよくあるんだよなぁ。
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ラマダン(或いはラマザン)

2008年12月04日 | 世界一周記2008
イスラム教には年一度、約一月にわたるラマダンの期間がある。
日本語で端的に言えば断食で、
空に太陽がある間は食べ物を口にしない。
食べ物の中には、水も含まれているので、一切何も口にしないのだ。

これが9月ということで、丁度、トルコとモロッコの旅行期間になった。
この両国とも、ほとんどの国民がイスラム教徒なのだ。
で、夜明けから日没まで、一切何も口にしない。
だが、旅行者はイスラム教徒でない限り、普通に食べ、普通に飲む。
だから、朝から夕方まで、レストランやスーパーは普通に営業している。
少なくともトルコでは。

ところがモロッコに来ると事情は一変する。
マラケシュのような世界的な観光地はまだいい。
フナ広場のレストランなどは結構普通に営業している。
ところが、観光客があまりいない地域では非常に困る。

フェズで2泊したが、2日目の昼、とうとう開いている飲食店を見つけられずに、
屋台のジュース屋で生のオレンジジュースを1杯、
インドのナン風の食べ物を2枚で済ませた。
夜も、営業を始めるのは7時半過ぎからで、これには参った。

カサブランカでは、列車の便が良いということで、
カサボワヤジャー駅の近くに泊まったが、ここには全く何もない。
やっと飲食店を見つけると、昼間は営業していない。
おまけに、ビールがない。
アルコール類は何もない。

飲む、食べるではモロッコは最悪だった。
マラケシュのフナ広場では、カタツムリから肉までなんでも食べられたから、
美味い食べ物がないわけでは無かろうが、
旅行した時期が悪かったのだろう。
計画するとき、ラマダンのことは全く念頭になかったのが、悪いといえばそうなのだが。

おかげで、旅行を始める前に比べて、
この時期は4~5㎏痩せていた。
1日2食が続けば健康にも良いかも知れない、としみじみ思ったものだ。
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