
カワラノギクは、その名のように河原の丸石の間に土砂が堆積(たいせき)した貧栄養の砂れき地に生育するそうです。このような立地は、洪水によって形成され、そこにさまざまな植物が生活することで変化していき、やがて砂れき地の植物は衰退していく。
しかし、その間に次の洪水が起こると、新たな砂れき地が形成され、新天地での生活がはじまる。カワラノギクは生育に適した立地を渡り歩き、侵入と繁栄、衰退、移動を繰り返すことで生き残ってきた植物なのだそうだ。
治水型の河川管理や、帰化植物の繁茂などが在来種の生育の妨げとなっています。
カワラノギクの好む砂れき質の河原は、アフリカの乾燥地を原産地とするシナダレスズメガヤという帰化植物に覆い尽くされようとしています。シナダレスズメガヤは、道路法面の緑化や砂防工事に用いられていたものが、河川にまで広がったようです。

「絶滅が危ぶまれているカワラノギクの群落が十年ぶりに愛川町田代の中津川河川敷に復活し、約千株がかれんな花を咲かせ始めた」
との、ラジオの放送を聞き、今日この地を訪れました。
かつての群落は上流に宮ケ瀬ダムが完成したことで完全に姿を消したそうです。
今回ここでカワラノギクが復活したのは、河原環境を整備してきた地元で活動するNPO「愛・ふるさと」のメンバーを中心とする皆さんの努力のたまものですね。


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