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第140回直木賞
坂築静人は、亡くなった人達の最期の地を訪ねる旅をしています。
坂築静人は、故人を知る人に、
「亡くなった方は、誰かに愛されたでしょうか。どういった方を愛したでしょうか。何かをして人に感謝されたことがあったでしょうか」
と質問をするんです。
そして、確かに故人がそこに存在し、人に愛され人を愛し人から感謝されたと云うことを、自分の心に刻み、故人を悼みます。
物語は、末期癌の母親、出産間近の未婚の姉、坂築静人の存在が気になる週刊誌記者、亭主を殺し刑期を終えて出所してきた女など、坂築静人を取り巻く人々の存在を通して生きることと死について描かれています。
坂築静人が悼むことで、世間から忘れ去られてしまった故人の縁者の心が救われる場面がありました。
そのことは、凄く解る様な気がしますね。
私だったら・・・。
生きている人に聞いてみたい。
「あなたは、誰かに愛されたでしょうか。どういった方を愛したでしょうか。何かをして人に感謝されたことがあったでしょうか」
と。
そして、今、自分にも同じことを問いかけています。