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憚(はばか)りながら

2010年07月19日 | 読書
憚(はばか)りながら
後藤 忠政
宝島社

所謂、愚連隊・ヤクザ・暴力団と云われる世界に身を置いてきた元山口組舎弟・元後藤組組長後藤忠政氏のインタビューを元に、氏の半生が描かれている。
彼等の論理・主義主張をそのまま鵜呑みには出来ないが、納得する部分や共感できる心情もある。
特に、彼等暴力団と呼ばれる人たちが、悪いヤツラと呼ぶ連中が社会的に認められ、それなりのステータスを誇示している事には、後藤氏同様怒りを覚えてしまう。
私の好きな、最澄の言葉「照千一隅」(一隅を照らす)と云うのがあります。
これは「社会の片隅でもよい、必要とされる人物となれ」「縁の下の力持ちになれ」という意味ですべての人がそれぞれの分野で全力を尽くして生きて行くこと(守一隅)が、結局は国全体を照らすこと(照千里)になるということだそうです。
後藤氏もこの言葉がお気に入りだったようです。
共通の価値を見出すものがあったから共感できた部分もあったんでしょう。
しかし、暴力的な部分や自己中心的な部分で、氏の考え方を少しは理解したつもりですが、賛成できないのも事実です。
普段知ることのない世界を見せてくれた面白い、興味深い本でした。