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☆愛のすべて。ジョルジュ・ルオー * 聖書の風景

2018-12-01 | ♥アート

 

 日本人のルオー愛好家はたくさんいます

学生の頃、20号の油絵だったと思いますが、何重にも重ねたマチエール(画肌)に、吸い込まれるような奥深さ

額縁まで世界を広げた作品に圧倒され、目が離せなかったような感動を覚えたことがあります

今回、 敬虔なキリスト教徒であり、制作した全ての作品に信仰を込めた

ルオーの絵画の真髄を取り上げたルオー展、パナソニック汐留ミュージアムに行ってきました

 

 開館期間   ~12月9日(日)午前10時~午後6時まで

 

 

 

 開館15周年 特別展  ジョルジュ・ルオー  聖なる芸術とモデルニテ コチラ

 

愛のすべて。 (パンフレット裏面より)

 

 

20世紀フランスを代表する画家ジョルジュ・ルオー(1871-1958)。

本展は、ルオーの画業の軸である聖なる芸術に焦点をあて、画家が目指した美しい愛のかたちを紹介します。

敬虔なキリスト教徒だったルオーは、生涯にわたって「受難」や「キリスト像」などの宗教主題を数多く描きました。

そうした主題を通して、人間の苦悩、あるいは慈愛や赦しを表現したルオーの聖なる芸術は、

文化の違いや国境を超えて今なお多くの人々を惹きつけてやみません。

画題が伝統的である一方、その造形表現は極めて革新的でした。

またテーマの根底には、同時代の社会や人間に対する画家の深い理解がありました。

本展は、こうしたルオーにおける聖なる芸術の意味とその現代性(モデルニテ)をあらためて問うものです。

みどころは、ヴァチカン美術館が初めて日本に出品する《秋 または ナザレット》などの作品群です。

また、パリからもルオーの晩年の傑作が多数来日します。

国内外の《聖顔》や「聖書の風景」の名品も合わせ、油彩画を中心とする約90点で構成するルオー芸術の集大成となる展覧会です。

 

愛のすべて。 (パンフレット裏面より)

 

 

「ヴェロニカの聖顔布伝説」

キリストが十字架を背負ってゴルゴタの丘へと向かう道、ヴェロニカという女性が布でキリストの汗を拭ったところ

その布にキリストの顔の跡が残ったとされる伝説

 

  

<ヴェロニカ>1945年頃 油彩
ポンピドゥー・センター パリ国立近代美術館蔵

画像出典パナソニック汐留ミュージアム

 

 

キリストの受けた苦難と人類のための罪の贖いを直截に伝える「パッション(受難)」の主題は、

ルオーの宗教画題の作品の中でも繰り返し取り上げられました

 

聖なる心臓を描いたこの七宝作品は、

スイス国境近くのノートル・ダム・デ・ヴォワロン修道院の聖柩の扉装飾に使われたもの 

 

 

<聖心> 1951年 七宝
ヴァチカン美術館蔵
Photo ©Governatorato S.C.V. - Direzione dei Musei

画像出典パナソニック汐留ミュージアム

 

 

風景の中にキリストの姿が暗示され、神秘の光に変容した色彩で溢れるルオーの「聖書の風景」は、

この世にはないある種のユートピアの表象とも考えられます

 

画家が1957年に、教皇ピウス12世に寄贈した作品

ナザレット(ナザレ)はキリストが幼少時期に過ごした場所

 

<秋 または ナザレット> 1948年 油彩
ヴァチカン美術館蔵
Photo ©Governatorato S.C.V. - Direzione dei Musei

画像出典パナソニック汐留ミュージアム

 

 

<こちらの作品は撮影OK>

 

 ↓

盛り花 I _ 1949、ステンドグラス 、87.0×62.8cm 

 

キリスト十字架像 17世紀、木彫•着彩、61.0×34.0×7.0cm 

 

 

 

 

 

飾りの花 1947、油彩/紙(麻布で裏打ち)、54.0×40.0cm 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 展覧会の見どころ

 

第Ⅰ章 ミセレーレ:蘇ったイコン

『ミセレーレ』*は父の死と第1次世界大戦の悲惨に直面したルオーが主題を深化させた版画集で、41歳(1912年)の時に構想をスタートさせ、56歳(1927年)の時に完成しました。『ミセレーレ』には、「聖顔」「磔刑」「母子像」「古き場末」「受難のキリスト」など、ルオーの聖なる芸術のテーマが集約されています。
慈悲と戦争をテーマにした『ミセレーレ』は、いわば20世紀に蘇ったイコン(礼拝用画像)と言えます。
本章では、版画作品を軸に、下絵、未採用作品、類作も紹介し、ルオーの聖なる芸術を考察するうえでの『ミセレーレ』の重要性を問いなおします。

* 「憐みたまえ」の意。

第Ⅱ章 聖顔と聖なる人物:物言わぬサバルタン

周縁に装飾枠のある矩形の空間に、キリストの顔貌のみを正面観で描くルオーの「聖顔」は、1904年に登場し、『ミセレーレ』で図像として確立した後、最晩年に至るまで描かれました。「聖顔」は礼拝画像を想起させる荘厳さと不動性をたたえ、数あるルオーの主題の中でも特異な存在といえます。ここでは、ルオーが強い関心を抱いていた「トリノの聖骸布」*や「ヴェロニカの聖顔布伝説」**にも注目し、「聖顔」の創作の背景と作品に込めたメッセージに迫ります。また、鞭打たれたキリストや火刑に処されたジャンヌ・ダルクなど、「サバルタン(被抑圧者)」としての聖なる人物をいかにルオーが表象したかを紹介します。

* トリノの聖ヨハネ大聖堂に保管されているキリストの遺体を包んでいたとされる布。19世紀末に写真撮影がされ、その真贋問題と画像の神秘性が話題となった。
** キリストが十字架を背負ってゴルゴタの丘へと向かう道で、ヴェロニカという女性が布でキリストの汗を拭ったところ、その布にキリストの顔の跡が残ったとされる伝説。

第Ⅲ章 パッション:受肉するマチエール

キリストの受けた苦難と人類のための罪の贖いを直截に伝える「パッション(受難)」の主題は、ルオーの宗教画題の作品の中でも繰り返し取り上げられました。この章では、1927年頃より構想された版画集『受難』を起点に、版画と関連して創作された図像や、《受難(エッケ・ホモ)》など後年の大作を取り上げ、「パッション」のテーマにおけるルオーの宗教的ヴィジョンを紹介します。また、1930年代以降に、ルオーの油彩画の技法は従来の「削り取る」手法から「積み重ねる」手法に移行しますが、こうして、成熟して「受肉」し、「物質」に変貌したかのようなルオーのマチエール(画肌)の変化も考えます。

 上記ルオーギャラリーより転載=

 

 


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