周りが苦労して通した課長職…藤岡課長はそんなことも気がつかず有頂天になっていました(笑)
地方工場で採用試験を受けた者は一生涯掛かかって係長まで到達するのが精一杯でした。 普通は班長や組長が関の山でしょう。それが四十代での課長です。天狗にならない方が不思議なくらいです。元来鼻っ柱の強かった藤岡課長は、事あるごとにその低い鼻を蠢かしては『大卒なんてたいしたことないじゃあないか』と嘯(うそぶ)いていました。
確かにこの年代で大卒者ですら課長は余程の優秀者でした。それが地方採用(つまり高校卒)が課長ですから(笑) 会社始まって以来の快挙(愚挙)でした。
大卒の部下を手足の様に使い回して彼は意気揚々としていました。
当時業界は右肩上がりで彼の業績は時運にも乗って益々好調でした。
たぶん彼の生涯で一番輝いていたのではないでしょうか。
…
地方工場で採用試験を受けた者は一生涯掛かかって係長まで到達するのが精一杯でした。 普通は班長や組長が関の山でしょう。それが四十代での課長です。天狗にならない方が不思議なくらいです。元来鼻っ柱の強かった藤岡課長は、事あるごとにその低い鼻を蠢かしては『大卒なんてたいしたことないじゃあないか』と嘯(うそぶ)いていました。
確かにこの年代で大卒者ですら課長は余程の優秀者でした。それが地方採用(つまり高校卒)が課長ですから(笑) 会社始まって以来の快挙(愚挙)でした。
大卒の部下を手足の様に使い回して彼は意気揚々としていました。
当時業界は右肩上がりで彼の業績は時運にも乗って益々好調でした。
たぶん彼の生涯で一番輝いていたのではないでしょうか。
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