寝転がって気ままに想う事

 世の中ってこんなもんです・・
面白可笑しくお喋りをしましょうか ^^

幸運の女神様(八)

2010年09月03日 09時53分38秒 | 日記
思い立ったら即実行♪これが若き日の鬼塚課長でした。新幹線に設置してある電話に飛び付きました。
『あ~もしもし!』電車の電話は通信が微妙でした。 『あぁ俺、鬼塚だけど…』
『えっ!違います?』『鈴木さんのお宅じゃあないですか?』
『すみません鬼塚です!』
『はい、はい広子さんいますか…』 まあこんな調子の電話でしょうか(笑)『もしもし♪』
『俺だけど十一時に東京駅に着くんだよ』
『え!十一時急よね(笑)…はい!迎えに行きますよ♪』広子さんは二つ返事です。
『それでさぁ午後から会社に出るから昼飯食おうや』
『分かったわ』
『中央改札口まで出るからさ』
『はい!じゃあ又後で』
途切れ掛けていた赤い糸♪
時が経てば元に戻るのでしょうか(笑)広子さんは絶対鬼塚は自分のところに帰ってくると確信していました。 何を根拠に…そう思いますが、ハハハ♪ほんと他人には分からぬ男女の仲♪ですね(笑)
兎に角この日の鬼塚課長は多忙を極めました。東京駅に着くや広子さんと食事に八重洲側にでました。
皆さんどうでしょうか、離れて半年鬼塚課長は違う女と同棲したりと浮き名を流していたのですが、一方の広子さんは普段どおり落ち着いた暮らし振りです。全て手の内で踊らされている孫吾空のようですね(笑)
食事を済ませると鬼塚課長は広子さんの手を取り口笛でも吹かんばかりです。
『ちょっと!どこへ行くのですか』慌てる広子さんを無視するように
『まぁ久し振りだし♪…』そう言いながらグイグイ歩きます。
『駄目ですよ(苦笑)』若い鬼塚課長は辛抱出来なかったのでしょう(笑)
侘びた料亭の町並みを見つけると 『俺はさぁこれから一世一代の勝負にいかなくっちゃあ行けないんだよ』
『し、勝負?』
いきなり言い出すことが勝負だなんて…広子さんは呆れ果てました。 言い出したら聴かない駄々っ子みたいなこの人だからこそ私なんだわ! 鬼塚課長は普段見られないほど思い詰めた顔つきをしていました!
『だからさぁ俺の幸運の女神様♪』『俺に幸せをお裾分けしてくれよ』訳の分からない話しですが今までこんな真顔の鬼塚課長を見たことはありません。冷やかしも通じないほどでしたからこりゃあ相当ピンチかな?…広子さんは黙ってうなずきました。この悪たれ坊主を助けらるのは私だけだわ♪広子さんはギュッと鬼塚課長の手を握り返しました。そして二人はもつれ込むように四つ角を曲がると小さな入口に連れ込みました。合体 〓…
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