昨晩は録画した番組を観尽くしたため新たにチャンネル探し。Lindaが好きな富士山の番組を見つけましたが、「絶景旅」のはずが途中から素人俳句会(最下位は罰として料理が食べられない)になり、それが延々と続いて退屈したため視聴を中止。それは措くとして・・・・・・
上画像は案内役の漫談家が自分でプロデュースしたという喫茶店にて。皆が飲んでいるバーブティーの原料も字幕の農園で栽培しているとのことでしたが・・・・
これを見て瞬時に目を疑いました。上の「250坪」は広さを訊かれた彼の言葉ですが、問題は括弧内の数字。私が坪を㎡に換算する場合、3で割って10倍するのが常なので暗算すれば833㎡。これは絶対にあり得ない。
で、畑はやっぱりこの広さ。76㎡ならうちの家庭菜園よりずっと小さいぞ!(きみまろ氏がオンエアを観ていたらの話ですが、自慢の農園を箱庭サイズに矮小化されて怒らなかったのだろうか?)
念のためGoogle検索の結果も貼っておきました。件の「76㎡」は一桁間違っているだけでなく、「坪:㎡ = 0.304」で計算しています。そのケッタイな比率は一体どこから持ってきたのか? 別の単位と間違えているとしか考えられません。(→追記:判りました。250 × 0.304 = 76だったのか! 割らずに掛けちゃったのね。いかにも「〇〇〇世代」がやらかしそうなミスですが、最近は四則演算のできない大学生がゴロゴロしているという話なので今更驚きません。ただし、これが例えば工場の製造過程で必要な計算だったら大損害を与えかねないところです。以下ついでですが、昨日はNHKの別の番組でスタッフが畑で玉になり始めていた白菜を指し、「これは何の野菜ですか?」と尋ねていたのを聞いて呆れました。見てわからんか?)
現代の若者が坪や反(たん)など尺貫法に基づいた面積の単位(注)を知らないのはむしろ当然であり、私はそれを責めるつもりなど毛頭ありません。(注:一応補足しておくと、1間 (6尺) 四方の面積が1坪、そして300坪が1反です。よく「1反=10アール (1000㎡)」などと書かれていたりもしますが、実際には1反 = 991.736㎡ ≒ 10aであり、メートル法の単位による数値と近かったのは偶然に過ぎません。)強く糾弾したいのは、このような「と」(トンデモ)情報がそのまま電波に乗ってしまったことです。チェック機能がまるで働いていない! で判ってみれば、この在京キー局は一昨年の藤井八冠誕生のニュースでもやらかしていました。それゆえ私は同局の制作スタッフに何のためらいもなく「盆暗」の烙印を押させてもらいます。(当初は本記事のタイトルを「ボンクラーズ」(盆暗ども) にしようかと考えたほどですが、それは2012年に当時日本将棋連盟の会長だった米長邦雄永世棋聖 (引退棋士) に勝った将棋ソフトの名前で実は優秀。それで取り下げました。)
追記(自分でも「テレビ番組に対する苦言が続くのも何だかなぁ」と思ったので、別記事は立てずここに継ぎ足すことにしました。)
これと同じニュースを今日の朝刊で読みました。ところで、その写真で着手している羽生会長が7年前ある番組に登場した時の映像を昨晩観ました。下は将棋の好きな外国人の少女と面会した際に詰将棋を使った指導をしているところですが・・・・・・
こういうのはもう諦めるしかないのかもしれませんね。普段指すことのない人間には、将棋に対応する動詞が「打つ」以外に思い付けないのでしょう。(もちろん羽生さんはこんなことは一言も言っていません。)
これが最初の駒配置ですが、先の指し手は2五の地点にいた馬(角の成駒)を5二へ移動させただけ(持駒を盤面に打った訳ではない)ですから「打つ」は明らかに不適当です。(こちらにとても解りやすい解説がありました。)が、かつて将棋専門のライターがこの件で愛好家が目くじらを立てることを「言葉狩り」と書いていたのを思い出したので、ここは刀を鞘に収めることにして・・・・・
私がそれ以上に強い違和感を抱いたのがこの画面での「相手の持駒」です。たしかに2枚目画像の右上と一緒ですが、ここで駒台に歩が2枚置かれていたのはたまたまに過ぎません。ところがスタッフはそれも含めて詰将棋の問題だと錯覚してしまったのでしょう。
左は私が同じ問題をスマホのアプリで並べたもの。そして左は借り物でこちらの方が分かりやすいですが、詰将棋にはこちらの(5)にある通り玉方(ぎょくがた、受ける側)は「王」以外の残り駒を全て所有し、合駒として使えるというルールがあります。今回はたまたま玉型の持駒が歩2枚だけでも別解が存在しない短手数の詰将棋だったから良かったものの、2四馬の王手に対して4二に歩以外を合駒しないと早く詰んでしまうような問題(注)だったら破綻していました。(注:これもルールですが、玉方には最長手順になるような応手が求められるため、最適な合駒が何であるかをその都度考える必要があり、逆にそれを利用した「合駒問題」も存在します。おそらく興味を示す方はほとんどいないでしょうが、この世にはここで紹介されているような凄いとしか言いようのない作品もあるんです。)
書いているうちに熱くなってきたのでここいらで終わりますが、誰だって自分が好きなものを軽く扱われていたらいい気持ちはしないでしょう。番組が扱う対象に少しでもリスペクトを払う気があるなら監修ぐらいしっかりやってもらいたいものです。
追記の追記
その後思い当たったことですが、件の3手詰は作者不詳の古典詰将棋で初期配置が少し異なり、こちらにある通り2五馬ではなく1六角でした。羽生さんは敢えて上下左右にも1マス動ける馬を2五に置くことで紛れ(正解以外の選択肢)を増やそうとしたのかもしれません。その上で玉方にも2四馬には(持ち駒なしなら詰んでしまうので)ちゃんと合駒の用意があることを明確&シンプルに示すため歩を2枚だけ駒台に置いた。それなら解ります。ただし、それでも私には別の疑問が。
ベラルーシの大会でメダルをいくつも獲得するほどの指し手がこれを見て考え込むだろうか?(いくら子供の大会でも初心者レベルということはさすがにないでしょう。)羽生さんがヤラセの片棒を担いだとは思えない(思いたくない)ので、少女は瞬時に正解を見つけていたけれど考えているフリをしてあげた、ということにしておきましょうか。ちなみに私ならこの問題(名作中の名作)を出します。初級者の棋力を推し量るには最適ですから。
上画像は案内役の漫談家が自分でプロデュースしたという喫茶店にて。皆が飲んでいるバーブティーの原料も字幕の農園で栽培しているとのことでしたが・・・・
これを見て瞬時に目を疑いました。上の「250坪」は広さを訊かれた彼の言葉ですが、問題は括弧内の数字。私が坪を㎡に換算する場合、3で割って10倍するのが常なので暗算すれば833㎡。これは絶対にあり得ない。
で、畑はやっぱりこの広さ。76㎡ならうちの家庭菜園よりずっと小さいぞ!(きみまろ氏がオンエアを観ていたらの話ですが、自慢の農園を箱庭サイズに矮小化されて怒らなかったのだろうか?)
念のためGoogle検索の結果も貼っておきました。件の「76㎡」は一桁間違っているだけでなく、「坪:㎡ = 0.304」で計算しています。そのケッタイな比率は一体どこから持ってきたのか? 別の単位と間違えているとしか考えられません。(→追記:判りました。250 × 0.304 = 76だったのか! 割らずに掛けちゃったのね。いかにも「〇〇〇世代」がやらかしそうなミスですが、最近は四則演算のできない大学生がゴロゴロしているという話なので今更驚きません。ただし、これが例えば工場の製造過程で必要な計算だったら大損害を与えかねないところです。以下ついでですが、昨日はNHKの別の番組でスタッフが畑で玉になり始めていた白菜を指し、「これは何の野菜ですか?」と尋ねていたのを聞いて呆れました。見てわからんか?)
現代の若者が坪や反(たん)など尺貫法に基づいた面積の単位(注)を知らないのはむしろ当然であり、私はそれを責めるつもりなど毛頭ありません。(注:一応補足しておくと、1間 (6尺) 四方の面積が1坪、そして300坪が1反です。よく「1反=10アール (1000㎡)」などと書かれていたりもしますが、実際には1反 = 991.736㎡ ≒ 10aであり、メートル法の単位による数値と近かったのは偶然に過ぎません。)強く糾弾したいのは、このような「と」(トンデモ)情報がそのまま電波に乗ってしまったことです。チェック機能がまるで働いていない! で判ってみれば、この在京キー局は一昨年の藤井八冠誕生のニュースでもやらかしていました。それゆえ私は同局の制作スタッフに何のためらいもなく「盆暗」の烙印を押させてもらいます。(当初は本記事のタイトルを「ボンクラーズ」(盆暗ども) にしようかと考えたほどですが、それは2012年に当時日本将棋連盟の会長だった米長邦雄永世棋聖 (引退棋士) に勝った将棋ソフトの名前で実は優秀。それで取り下げました。)
追記(自分でも「テレビ番組に対する苦言が続くのも何だかなぁ」と思ったので、別記事は立てずここに継ぎ足すことにしました。)
これと同じニュースを今日の朝刊で読みました。ところで、その写真で着手している羽生会長が7年前ある番組に登場した時の映像を昨晩観ました。下は将棋の好きな外国人の少女と面会した際に詰将棋を使った指導をしているところですが・・・・・・
こういうのはもう諦めるしかないのかもしれませんね。普段指すことのない人間には、将棋に対応する動詞が「打つ」以外に思い付けないのでしょう。(もちろん羽生さんはこんなことは一言も言っていません。)
これが最初の駒配置ですが、先の指し手は2五の地点にいた馬(角の成駒)を5二へ移動させただけ(持駒を盤面に打った訳ではない)ですから「打つ」は明らかに不適当です。(こちらにとても解りやすい解説がありました。)が、かつて将棋専門のライターがこの件で愛好家が目くじらを立てることを「言葉狩り」と書いていたのを思い出したので、ここは刀を鞘に収めることにして・・・・・
私がそれ以上に強い違和感を抱いたのがこの画面での「相手の持駒」です。たしかに2枚目画像の右上と一緒ですが、ここで駒台に歩が2枚置かれていたのはたまたまに過ぎません。ところがスタッフはそれも含めて詰将棋の問題だと錯覚してしまったのでしょう。
左は私が同じ問題をスマホのアプリで並べたもの。そして左は借り物でこちらの方が分かりやすいですが、詰将棋にはこちらの(5)にある通り玉方(ぎょくがた、受ける側)は「王」以外の残り駒を全て所有し、合駒として使えるというルールがあります。今回はたまたま玉型の持駒が歩2枚だけでも別解が存在しない短手数の詰将棋だったから良かったものの、2四馬の王手に対して4二に歩以外を合駒しないと早く詰んでしまうような問題(注)だったら破綻していました。(注:これもルールですが、玉方には最長手順になるような応手が求められるため、最適な合駒が何であるかをその都度考える必要があり、逆にそれを利用した「合駒問題」も存在します。おそらく興味を示す方はほとんどいないでしょうが、この世にはここで紹介されているような凄いとしか言いようのない作品もあるんです。)
書いているうちに熱くなってきたのでここいらで終わりますが、誰だって自分が好きなものを軽く扱われていたらいい気持ちはしないでしょう。番組が扱う対象に少しでもリスペクトを払う気があるなら監修ぐらいしっかりやってもらいたいものです。
追記の追記
その後思い当たったことですが、件の3手詰は作者不詳の古典詰将棋で初期配置が少し異なり、こちらにある通り2五馬ではなく1六角でした。羽生さんは敢えて上下左右にも1マス動ける馬を2五に置くことで紛れ(正解以外の選択肢)を増やそうとしたのかもしれません。その上で玉方にも2四馬には(持ち駒なしなら詰んでしまうので)ちゃんと合駒の用意があることを明確&シンプルに示すため歩を2枚だけ駒台に置いた。それなら解ります。ただし、それでも私には別の疑問が。
ベラルーシの大会でメダルをいくつも獲得するほどの指し手がこれを見て考え込むだろうか?(いくら子供の大会でも初心者レベルということはさすがにないでしょう。)羽生さんがヤラセの片棒を担いだとは思えない(思いたくない)ので、少女は瞬時に正解を見つけていたけれど考えているフリをしてあげた、ということにしておきましょうか。ちなみに私ならこの問題(名作中の名作)を出します。初級者の棋力を推し量るには最適ですから。
https://news.yahoo.co.jp/articles/46e18b268e5dd84c12c92eee98ae76662def84c3
コメント欄で指摘されているように、ここでも「△2二金を打った第2図」とやらかしています。スポニチの元記事にはないことから考えるに、この注釈はYahoo! Japanの誰か(阿呆)が独断で(無断で?)入れたということでしょう。
持駒の金ではなかったのだから「打った」の時点でアウトですが、仮にそうだとしても「を打った」は助詞として不適当。(違和感がハンパない。)専門誌なら間違いなく「と打った」とするはずです。
無難に書くなら「と指した」でしょうが、3二の金を一マス左に水平移動させたのだから「と寄った」の方が適っています。他にも駒の移動には「上がる」「引く」「跳ねる」(桂の場合)のような動詞が用いられますが、せめてこのぐらいの知識を備えた上で将棋の記事を扱ってほしい。
250坪の畑といったらこれくらいの広さです。