2月に入り雲場池はとても静かになった。まず定点からの様子を見ていただく。
2月10日の寒波の襲来で、11日には前日から降った雪が雲場池の周辺の木々にも積もり、美しい雪景色を見せたが、翌12日にはほとんど消えてしまった。
朝方の気温はマイナス5度程度の日が続いていて、天気予報でマイナス11度にまで下がるとされた16日の朝は雲場池の大池にも氷が張った。
ただ、この日凍ったのは前回の下流域ではなく池の少し奥の方であった。朝日が差し込む場所が関係しているのかもしれない。

2023.1.29 撮影

2023.2.5 撮影

2023.2.11 撮影 前夜からの雪で雪化粧をした

2023.2.12 撮影 前日木々に積もっていた雪は消えた

2023.2.16 撮影 気温がマイナス10度近くまで下がり、池縁部と中ほどに氷が張った

2023.2.22 撮影

2023.2.16 撮影 池の中ほどに張った氷

2023.2.16 撮影 同上
池にいる水鳥の種類は、マガモ、カルガモ、コガモ、オカヨシガモ、オオバンがほぼ定着し、これに時々キンクロハジロとダイサギが、そしてごくまれにヒドリガモが加わるという状態である。

マガモの群れ (2023.2.13 撮影)

マガモの群れ (2023.2.10 撮影)

逆立ちして餌を探すマガモ♂(2023.2.14 撮影)
水鳥たちは、ペアになっていることが多く、群れで過ごしているマガモの場合でも、その群れから少し離れて2羽が泳ぐ姿を時々見かける。このマガモの求愛のポーズである首を上下に振るしぐさを、雌雄が同時にしているのを見かけることがある。ある時、そんな様子を見ていると、突然交尾行動に入ったようであった。カメラをビデオモードにして撮影を試みたが、池周辺の樹木の陰に移動してしまいうまく撮影できなかった。次の2枚目の写真はそのビデオからキャプチャーしたものである。

ペアになって泳ぐマガモ(2023.2.21 撮影)

マガモの交尾行動(2023.2.20 ビデオ映像からのキャプチャー画像)
このマガモの雌たちは、妊娠した状態でもうすぐ北に帰り、そこで子育てをすることになるのだろう。無事に繁殖してまた子供たちと戻ってきてもらいたい。
オカヨシガモの2組の番(つがい)が定着して過ごしている。雌雄は嘴の色ではっきりと区別される。黒い方が♂、オレンジ色の方が♀。

オカヨシガモのペア(2023.2.8 撮影)

オカヨシガモのペア(2023.2.12 撮影)

オカヨシガモのペア(2023.2.14 撮影)

羽繕いするオカヨシガモ♂ (2023.2.12 撮影)

羽繕いする2羽のオカヨシガモ (左♀、右♂ 、2023.2.12 撮影)

羽繕いするオカヨシガモ (左♂、中・右♀ 、2023.2.12 撮影)

朝のけあらしの中を泳ぐオカヨシガモ (2023.2.22 撮影)



羽ばたくオカヨシガモ♀ (2023.2.22 撮影)

飛び立つオカヨシガモ(左♂、右♀ 、2023.2.12 撮影)
コガモが小さな群れをつくり定着しているように見える。他の水鳥があまりやって来ない、雲場池上流域で餌を探すこともある。

雪の日、一列になって泳ぐコガモの群れ (2023.2.10 撮影)

雲場池の上流域に来たコガモ♀ (2023.1.29 撮影)

雲場池の上流域の流れに逆らって泳ぐコガモ♂ (2023.1.29 撮影)

コガモのペア (左♀、右♂、2023.2.11 撮影)

コガモ♀ (2023.2.11 撮影)

コガモ♂ (2023.2.8 撮影)
慣れてきたのか、私が遊歩道を近づいて行っても、逃げ去ることがなくなったので、アップで撮影した。

コガモ♂のアップ (2023.2.16 撮影)
オオバンは先月まで1羽だけでマガモやオカヨシガモに混じっていたが、最近になってもう1羽が加わり、現在2羽になった。雌雄の区別がつかないのではっきりしたことはわからないが、ペアなのだろうか、仲睦まじい姿を見かける。

オオバン (2023.2.8 撮影)

オオバン (2023.2.11 撮影)

オオバン (2023.2.11 撮影)
次は潜水して餌を探した後のオオバンの動き。別にここは浅いわけではない、なんだか奇妙な動作に見える。



オオバンの奇妙な動作 (2023.2.22. 撮影)
昨年は多数見かけたキンクロハジロであるが、今年は数が少ない。どこか他の場所との間を行き来している様子である。冠羽が特徴で、雄の方が長く目立つが雌にも冠羽がある。

キンクロハジロペア (2023.2.15 撮影)

キンクロハジロペア (2023.2.15 撮影)
キンクロハジロはよくこうした動作をして笑わせてくれる。

キンクロハジロ♀ (2023.2.15 撮影)


単独で現れたヒドリガモ♀ (2023.2.16 撮影)
続いて小鳥たちの様子。池の周囲にはいつものようにシジュウカラが見られるが、他のカラたちの姿はあまり見られない。



樹上を飛び回るシジュウカラ(2023.2.12 撮影)
1月末から2月にかけて久しぶりにカヤクグリの姿が見られた。池周辺に植えられているドウダンツツジなどの根元の落ち葉をかき分けて何やら餌を探していることが多い。近寄ると、すぐ近くのイチイの枝に飛び移るが、それ以上飛び去らないので、ゆっくり撮影ができた。スズメ大の目立たない種で、表情はなかなか可愛いい。





地上で餌を探すカヤクグリ(2023.1.29 撮影)

イチイの木の枝にとまるカヤクグリ(2023.1.29 撮影)
別の日、今度は池周辺の別荘地庭の樹上で見かけた。



樹上のカヤクグリ (2023.2.10 撮影)
この日はズミと思われる小さな実がなっている木の枝に止まっていた。この日も警戒する様子がなく、ゆっくりと撮影することができた。




カヤクグリ (2023.2.13 撮影)
カワガラスは同じ場所で見かけることが多いのだが、こちらは相変わらず警戒心が強く、撮影しようとしてカメラを構えると距離をとるようにして遠ざかってしまう。そのためなかなかカワガラスのはっきりした写真を撮ることができないでいる。


カワガラス(2023.2.8 撮影)

河の中に入って餌を採るカワガラス(2023.2.8 撮影)

シルエットがミソサザイによく似ているカワガラス(2023.2.10 撮影)



カシラダカ(2023.2.10 撮影)

高い樹上で囀るホオジロ (2023.2.20 撮影)

シロハラ (2023.2.3 撮影)

シロハラ(2023.2.15 撮影)
何かが動いた気配に傍らの木を見上げると、幹を上の方に器用に登っていくキバシリがいた。

キバシリ (2023.2.20 撮影)
ダイサギは10羽前後の群れで時々やってきており、距離を詰めていくと飛びたつ。羽をひろげゆったりと飛ぶ姿は美しく、見かけるとついつい時間を忘れて撮影に夢中になってしまう。

ダイサギの群れ(2023.2.15 撮影)
以下、ダイサギの飛翔する美しい姿の数々を見ていただく。

2023.1.31 撮影

2023.1.31 撮影

2023.1.31 撮影

2023.2.22 撮影

2023.2.22 撮影

2023.2.15 撮影

2023.2.15 撮影

2023.2.15 撮影

2023.2.15 撮影

2023.2.15 撮影

2023.2.22 撮影
冬の間はどんな風になっているのだろうかと気になっていたモンローの唇(イオウゴケ)は変わらずお色気をふりまいていた。

モンローの唇(イオウゴケ 2023.2.12 撮影)
話題は異なるが、今月に入り雲場池の入り口に工事のための仮設小屋が建てられた。自転車置き場を占領したかたちだが、これはすぐ近くで行われている正宗白鳥の詩碑(文学碑)移設工事のためである。
以前このブログで紹介したことがあるが(2018.6.22 公開)、正宗白鳥の詩碑は現在、旧軽井沢銀座通りの一番奥にある二手橋を渡り左の水源地の方に折れて進み、さらにしばらく行き右側にある細い山道を登ったところに設けられている。
ここは不便な場所であり訪れる人も少ないことから、正宗白鳥の別荘が今も残されている雲場池の正面近くに移すことをご遺族が決め、町との交渉の末、今回の移設が決まったという。とてもいい判断だと思う。
2月上旬に着工した工事が進み、2月下旬には詩碑を設置する台座部分の様子が見えてきている。

仮説小屋の前に設置されている工事の案内板(2023.2.8 撮影)

工事予定地の前面道路に集まる工事関係者と車両(2023.2.8 撮影)

詩碑を移設する場所の工事と思われる(2023.2.22 撮影)

詩碑は精進場川に面した場所に設置される模様(2023.2.22 撮影)