軽井沢からの通信ときどき3D

移住して10年目に入りました、ここでの生活と自然を写真と動画で発信しています

今月の雲場池(4月)

2023-04-28 00:00:00 | 軽井沢
 4月になると雲場池とその周辺を取り巻く様子は一変する。木々が芽吹き、コブシ、チョウジザクラ、オオヤマザクラ、ネコヤナギなどの花も揃って咲き始める。遊歩道の足元には数種のスミレが咲き始め、散歩が楽しくなる。

 3月にはまだ増減を繰り返していた水鳥たちの数や種類にも変化があり、マガモ、オカヨシガモ、キンクロハジロ、オオバンなどの姿は消えてしまう。期待していたマガモのエクリプスの姿を、今年は見ることができそうにない。

 4月下旬時点で見られるのはなぜかコガモと、通年生息しているカルガモ、そしてこのところよく姿を見せるようになったカイツブリである。

 池の周辺では3月から引き続いてミソサザイの大きな鳴き声が響き、ウグイスの鳴き声も遠くから聞こえる。どちらもその姿を見つけるのは難しいが、ミソサザイは先月に続いて動画を撮ることができた。ウグイスの方は鳴いている姿の撮影に何度か挑戦したものの、姿をはっきりととらえらることができず、雲場池の景色を背景に鳴き声だけを録音してみた。

 野鳥の仲間では、いつも見られるシジュウカラのほか、ヤマガラ、ヒガラ、コゲラ、アカゲラ、キセキレイ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、コサメビタキ、アオジなどが見られた。少し珍しいところではソウシチョウの姿を一瞬茂みの中に認めた。

 シジュウカラは子育ての準備を始めているようである。別荘地の中でなにやら不思議な動きをしている個体がいたので、レンズ越しに見ると、巣の材料を熱心に咥えようとしているところであった。苔をむしっているのかと思っていたが、妻に見せるとヤママユガの繭を見つけてそれをほぐそうとして格闘しているようだとのこと。確かに苔ではなく緑色の繊維が見える。
 
 では、まずは定点の変化をスマホで撮影したパノラマ写真で。

3月24日撮影

3月30日撮影

4月4日撮影

4月12日撮影

4月19日撮影

4月25日撮影

4月26日撮影

 続いて、春を告げてくれるミソサザイとウグイスの鳴き声を聞いていただく。
  ミソサザイの囀り(2023.4.12 撮影)

 ウグイスの囀り(2023.4.26 撮影)

 次の動画は巣作りの準備に余念のないシジュウカラ
  巣作りの材料を集めるシジュウカラ(2023.4.25 撮影)

 冬の間目を楽しませてくれた水鳥たちに代わって、池周辺の別荘地の庭ではコブシの花が咲き始めた。

コブシ(2023.4.12 撮影)

コブシ(2023.4.19 撮影)

コブシ(2023.4.19 撮影)

コブシ(2023.4.12 撮影)


コブシ(2023.4.14 撮影)

コブシ(2023.4.14 撮影)

コブシ(2023.4.14 撮影)


コブシ(2023.4.14 撮影)
 
 名前のチョウジの由来が花を横から見ると丁子(クローブ)のように見えることから名づけられているというチョウジザクラは小型の花が清楚で美しい。

チョウジザクラ(2023.4.14 撮影)

チョウジザクラ(2023.4.12 撮影)

 オオヤマザクラは花びらがピンク色で大きい。これらの花が同時に咲き始めるのは寒冷地の特徴といえる。

オオヤマザクラ(2023.4.12 撮影)

オオヤマザクラ(2023.4.14 撮影)
 
ネコヤナギ(2023.4.2 撮影)

タチヤナギ(2023.4.19 撮影)

 目立たないが遊歩道の足元にはアオイスミレ、タチツボスミレ、ヒカゲスミレが見られる。別荘地の周囲に積み上げられた浅間石の隙間には小さいがピンク色のヒナスミレの花が美しい。

アオイスミレ(2023.4.2 撮影)

タチツボスミレ(2023.4.19 撮影)

タチツボスミレ(2023.4.12 撮影)

タチツボスミレ(2023.4.14 撮影)

タチツボスミレ(2023.4.19 撮影)

ヒカゲスミレ(2023.4.14 撮影)

ヒカゲスミレ(2023.4.14 撮影)

ヒナスミレ(2023.4.3 撮影)

ヒナスミレ(2023.4.14 撮影)

種子をつけるヒナスミレ(2023.4.25 撮影)

 雲場池に至る道路沿いには日本の野生種ではないが、数種のスミレの仲間も咲き始める。

フイリゲンジスミレ(2023.4.12 撮影)

ニオイスミレ(2023.4.12 撮影)


アメリカスミレサイシン(2023.4.12 撮影)

 スミレのほかにも可憐な花をつける植物を見かけるようになる。
 
エンレイソウ(2023.4.25 撮影)

フデリンドウ(2023.4.25  撮影)

フデリンドウ(2023.4.25 撮影)

ユキザサ(2023.4.25 撮影)

オトメエンゴサク(? 2023.4.25 撮影)


ヤマエンゴサク(? 2023.4.14 撮影)

 続いて、他の水鳥たちはいなくなってしまったが、今もまだ見られた水鳥たちの姿。通年見られるカルガモは別にして、今年はなぜかコガモが今も数羽残り、昨年ここで繁殖していたカイツブリの姿も見られる。 

カルガモ(2023.4.4 撮影)


餌を採るカルガモ(2023.4.2 撮影)

樹上のカルガモ(2023.3.31 撮影)

コガモ♂(2023.4.2 撮影)

コガモ♂(2023.4.19 撮影)

コガモ♀(2023.3.24 撮影)

カイツブリ(2023.4.2 撮影)

 野鳥の仲間では、いつも見られるシジュウカラのほか、ヤマガラ、ヒガラ、コゲラ、アカゲラ、キセキレイ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、コサメビタキ、アオジなどが見られた。少し珍しいところではソウシチョウの姿を一瞬茂みの中に認めた。

シジュウカラ(2023.3.27 撮影)
 

川で遊んでいるようにみえるヤマガラ(2023.4.4 撮影)

モミジの花芽をついばみに来たヒガラ(2023.4.25 撮影)

ヒガラ(2023.4.25 撮影)

枝から枝へと飛び移るヒガラ(2023.4.25 撮影)

コゲラ(2023.4.3 撮影)

アカゲラ(2023.4.19 撮影)

キセキレイ(2023.4.12 撮影)



ハクセキレイ(2023.4.3 撮影)

ヒヨドリ(2023.4.26 撮影)

コサメビタキ(2023.3.27 撮影)

コサメビタキ(2023.4.26 撮影)

コサメビタキ(2023.4.25 撮影)

カワラヒワ(2023.4.4 撮影)

アオジ(2023.4.14 撮影)

上の写真撮影後、後を追うようにやってきたアオジ(2023.4.14 撮影)

チラと姿を見せて飛び去った外来種のソウシチョウ(2023.4.19 撮影)

 霧の出た日、多数のツバメが餌を探して飛び交っていたが、中には枝先で休憩する個体もいた。


霧の中を飛びまわるツバメ(2023.4.26 撮影)
枯れ枝の先で休むツバメ(2023.4.26 撮影)

 動物ではニホンリスの姿を時々見かける。樹上からこちらの様子をうかがっていたと思うと、さっと身をひるがえして消えていく。


ニホンリス(2023.4.26 撮影)

 雲場池周辺でチョウの姿を見かける機会はあまりないが、今月はミヤマセセリとシジミチョウに出会った。ミヤマセセリは幼虫で冬を越して早春蛹になり羽化するというから、羽化して間もない個体である。
   
 シジミチョウの方は大きさからヤマトシジミかと即断していたが、よく考えてみると発生時期が少し早いようである。翅裏の紋様からスギタニルリシジミかとも思えるが、これまで見たことが無いのでよく分からないでいる。

 このシジミチョウがスギタニルリシジミだとすれば、ミヤマセセリとともに年1回の羽化で、ヒメギフチョウと同じで今の時期だけに見られる種ということになる。

ミヤマセセリ(2023.4.14 撮影)

スギタニルリシジミ(? 2023.4.19 撮影)

開翅したスギタニルリシジミ♂(? 2023.4.19 撮影)





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ウクライナ情勢(4/18~4/24)

2023-04-25 00:00:00 | ウクライナ情勢
4月18日
・「インド太平洋」定例化 G7外相会合 対中念頭 関与強化
・日韓、5年ぶり安保対話 対北 緊密な意思疎通で一致
・中国軍空母 発着艦330回
・国際秩序維持 G7結束 外相会合 「欧州・インド太平洋 不可分」
・日米連携の重要性確認 外相会談
・中国の核 分析 深層NEWS
・欧州 原発回帰続く エネルギー露依存見直し 脱原発完了 独は少数派 成否に注目
・トルコ大統領選 拮抗 投票まで1か月 エルドアン氏 かつてない逆風
・仏大統領 「習氏と核不使用で一致」 ゼレンスキー氏に伝える
・米仏外相が会談 マクロン氏発言釈明か
・ポーランド ウクライナ産穀物 禁輸 EUが関税免除 大量流入に農民反発
・中露の軍事連携強化確認 李国防相、プーチン氏と会談
・米韓空軍110機合同訓練 対北想定

4月19日
・自由で開かれた秩序堅持 G7外相、結束強調 共同声明
・中国「海外警察」2人逮捕 米国内で初 違法に開設、監視か
・法の支配 新興国カギ G7外相会合 対中露 重要性を共有 
・【社説】G7外相会合 確認した結束を実行に移せ
・林氏、サミットへ地ならし G7外相会合 ウクライナ 課題残す
・台湾への立場 変更なし確認 日仏外相会談
・米 欧州つなぎとめ注力 G7外相会合閉幕 インド太平洋 対中抑止へ
・「強烈な不満」 中国、G7共同声明に
・ヘルソン・ルハンスク視察 露大統領 占領地死守 構え
・中露、軍事協力を協議 国防相会談
・露反政権活動家 禁固25年 偽情報流布 言論統制 欧米は非難
・スパイ罪で起訴 米特派員と面会 駐露大使
・安保理 北に対応取れず 中露が反発 機能不全が深刻
・仏、台湾懸念を火消し
・日本海でミサイル演習 露海軍
・G7外相会合 意義と課題 
 元外務次官 藪中三十二氏 対中協働の一体性 確認
 国際大特任教授 田所昌幸氏 新興・途上国 巻き込んで
 米戦略国際問題研究所日本部長 クリストファー・ジョンストン氏 
  議長国・日本 最適の年
・ロシア侵略 考えさせる映画相次ぎ公開
 「独裁者たちのとき」アレクサンドル・ソクーロフ監督 
  指導者を選んだ民衆の責任指摘
 「プーチンより愛をこめて」ヴィタリー・マンスキー監督
  自由を守るため社会は戦う必要

4月20日
・スーダン 自衛隊機 派遣準備 戦闘激化 邦人退避向け
・アフガン教訓 迅速対応 自衛隊機派遣 邦人退避 難航も
・北偵察衛星「期日内に」 金総書記、打ち上げを指示
・防衛財源 必要性を強調 政府 立民は引き延ばし視野 法案審議
・日中関係改善に意欲 二階新会長 林外務大臣の辞任後不在の後任
・露、バフムト攻撃強化 来月 対独戦勝記念日 戦果優先か
・両首脳 戦地視察で「火花」 
 ゼレンスキー氏 前線5キロ先、 プーチン氏 前線150キロ先
・韓国、武器支援の検討示唆 尹氏「民間人虐殺あれば」
・露長距離爆撃機 オホーツク海に 大規模演習の一環
・「露、中国に濃縮ウラン」 米軍司令官指摘 核戦力増強支援か
・中国、改正徴兵条例施行へ 戦時徴収規定 台湾に圧力狙い
・拘束の米特派員 モスクワの裁判所に出廷

4月21日
・パトリオットが到着 ウクライナに初 防空能力向上
・貿易赤字 最大21.7兆円 昨年度 資源高、円安で膨張
・防衛装備移転 指針見直し 25日与党協議 殺傷力容認が焦点
・二階会長就任を歓迎 中国外務省
・パラグアイ 台湾か中国か 大統領選 与野党対決 国交なき中国 農業で切り崩し
・対バチカン 中国の思惑は 香港司教 北京訪問
・ウクライナ産 流通禁止容認 小麦など EU案、東欧諸国に配慮
・露戦争犯罪疑い 8万件超を捜査 ウクライナ検察
・「レオパルト2」 14両を供与へ デンマーク・オランダ
・尹氏が国賓訪米 「拡大抑止」焦点 24日から

4月22日
・露軍が「防衛線800キロメートル」スペイン紙報道 ウクライナ反攻備え
・ウクライナ 農業被害1兆1642億円 キーウ経済大試算 露侵略以降
・尹氏、異例の中露批判 台湾・ウクライナ巡り 米寄り鮮明
・米仏、「台湾」重要性を確認 首脳電話会談 発表内容にズレも
・露太平洋艦隊 司令官が退任 侵略巡る引責か
・米財務長官 訪中の意向 経済協議呼びかけ
・中国企業へ投資 米政府が規制へ
・韓国優遇国除外 緩和へ政策対話 経産省、24~25日
・G7広島サミット 
 核兵器のない世界に向けてーーーー安全への道筋は
 岸田首相メッセージ
 基調講演
  *米核戦略 新たな局面 フラッド・ロバーツ 米ローレンス・リバモア国立研究所
    グローバルセキュリティーリサーチセンター所長
  *被爆地の大学 使命とは 広島大学長 越智 光夫
  *現実的な歩み 探る意義 読売新聞 グループ本社社長 山口 寿一
 被爆者の声
  *「過ち」繰り返させない 被爆証言者 小倉 桂子
  *葛藤から逃げずに議論 広島大 平和センター長 川野 徳幸
 開催記念シンポジウム 核廃絶 理想と課題
 セッション1
  「東アジアの安全保障と核抑止の行方」中国の軍備管理 重要
  *抑止力強化 最善の道 北岡 伸一 東大名誉教授
  *米に注文する時代に 兼原 信克 元内閣官房副長官補
  *米露競争 日本の北で 小泉 悠 東大先端科学技術研究所 センター専任講師
 セッション2 
  「核廃絶への道。実効性ある軍縮交渉とは」同志国増やし協力へ
  *議長国の方向性 大事 五百旗頭 真 元防衛大学校長
  *対中 鍵握る「サウス」 石井 正文 元外務省国際法局長
  *国連が掲げる目標に 樋川 和子 大阪女学院大教授
・避難民1人 高森町に到着 ウクライナで従軍経験 「日本とより強い絆を」

4月23日
・G7、ウクライナ農業支援 食糧安保 連携を強化 農相会合で一致
・北の「衛星」破壊準備命令 落下恐れ 沖縄県内PAC3展開
・千島連盟活動 露国内で禁止 「好ましくない組織」
・ウクライナ反攻 支援加速へ 50か国会合 米欧「防空」「弾薬」に注力
・機密流出 米、信頼回復に腐心
・ロシア人急増 バリ困惑 トラブル続出 退去処分も 招集逃れで渡航か
・強制移送の子 養子に 米報道 露の戦争犯罪容疑者高官
・台湾の編集長 上海で拘束か 
・ノーベル受賞者 刑務所へ ベラルーシ 人権団体創始者アレン・ビャリャツキ氏
・破壊措置準備命令 沖縄県民「北朝鮮に怒り」 自治体は情報収集急ぐ

4月24日
・ウクライナ 反攻準備急ぐ 侵略14か月 大統領、結束呼びかけ
・G7農相会合 閣僚声明を採択 ウクライナの持続可能な農業生産 支援
・G7農相会合 食料高騰 懸念続く 露侵略長期化 供給網なお混乱
・ウクライナ侵略14か月 ウクライナ外交攻勢 露、孤立化回避に注力
 露制圧拡大「局地的」 英国防省
 反攻 情報収集カギ 東大先端科学技術研究センター専任講師 小泉悠氏
・ウクライナ反攻 準備着々 時期・戦力・地域 焦点に
・露西部 地中に爆発物 住民3000人避難 軍機から落下か
・ドイツ外交官 露が国外追放
・PAC3 沖縄に展開開始 北「衛星」打ち上げ備え

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ナンプレ

2023-04-21 00:00:00 | 日記
 妻が、購読紙の日曜版に出ている「パズル&クイズ」の中のクロスワードを熱心に解いていて、たまに「タテのカギ」や「ヨコのカギ」を指さして、ここは何が入るのだろうかと尋ねてくる。

 紙面のクロスワードの下の方には「数独」という別のパズルが出ている。ナンプレとも呼ばれるこのパズルのことはもうずいぶん前から知っていて、何回か挑戦したことがあるので、その解法はだいたいわかっている。

 妻のクロスワードが完成したところで、今度は私が数独を解いてみることにした。久しぶりなので一応、〈ルール〉と〈解き方のコツ〉という所と「例題」があるので、これらに目を通してから始める。

 先ず〈ルール〉から見ると、「あいているマスに1から9までの数字のどれかを入れます。タテ列、ヨコ列(各9列)、太線で囲まれた3X3のブロック(9マスのブロックが九つ)のどれにも1から9までの数字が一つずつ入ります。」とある。これは知っている。

 例題の解き方を見ると、「『この数字はここにしか入らない』という場所を見つけましょう。例えば、例題の右上のブロックで1に注目してみましょう。このブロックではまだ1が入っていないので、どこかに1が入るはずです。3のすぐ上のマス以外では、タテやヨコの列にすでにある1と重複してしまうので『このブロックの1は、3のすぐ上のマスに入る』と決められます」とあっけなく1の入る位置が決まってしまう。

 この解説の必要部分だけを図示すると次のようである。黄色く塗った部分には1は入れない。



 ここだけ見るといとも簡単であるが、こうした簡単に解が判るようなブロックと数字を見つけるのが問題で、慣れると直感的に判るようになるのかもしれないが、初心者には探し出すのに時間がかかる。

 〈解き方のコツ〉には「すぐに見つけられないところは後回しにして、別の数字や場所を探しましょう。」と文章が続く。

 これに従って、例題をさらに続ける。1が確定したこのブロックの中でまだ決まっていない数字2,4,6,7,9の位置を探すと、7もまた1と同様に確定することがわかる。次のようである。


 右上のブロックでは、これ以上位置の確定する数字はないので、別のブロックに移ることになる。こうして、根気よく位置が確定するブロックとその中の数字を探っていくことで、最終的にすべてのマスの数字を埋めることができるというパズルである。

 この例題では、ほかに上段中央、中段左、同中央、同右、下段中央のブロックでも同様に、それぞれ、3、2と3と7、9、5、7(図の赤数字)の位置が確定することがわかる。これらの数字は、あらかじめ配置されている27か所のヒントの数字だけで決定される。9つあるブロックの内、こうして第一段階で確定できる数字が見つかるのは次のように6つのブロックの9か所ということになる。



 これらの確定した数字をマスに追記し、ヒントとなる数字を増やして、改めて同様の操作を繰り返す第二段階に進むことになる。この例題の場合、十段階目で最後の2か所の4を埋めることで、全体のマスを完成させることができた。ちなみに「例題」は毎週同じものが使用されている。



 今回は、すこし分析的に見ていこうと思い、上記のように最初のヒントで決定される数字がすべて決まったら、これらの数字を加えて次のヒントにして、次の段階に進み、以下も同様にしてステップ・バイ・ステップの方法を採ってみた。その結果が10回のステップという結果になった。

 しかし、実際にはもっと早く正解にたどり着くことができる。例えば第三段階は下図の左側ような配置になり、下段中央のブロックの4が確定するが、この時、同時に4のすぐ上のマスには6が確定する(右側の図)。タテの列は4を埋めることでそのすぐ上の空白のマスには6以外の数字が入らなくなるからである。



 ただしかし、今回はこうした一つのマスが確定することにより決まる別の数字はこの段階では入れずに、次まで待つことにして進めた。その結果が十段階ということである。

 ここで6を決定した方法は、購読紙の〈解き方のコツ〉には示されていないが、容易に理解できるものである。

 以前このナンプレに取り組んだときには、鉛筆と消しゴムを片手に行い、次第にマスが黒くなってきていた覚えがあるが、今はパソコンでエクセルに問題を書き写して上記のようにマスに色をつけながら解いていけるので、うっかりミスがほとんどなくなる。ただ、以前のように鉛筆片手に行う方が頭の体操にはいいのかもしれないとは思う。

 このように、この「例題」ではある数字が入ることのできるマスを探す方法と、あるマスに入る数字を探す方法とを組み合わせることで、最終的にすべてのマスを埋めることができたが、別の解説書によればこの2つの方法は初心者のもので、このほかにも初級テクニックには2つの方法があるとされる。

 さらに、中級・上級テクニックもあって、合計14の解法テクニックがこの解説書では紹介されている。14番目のテクニックは「背理法」という名前がつけられていて、「どうしても手を進めることができない場合に使用します。」とある。

 この背理法とは「候補となる数字が少ない(原則2つの)マス」がある場合、「誤った数字を選択した場合は進めていくうちに矛盾が発生します。その場合、選択した数字は誤りとなり、もう一つの数字が正解となります。逆にたまたま選択した数字が正解であれば矛盾は発生しません。」というものである。

 こうした高等テクニックを駆使しなければ先に進めないといった問題も作出されているだろうから、ナンプレはなかなか奥深く、多くのファンがいるのもうなずけるのである。

 ナンプレには世界選手権や全日本選手権もあるそうで、世界選手権の正式名称は World Sudoku Championship(世界数独選手権)だが、公式な日本語名は、商標の関係もあり「世界ナンプレ選手権」となっている。  

 選手権のルールは、制限時間内に何問解けたかを競う「スコアアタック形式」とされる。そうなると、上記の様々なテクニックを駆使して素早く解いていかなければならないということになる。

 さて、例題と解説書で解法が理解できたので、問題に取り組んでみた。先ずは例題の時と同じように、問題に示されているヒントの数字26個をたよりにマスを埋めることにして始めた。もしかしたら、どこかの段階で初級テクニックの2つの方法では先に進めることができないという状況になるかもしれないと思っていたが、実際にはそうしたことは起きず、順を追って進めることで、十二段階目ですべてのマスを埋めることができた。

 一般読者を対象とした問題なので、中級・上級テクニックが必須になるといった問題は出題されていないようである。最終段階の数字の配置は次のようであり、最後に1と5(赤字)を同時に埋めて完成した。背景が灰色のマスは最初に設定されていたヒント26か所の数字である。


 この問題の場合も、各段階で、ある数字が確定すると、連動して別の数字が確定するということが起きる。ステップ・バイ・ステップの場合はこの連動して確定する数字は次に回していたが、そうしないで、どんどん芋づる式に数字を埋めていくと、第六段階で次のように9つの空白のマスが残る。このマスには1,2,4,5、9のいずれかが入るが、4から始まり、9、2・・・と一気に確定していくので前記の方法に比べて少ないステップ数で完成させることができた。



 ところで、購読紙には紹介されていないが、ナンプレとクロスワードとを組み合わせたようなパズル「ナンクロ」(ナンバークロスワードパズル)というものもある。

 義父が晩年ずっとこのナンクロの専門雑誌を購読していて、問題を解いて投稿していたと妻が話してくれた。義母は義父が亡くなった時にこの雑誌と愛用の鉛筆とをそっと棺桶に忍ばせたとも教えてくれた。

 地方都市で開業医をしていた義父は、チョウの採集と標本作りを趣味にしていて、妻や義兄を伴って家族で遠くは石垣島にまで採集旅行に出かけていたという。妻と義兄も採集と展翅に協力し、義母は標本のラベル作りを受け持っていたが、妻がやや成長したある時、「チョウを殺すのは可哀そう、私はもう手伝わない!」と宣言してしまった。

 これをきっかけに、義父はチョウの採集を止め、代わりに伝統こけしの収集や野生のスミレの栽培を始めたというが、その後たどり着いた趣味が「ナンクロ」ということになる。

 私も義父の亡くなった年齢に次第に近くなっているが、チョウの写真・ビデオ撮影とスミレなどの野草をミニ・ロックガーデンで栽培して楽しんでいるので、どちらの趣味にも妻からのストップがかかる心配はない。したがって、まだ今のところ「ナンプレ」や「ナンクロ」にはたどり着いていない。
 
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ウクライナ情勢(4/11~4/17)

2023-04-18 00:00:00 | ウクライナ情勢
4月11日
・中国空母 台湾封鎖訓練 演習3日連続 艦載機 防空圏に 
 発着艦120回 防衛省発表
・尖閣沖領海侵入 即時停止を要求 日中海洋協議
・米機密流出 同盟に影 バイデン政権危機感 韓国政府内の会話 傍受か
 「モサド高官 抗議行動促す」
・露、米欧戦車に対抗部隊 ウクライナの反攻備え
・露強制移送 こども1人救出 ウクライナ慈善団体 治療口実 後絶たず
・アルメニアが米欧演習参加 方針発表、露揺さぶりか
・中国、活動家の旅券没収
・南北定時連絡 不通に ソウル
・松本から平和の歌声 来月、加藤登紀子さん ウクライナ難民支援
・ウクライナ侵略 和平へ議論大切 
 上智大・東教授が新著 「ウクライナ戦争をどう終わらせるか」(岩波新書)

4月12日
・米機密流出 同盟国と協議 政府高官「極めて深刻」
・「ポスト冷戦期が終焉」 外交青書 新興国と連携 強調
・中国「脅威誇張」 外交青書に反発
・国産巡航ミサイル 開発着手 防衛省、今年度から 潜水艦から発射
・【解説】米欧 アフリカ外交攻勢 グローバルサウス支援 中国の影響力に危機感
 二極対立波及 域内で亀裂
・米機密流出 ウクライナ反攻に影響 計画漏洩 一部変更
・露国防相に「安全保証」要請 ルカシェンコ氏 ベラルーシで会談
・米比合同演習スタート 28日まで 台湾有事念頭に最大規模
・北、「多様な軍事行動」可決 中央軍事委 韓国、挑発警戒強める
・中国「生成系AI」規制へ
・「台湾情勢、米追随は最悪」   マクロン氏発言 波及
・米機密文書流出 「露関与か」指摘 大和大・佐々木正明教授

4月13日
・G7広島サミット 「衛星破壊実験」反対へ 外相共同声明案 中露けん制
・米機密 中国関係も流出 米紙報道 極超音速兵器や英空母配備
・中国が台湾北方 飛行禁止区域に
・ウクライナ 露が「燃料気化爆弾」投入 強い爆発力 局地的戦果狙い
・露、招集逃れ阻止へ法改正 上下院可決 令状電子化の規定
・台湾総統選 蔡氏の路線継承 民進党候補に頼副総統 米と連携、中国に対抗
・国際機関参加を 台湾が米と協議 外交当局間
・米比、対中抑止へ協力強化 台湾有事備え 2プラス2合意
・露 がICBM実験「成功」 新START履行停止後初 
・露、「中国の経済的植民地化」恐れ CIA長官指摘 侵略で孤立「オウンゴール」
・ウクライナ側に機密流出を説明 米国防長官と国務長官
・ウクライナへ重機引き渡し JICA、建設用7台
・南部戦区海軍 習氏が視察

4月14日
・北発射 ICBM級か EEZ外落下 新型の可能性  北海道落下予測 Jアラート、訂正
・重要鉱物調達に「行動計画」 G7、経済安保を強化 エネ相会合採択へ
・北発射 固体燃料か 弾道ミサイル 米韓分析 兆候の早期探知難しく 
 Jアラート 速さ優先 「領域内」予測は初
・台湾北方の海域 中国「航行禁止」16日
・【社説】北ミサイル発射 情報伝達体制に不安が残る
・自衛隊根拠 明記巡り議論 衆院憲法審で与野党
・ウクライナ 反攻遅れ 天候など影響 首相「夏までに」
・米にウクライナ 戦闘機供与要求
・露、ISS(国際宇宙ステーション)参加継続 28年まで延長 来年の撤退覆す
・機密流出 米基地の男性 発端か 米紙報道 撮影、オンライン共有
・中国演習 映像で威嚇 規模抑え 効果最大化
・武力統一異論で 軍元幹部失脚か
・蔡総統を訪問  米議員に制裁 中国外務省
・台湾の現状変更 仏大統領認めず 
・ナワリヌイ氏に刑務所内で毒か
・半導体製造装置 販売額最高 世界で 中国減、米輸出規制影響か
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ヒメギフチョウ2023

2023-04-14 00:00:00 | 
 恒例の春のフキノトウ収穫の時期になったと妻の友人のMさんからお誘いがあり、群馬の畑に出かけたがフキノトウはすでに伸びきっていた。食べごろのものを探して少しだけ収穫して持ち帰り、今年はフキミソは諦め、てんぷらだけを味わった。

 この畑の近くの農家の庭先には、枝垂れ桜の立派な樹があり、また少し離れてはいるがカタクリの里もあるので、昨年は行き帰りの途中に立ち寄り花を楽しんだのであったが、今年はどちらもすでに盛りを過ぎていて、昨年同様の美しいサクラやカタクリの花を見ることができなかった。今年は昨年よりも春の到来が10日ほど早いと感じられた。

 そういえば、昨年訪れた東御地区のヒメギフチョウは今年はどうだろうか、すでに羽化しているのではないだろうかと気になって、早めに出かけることにした。昨年は4月13日、17日、20日に出かけ、カタクリの花やオオタチツボスミレの花で吸蜜するヒメギフチョウを撮影できたし、その後もウスバサイシンに産卵する様子を観察・撮影したのであった。

 今回、現地駐車場所に行ってみると、すでに先客の車が3台止まっていて、その内の1台からちょうど3人が降りてくるところであった。男性は大型レンズを装着したカメラをもち、迷彩色の服を着ており、同行の女性とその母親らしき2名は、「しばらく周辺を散歩しましょう」と言って歩き始めた。

 カタクリの花はそろそろ見ごろになっていたが、昨年に比べると株数が少ないように感じられた。先に来ていた2名の男性は、思い思いの場所に腰かけて、じっとヒメギフチョウが飛来するのを待っているようであった。私より少し先を歩いて行った迷彩服の男性は周辺の林の中を、足元を探るようにして歩き回っていた。

 カメラを抱え腰かけている男性の一人に声をかけると、「今日はまだヒメギフチョウはまったく飛んでこない・・・」との返事が返ってきた。

 もう一人に聞いても、「すでにヒメギフチョウは発生していて、下の方で見ることはできるが、このカタクリの花にはやってこないんです。今年は数が少ないようです・・・」という。

 二人ともカタクリの花で吸蜜するヒメギフチョウの姿を撮影することが主目的で、シャッターチャンスが来るのを辛抱強く待つ構えと思えた。

 そこまでのこだわりのない妻と私はこの場所でのチョウの撮影はあきらめて、咲いているカタクリの花と、葉が開き始めたウスバサイシンの株や周辺に沢山咲いているオオタチツボスミレの写真を撮りながら、駐車場所の方に戻ることにした。


カタクリの花(2023.4.5 撮影)


葉が伸び始めたウスバサイシン(2023.4.5 撮影)


満開のオオタチツボスミレ(2023.4.5 撮影)

 私たちも、駐車場所からカタクリの咲いているところまで来る途中で、足元を飛ぶヒメギフチョウの姿を見ていたので、そこまで戻ってとりあえず今日の証拠写真を撮影しておこう思ったのであった。

 カタクリの花のある場所と違って、山道には枯れ葉や枯れ草が積もっていて、周辺を飛び回っていたヒメギフチョウが舞い降りて道の上に止まったのを見定めて近寄っていくが、保護色でなかなか見つけることができない。

 気が付くとすぐ足元に止まっていた。

山道の落ち葉の上に止まるヒメギフチョウ(2023.4.5 撮影)

 さらに道を下っていくと別の個体が現れ、しばらくあたりを飛び回っていたが、やがてオオイヌノフグリの花に止まり吸蜜を始めた。よく見ると、この個体の右側後翅には異常が見られた。赤色や橙色の文様が左側に比べ不鮮明で、尾状突起も欠損している。しかし飛翔には影響がないようで、この後飛び立って別の花の方に移動していった。
 
オオイヌノフグリで吸蜜中のヒメギフチョウ(2023.4.5 撮影)

 ヒラヒラと飛んで行った先にまだ花が咲き残っている梅の木があり、そこにとまって吸蜜を始めた。この時、カタクリの咲いている場所でじっとヒメギフチョウが来るのを待っていた男性の一人も加わり、妻と3人で撮影会になった。

 翅表から見ても、やはりこの個体の右側後翅には異常が見られる。

咲き残るウメの花で吸蜜するヒメギフチョウ(2023.4.5 撮影)

 童謡の歌詞のように、梅の花に飽きたチョウは続いて、梅の木の根元に植えられているラッパスイセンの花に止まった。 

ラッパスイセンの花に止まるヒメギフチョウ(2023.4.5 撮影)

 この日はこうして、カタクリの花ではなかったが3種の花に止まるヒメギフチョウの姿を撮影することができ、この場を後にした。

 ここで、昨年同じ場所で撮影したヒメギフチョウの卵と孵化後の幼虫の様子を紹介しておこうと思う。昨年の当ブログ「山野で見た蝶(12)ヒメギフチョウ」(2022.4.22 公開)では産卵するところまでの紹介であったが、その後も現地に通って、産卵後の卵と孵化後の幼虫の姿も撮影してあった。以下では3か所のウスバサイシンの株(A、B、C)について追った写真を紹介する。

 次の写真は、株Aで2022年4月17日~5月10日までの変化を追ったものである。同じ葉の2か所に9個と7個の卵が産み付けられていたが、先に9個の卵から9匹が孵化し、卵の殻のすぐそばで葉に小さな穴をあけて食べ始めていた。翌日には続いて7個の卵から4匹が孵化した。1週間後に行った時には、この4匹は先に孵化していた9匹の幼虫に合流するようにして集団を形成していたが数は11匹に減り、さらに6日後には9匹に減り、集団で隣の葉に移動していた。
 
ウスバサイシンの葉裏に産み付けられたヒメギフチョウの9個と7個の卵からの孵化(2022.4.17~5.10 撮影)

 次は、先のブログ(2022.4.22 公開)で産卵シーンを紹介した株Bの18個の卵のその後の様子を追ったものである。産卵後約2週間で卵の中に黒いものが見られ、孵化が近いと思われた、1週間後に行った時にはすでに16匹が孵化して卵の周辺におおきな食痕を作っていた。さらに1週間後には幼虫はの数は15匹になっていた。

ウスバサイシンの葉裏に産み付けられたヒメギフチョウの18個の卵からの孵化(2022.4.20~5.18 撮影)

 次はウスバサイシンの株Cに産み付けられた14個の卵について。最初に写真を撮影した4月17日時点で、卵の間隔が広くなっていて、すでに産卵後時間が経っていることがわかる。


ウスバサイシンに産卵後やや日数の経ったヒメギフチョウの卵(2022.4.17 撮影)

 1週間後の4月26日には12個の卵の中に黒い斑点が見られるようになり、翌日27日には12匹の幼虫が孵化し、卵のあった場所近くに丸い食べ痕ができていた。

孵化前日のヒメギフチョウの卵(2022.4.26 撮影)

孵化直後の1齢幼虫(2022.4.27 撮影)

 さらに1週間後に訪れたときには、食痕の穴は3倍以上に広がっていたが、幼虫の姿は消えていた。周辺の葉も調べてみたが幼虫を見つけることはできなかった。4月27日の段階で孵化していなかった2個の卵はそのままで幼虫が出てきた様子はなく、表面にくぼみが認められた。

 この幼虫たちはどこへ行ってしまったのか。天敵に食べられてしまったのか、それとも・・・。

孵化後1週間、幼虫の姿が消えてしまった(2022.5.4 撮影)

 昨年の撮影経過は上記の通りだが、観察・撮影は5月中・下旬で中止した。現地が草深くなり、近寄りにくくまたマムシの生息域でもあるので、用心のためでもあった。

 今回紹介した3株のウスバサイシンの葉裏に産み付けられた合計48個の卵からは41匹の幼虫が孵化した。孵化率は85%強である。1週間おきの現地での観察・撮影なので詳細はわからなかったが、孵化後2週間以内に幼虫は脱皮し2齢になっていた。2齢幼虫の中には以下の写真に見るように臭角を見せるものもいた。この頃までの生存率は50%ということになる。

 昨年はこのように途中までになったが、今後今シーズンはもう少し詳しい観察・撮影を、できれば3Dビデオにより行ってみたいと考えている。


周囲に脱皮した殻が残っているので2齢になったと思われる(別のウスバサイシン株Dで 2022.5.10 撮影)

ウスバサイシン株Aの2齢と思われる9匹の幼虫(2022.5.10 撮影)


 

 


 
 





 

 
 

 


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