軽井沢からの通信ときどき3D

移住して10年目に入りました、ここでの生活と自然を写真と動画で発信しています

ウクライナ情勢(8/22~8/28)

2023-08-29 00:00:00 | ウクライナ情勢
8月22日
・処理水 24日放出 最終調整 政府きょう決定 福島第一 
 首相、全漁連と面会 理解求める
・首相「風評対策責任持つ」 処理水放出 漁業者への配慮 強調
・中国 日米韓会談に反発 「内政に干渉」 東シナ海演習予告
・米韓軍事演習始まる
・「法の支配」強化セミナー 外務省 インド太平洋の外交官招く
・東ティモールに陸自15人を派遣 
・グアテマラ 対中接近へ 新大統領にアレバロ氏 外交転換「台湾と両方」
・ウクライナにF16表明 オランダとデンマーク
・露の戦略爆撃機 破壊 ウクライナ 基地を無人機攻撃 現地報道
・深層NEWS スウェーデン製戦闘機(グリペン) ウクライナに好都合

8月23日
・処理水あす放出開始 首相表明 漁業者支援に全力 福島第一 期間30年見通し
・北「衛星」発射24~31日 政府に予告 沖縄通過 警戒
・東電、風評被害は賠償 水産・観光業など想定
・政府、風評対策を強化 消費拡大、買い控え防止 
 韓国「問題なし」
・ニュースQ+ 処理水なぜ放出 廃炉実現へ 避けて通れず
・香港は禁輸発表
・「24日」内外に配慮 処理水放出 漁期前にデータ公表・韓国の事情
・中国、対抗措置示唆 大使呼び抗議
・【社説】処理水放出 万全の態勢で風評被害を防げ
・処理水放出 与党支持 野党 立場割れる
・BRICS拡大を議論 中露、米欧に対抗狙う 首脳会議開幕
・露、無人機で集中攻撃 ウクライナも露本土に
・プリゴジン氏 アフリカで活動か 反乱後初 動画に顔
・F16操縦士訓練 ギリシャが支援 ウクライナ
・露の月探査失敗 エンジンが原因
・約3年半ぶり 北から(北京に)国際線
・視点 ウクライナ危機 アフリカ 西側議論と距離 リビア介入 残るしこり
 東京外国語大学・現代アフリカ地域研究センター長 竹内進一氏
・北「衛星」沖縄憤り バスケW杯関係者 「容認できない」
・処理水放出へ 地元「安全へ緊張感を」 輸出業者「信頼へ努力」
 飲食店や消費者 冷静に受け止め
 海外に復興PRを 過度な恐れ 不要

8月24日
・空港・港 有事備え整備 戦闘機や護衛艦 対応 政府計画原案 
 南西諸島・九州・四国に重点
・「武器搭載で輸出可能」 救難や警戒、政府見解
・処理水 午後1時放出 初回7800トン 17日かけ
・流通業に風評対策要請 政府 福島産など販売促進
 検疫 中国に撤回要請
・日本と対話継続 最新情報を入手 太平洋諸島フォーラム
・侵略1年半 露・ウクライナ 無人機応酬 露側「民間施設狙い」3500機
・ベトナム主席と山口代表が会談 関係強化で一致
・ウクライナ侵略1年半
 戦禍の街 3D保・・学校・生徒「市民の歴史」、崩れた文化財 再現、保全・修復に有効
 反転攻勢 阻む要塞・・「塹壕」「竜の歯」に苦戦、部隊分断防御側有利、長期戦想定外交に力
・反攻 越年も ウクライナ3つのシナリオ
 ①春に持ち越し 10月頃 移動困難に
 ②クリミア分断成功 露、「核威嚇」強化も
 ③支援疲れ 停戦交渉再開へ 露の思惑通りに
・露スロビキン氏 司令官を解任か 反乱以降 消息不明
・ゼレンスキー氏 歴訪の成果誇示 欧州首脳と会談
・BRICS会議 ブラジル 戦争に苦言 インド、露と距離感苦慮
・中国博覧会に北出展 4年ぶり 貿易正常化動きか
・米中首脳 インドで会談も 来月 バイデン氏G20出席へ
・台湾オブザーバー 中米議会が取り消し 中国の加盟認める
・ミサイル想定避難訓練 ソウル
・中国規制 業者に打撃 処理水放出 生鮮品 事実上の禁輸
・【解説】首脳会談共同声明 日米韓協力 対中も明確に 継続へ枠組み「制度化」

8月25日
・北「衛星」再び失敗 Jアラート発令 沖縄を通過 EEZ外落下 「10月に3回目」予告
・プリゴジン氏死亡か 飛行機墜落
・処理水 放出開始 福島第一原発 完了まで30年 初回7800トン
・中国、日本の水産物禁輸
・日米韓連携 金正恩氏焦り 「衛星」打ち上げ 再び失敗 「最優先課題」の成果急ぐ
・BRICS加盟国拡大 来年1月 イランなど6か国
・福島第一廃炉へ一歩 デブリ取り出し難関
・IAEA「安全性の評価 継続」
・ソウル抗議デモ 大学生16人逮捕 日本大使館のビル侵入
・中国禁輸 根拠なく 処理水放出 日本「極めて遺憾」 
・最大の輸出先 漁業者不安
・【社説】処理水放出 廃炉作業を進める転換点に
     北「衛星」失敗 独裁体制のゆがみが露呈した
・与野党 中国の非難相次ぐ 日本の水産物禁輸 「一方的 腹立たしい」
・露政権 反乱に報復か プリゴジン氏 ワグネル側「撃墜された」
 「裏切り許さぬ」メッセージ 戦闘員反発 国内緊迫化も
・BRICS拡大 途上国に影響力狙う 米欧に配慮 インドは慎重論
・インド探査機 月着陸 4か国目、南極は初
・北「衛星」 米、ICBMに危機感 開発加速 「露が技術提供」分析
・基礎からわかる原発処理水 IAEA「国際基準に合致」
 放射性物質装置で除去、貯蔵タンク来年にも満杯、政府不安解消へ基金、韓国容認 中国は反対
・「常磐もの」守る覚悟 処理水放出 地元漁師 危機感の中操業
 近隣業者「需要、十分にある」、「より一層応援」首都圏消費者 
 福島県漁連会長「不安が増した」
・飛翔体「いいかげんにして」 北発射 沖縄 不安と怒り
 
8月26日
・プリゴジン氏を「哀悼」 プーチン氏、死亡認める 「人生で重大な過ちを犯した」
・処理水放出 トリチウム異常なし 東電分析 周辺海域10地点
・民生9分野 防衛活用へ 自律化やAI 政府、開発を推進
・中国禁輸撤廃へ政府攻勢 処理水放出巡り IAEAと連携「孤立化」狙う
・中国 水産物購入・加工・販売禁止
・魚介類の検査 政府着手 トリチウム 安全性アピール 日本語と英語 毎日結果公表
・米原子力学会が 処理水放出支持 「廃炉に不可欠」
・「廃炉を着実に」 東電会長に要望 経産相
・【社説】水産物の禁輸 中国は不当な措置を撤回せよ
     プリゴジン氏 不可解な死が示す露の異常さ
・BRICS拡大 中国主導 首脳会議閉幕 人民元の国際化 思惑か
・「一帯一路」覚書 習氏、新興国首脳と会談
・中印首脳が接触 緊張緩和で合意 国境問題
・G20 プーチン氏欠席へ 首脳会議
・中国各地で 塩買い占め 処理水放出受け
・プリゴジン氏 墜落 機内に爆発物か 米報道 米欧政府の初期分析
・子供連れ去り ロシアを批判 米欧や日本
・日印協力 未来へ進化
・G20 共同声明見送り 貿易相会合 ロシアのウクライナ侵略巡り意見に隔たり
・【解説】パリパラ開幕まで1年 露資格停止 問われる判断 IPC 個人参加検討へ
     パリ 最もすばらしい大会に
・与那国島・台湾間 中国無人機通過 
・F16 操縦訓練 米、9月開始 数十人受け入れ
・クリミアに一時上陸 ウクライナ特殊部隊

8月27日
・【地球を読む】 米インド関係 深まる対話 同盟は困難 ジョセフ・ナイ(国際政治学者)
         連携の根底に対中懸念
・処理水放出 魚トリチウム出ず 水産庁 周辺海域 初検査
・中国 水産物禁輸 政府、ホタテ貝追加支援へ 国内加工・販路の開拓
・はま寿司、中国で日本産使用中止
・公明・山口代表 中国訪問延期
・露、無人機1機を撃墜 モスクワ 主要3空港 一時停止
・ニジェール クーデター1か月 米の仲介「不発」 
 中露の対処優先 アフリカ軽視響く
 露情報戦 ワグネル浸透
・訪中延期 中国の反発 予想以上 山口氏「大局的な対話」ならず
・金門島民「中国と交流を」 台湾の「最前線」砲撃65年
 インフラ依存 旅行者減に不満
・中国軍20機 防空圏侵入 一部は本島回り込む 台北
・イラン 新型無人機公開 「モハジェル10」 商機拡大狙う
・北の再発射 中露擁護 安保理 日米欧などは非難
・墜落前 プリゴジン氏に警告 ルカシェンコ氏、プーチン氏関与否定的
・【本 よみうり堂】ウクライナ動乱 ソ連解体から露ウ戦争まで 旧ソ連圏内の変動今も
 松里公孝著 ちくま書房

8月28日
・海水 トリチウム出ず 環境省など
・処理水 多重の安全管理 流量24時間監視 現場は毎日確認
・嫌がらせ続発 中国側に「憂慮」 外務省申し入れ
・中国日本人学校に投石 無言電話・卵投げ込みも
・北国境開放 往来再開 3年7か月ぶり 中露航空便も
・ウクライナ軍機 空中衝突 戦闘任務中 有名操縦士ら3人死亡
・プリゴジン氏 露が死亡確認 DNA鑑定
・カンボジア 親中踏襲 経済投資に依存・語学教育も フン・マネット新首相
・露戦闘員に「忠誠」義務 大統領令 ワグネル念頭 統制
・エストニア首相に辞任圧力 対露強硬派 夫が露事業に関与

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山野で見た蝶(15)クロツバメシジミ

2023-08-25 00:00:00 | 
 山野といってもこのクロツバメシジミを初めて見たのは、小諸のMさんが管理しているバタフライガーデンでのことである。

 このガーデンの一角にクロツバメシジミの食草ツメレンゲが植えられていて、そこで自然に繁殖を繰り返している様子を観察し、撮影させていただいた。

 Mさんのバタフライガーデンにはオオムラサキの絵が描かれた看板があり、ここにアサギマダラの飛来地であること、オオムラサキやミヤマシジミの繁殖地であることが表示されていて、こうしたチョウの保護や観察機会の提供に力を入れていることが伺われるのであるが、これらメジャーともいえる種のほかにも、本種のように地味で目立たないチョウの繁殖支援にも力が注がれている。

 このバタフライガーデンには、時々お邪魔しては、花に集まってくるチョウの撮影をさせていただくのであるが、春先に立ち寄った時、クロツバメシジミの食草のツメレンゲを種子から増やしているところを見せていただいた。こうして食草を絶やさずに育てていくことで、これを頼りに生きている種を守っているのである。

 いつもの「原色日本蝶類図鑑」(横山光夫著 1964年保育社発行)を見ると、クロツバメシジミは長野県上田市で発見されたことが、次のように紹介されている。

 「発生地はきわめて小区域に極限され、一見『やまとしじみ』に類似した蝶である。長野上田において1919年初めて発見され、その後、島々谷・上高地・松本付近からも見いだされ、関東ではわずかに秩父・栃木に知られるにすぎない。・・・幼虫はイワレンゲ・ツメレンゲなどを食べ、これらの繁茂する岩肌地帯や、時には藁葺・瓦屋根などにも発生しその付近を離れず、不活発に飛翔する。発生は年3回、5・7・9月に発生、終齢幼虫で越冬する。」

 また、「信州 浅間山麓と東信の蝶」(鳩山邦夫・小川原辰雄著 2014年信州昆虫資料館発行)によると、この地方での分布が次のように記されていて、発見地域だけに生息数は比較的安定しているとされる。

 「東信地方では比較的広範囲に生息し、地域変異の研究のため各地で調査されており、記録も多い。・・・全般的には個体数の目立った増減は認められない。環境省レッドリストで準絶滅危惧種、長野県版では留意種に区分されている。」

 クロツバメシジミは人家周辺から低山地で見られるとされるが、発生源に生育する食草のツメレンゲ・イワレンゲ・タイトゴメ・マンネングサ(ベンケイソウ科)をあまり離れず、付近をちらちら飛翔し、すぐとまるという。

 妻と私が訪問したこの時にも、ツメレンゲの周辺を飛び回っては止まるという動作を繰り返して、確かに遠くに飛び去るということはない。写真撮影も容易であった。

 とても小さな種で、ヤマトシジミやツバメシジミに似ているが、和名の由来になっている通り翅表が一様な黒色で、細く短い尾状突起があることでこれら2種とは区別される。また、翅を閉じていても、斑紋の配置や色でも区別が可能である。



上から、ヤマトシジミ、ツバメシジミ、クロツバメシジミ

クロツバメシジミ(2022.8.30 撮影)

 
食草のツメレンゲに止まるクロツバメシジミ(2023.8.16 撮影)


食草のツメレンゲに止まるクロツバメシジミ(2023.8.16 撮影)

 
食草のツメレンゲに止まるクロツバメシジミ(2023.8.16 撮影)


食草のツメレンゲに止まるクロツバメシジミ(2023.8.16 撮影)


食草のツメレンゲに止まるクロツバメシジミ(2023.8.16 撮影)

食草のツメレンゲに止まるクロツバメシジミ(2023.8.16 撮影)

食草のツメレンゲに止まるクロツバメシジミ(2023.8.16 撮影)

小石に止まるクロツバメシジミ(2023.8.16 撮影)

食草のツメレンゲに止まるクロツバメシジミ(2023.8.16 撮影)

コマツナギの枝先に止まるクロツバメシジミ(2022.8.30 撮影)

食草のツメレンゲに止まるクロツバメシジミ(2023.8.16 撮影)

食草のツメレンゲに止まるクロツバメシジミ(2023.8.16 撮影)


ロックガーデンの石に止まるクロツバメシジミ(2023.8.16)

 写真撮影はすべて「バタフライガーデン」で行った。園内の一角にクロツバメシジミの食草ツメレンゲが植えられているので、そこに行けば比較的容易に見つけ、撮影することができる。

 特にこの種は食草を遠く離れることが無いとのことで、M氏が生育場所を広げようと、10mほど離れた場所にもツメレンゲを植えているが、まだこの新しい場所での繁殖は見られないという。前述の、「発生地はきわめて小区域に極限され」るというのも頷ける生態である。

 「フィールドガイド 日本のチョウ」(2013年、誠文堂新光社発行)や「日本産蝶類標準図鑑」(2011年、学研教育出版発行)に掲載されているクロツバメシジミの国内分布図を見ても、離散的であり、その特異な状況が理解される。

 次の概略図からもわかるように、日本産は大きく3つの個体群に分けられるとされる。その外観上の差は裏面の色や紋の形状と配置の違いによる。日本産蝶類標準図鑑にはこうした違いを示すために、各産地の標本写真が多数掲載されているが、私には複雑すぎて容易には理解できない。


クロツバメシジミの分布地図(前出の2著書を参考に筆者作成)

 こうした地理的変異に関し、ウィキペディアには「日本舞踊師範の藤間勘左はそういった本種の差異を研究している」(最終更新2020年8月31日)と紹介されている。

 ところで、クロツバメシジミの撮影をさせていただいた、M氏の「バタフライガーデン」からさらに奥の方には、住民有志が、荒れ放題になっている里山に手を入れることで、花が咲き 蝶が舞う 憩いの森を再構築しようと立ち上がり、長野県の支援を受けるなどして、「ぬかじ(糠地)憩いの森」を作っている。

 みはらし交流館にはパンフレットが用意されていて、次のように記されている。

 「蝶の保全活動 オオムラサキやゴマダラチョウの生息域保護のための食餌樹エノキ、クヌギやナラの植樹、絶滅危惧種の蝶の保全活動を推進しています。タテハチョウの多くは森の中で成虫で冬越しをします。蝶の棲む里山は豊かな自然の環境づくりが欠かせません。」



蝶の保全を目指す糠地地区里山整備利用推進協議会のパンフレットから

 アサギマダラのマーキング調査はすでに行われていて、「糠地郷蝶の里山会」ではアサギマダラの吸蜜植物フジバカマを育て、バタフライガーデンと水石蝶の里では飛来地整備を行っている。調査結果はこうした活動の中核となっている「大阪市立自然史博物館・昆虫研究室」に報告され、データとして登録されるシステムが確立されている。秋の飛来シーズンには毎年3000~4000頭のアサギマダラが立ち寄るとされる。

 このほか、ヒメギフチョウなども視野に入っているようで、今回紹介したクロツバメシジミも加えた、蝶の食草エリアの完成とチョウの定着が楽しみである。


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ウクライナ情勢(8/15~8/21)

2023-08-22 00:00:00 | ウクライナ情勢
8月15日 
・ウクライナ 大規模反攻「一定の成功」 南部2戦線「前進果たす」
・露、黒海貨物船に臨検実施 警告射撃で停戦 穀物輸出をけん制
・「目立たぬ訪米」演出 台湾副総統 米、過度な中国刺激避ける
 中国反発 対抗措置も
・【社説】終戦の日 ウクライナが示す平和の尊さ 抑止力強化が侵略を未然に防ぐ
・中国「風刺展」中止要求 ポーランド国立施設に 主催者「内政干渉」反発
・北、台風で堤防決壊 金正恩氏視察 農地冠水を叱責
・米韓合同演習 訓練内容強化 21日から、宇宙軍参加
・経済安保やAI 協議体 日米韓首脳会談 議題に
・王毅外相 アジア3国(シンガポール、マレーシア、カンボジア)訪問 首脳らと会談
 協力拡大を約束
・米 ドローン基地 存続危機 ニジェール運用認めぬ構え クーデター部隊
・戦後78年 戦争でゆがんだ言葉
 ウクライナ 誰もが心に傷 日本文学研究者 ロバート・キャンベルさん
 日常と戦場に区切りなく ノンフィクション作家 堀川恵子さん

8月16日
・平和の誓い 新た 終戦78年 戦没者追悼式 「深い反省」陛下お言葉
 台風影響 800人欠席
・韓国ネット報道「事実無根」 官房長官、処理水巡り
・NPT総括案 見送り「残念」 松野官房長官
・露、ウクライナ西部攻撃 リビウなど 米欧の武器支援 妨害か
・露が国際安保会議 中印など90か国招待 支持拡大図る
・米制服トップ 海軍も不在に 上院承認遅れ
・ウクライナ支援 米が2億ドル追加
・NPT準備委 識者に聞く
 米露の対話再開 必要 国際NGO「ウィーン軍縮不拡散センター」事務局長 エレナ・ソコバ氏
 対立の構図 複雑化も 一橋大学教授(国際政治) 秋山信将氏
・台湾副総統 成果アピール 「パラグアイが関係維持」
・日本産規制7か国・地域に減少 食品輸入 スイス・リヒテンシュタイン撤廃
・露、追加利上げ12%に ルーブル下落、臨時会合

8月17日
・ガソリン181円超 補助金減、円安 15年ぶり高値
・日米韓閣僚会談 定例化 首脳会談で合意へ 外相や防衛相
・ウクライナ 「終戦 来春でもない」 副首相 長期戦呼びかけ
・北拘束の米兵 「亡命を希望」 北報道
・日カナダ 安保協力強化 共同訓練調整 中国・北の抑止図る
・山口氏 ASEAN歴訪へ 対中念頭 地域安定化訴え
・露、国産無人機を配備 イラン製から「自給自足」へ 英分析
・露マリ首脳が電話会談 ニジェールのクーデター巡り
・ウクライナ クリミア大橋攻撃 認める 7月17日、無人艇使用
・パラグアイ 台湾と外交維持 表明 ペニャ大統領就任式で
・台湾副総統 「独立宣言は必要ない」 米との連携重視示す
・中露国防相が会談
・ラトビア国境警備強化

8月18日
・日米韓 供給網情報を共有 首脳会談合意へ 半導体不足時 経済安保を強化
・「人道回廊」貨物船が出港 ウクライナ 露の合意離脱後初
・「北、ICBMで挑発準備」 韓国情報機関 日米韓会談に合わせ
・対中輸出8か月連続減
・ウクライナに地雷除去支援 政府 国際会議でアピール
・防衛装備品輸出 自公非公式会合 議論再開23日
・中国国防相 「ベラルーシと協力 実行」 ルカシェンコ大統領と会談
・南アジア首脳ら 王毅外相と会談
・中国に北選手団 国際大会派遣か
・サンフランシスコに台湾副総統立ち寄り 米窓口トップと会談
・深層NEWS ワグネルが会社登記
・沖縄と宮古島間 中露艦艇が通過

8月19日
・日米韓安保「新たな高み」 3首脳合意へ 長期協力指針も
・日米、対中連携確認へ 首脳会談 新ミサイル共同開発
・日米韓 対中政策も重視 首脳会談 半導体など経済安保
・島民避難に巡視船 調査 海保、台湾有事に備え
・中国 日本産魚類34%減 7月輸入 「放射性」検査影響か
・「北人権侵害」 非難相次ぐ 6年ぶり安保理公開会合
・【社説】食料安全保障 法整備で危機への備え万全に
・自衛官 待遇改善に本腰 防衛省 定員割れ続き危機感
・日ASEAN 関係強化一致 公明・山口代表
・米、歴史的舞台で厚遇 「日韓重視」キャンプデービッド
 3か国協力の転換点
・台湾副総統 外遊成果を強調 米に配慮、中国への刺激回避
 副総統立ち寄り 中国は批判
・習氏 21日から南ア訪問 秋の首脳外交 本格化
・ウクライナ軍 南部戦線に精鋭部隊 英戦車など装備 メリトポリ奪還狙う
・モスクワ中心部 再び無人機攻撃
・「人道回廊」利用船 トルコ着
・露イラン首脳 電話会談
・深層NEWS 露電子戦「能力高い」 
・中国海警船4隻 尖閣領海に侵入

8月20日
・日米韓協力「新時代」 首脳会談 同盟の連携強化 
 朝鮮半島・台湾念頭 有事に迅速協議
・処理水放出 首相「判断の最終段階」 きょう福島原発視察
・尹氏「IAEA調査を信頼」
・拉致問題解決へ 「友に取り組む」 バイデン氏
・協力拡大 対中強く意識 日米韓会談 防衛や経済安保
・処理水 国際理解広がる 偽情報対策 米大統領と議論
・台湾周辺で 中国が演習 「米立ち寄り」対抗
・北ミサイル情報 即時共有テスト 日米韓が実施
・日米と米韓 連結 首脳会談 平時・有事 重層的に対話 政権変わっても維持 課題
・【社説】日米韓首脳会談 世界に示した揺ぎない結束 安全保障協力を新たな次元へ
・日米韓首脳会談 首相、外交成果強調へ 支持率回復の糸口に
・日米韓首脳会談 与野党から評価
・米「あらゆる能力」で関与 日米首脳会談 日本防衛を確認
 「次官戦略対話」今秋にも開催
・日米韓首脳会談 識者の見方
 協力の効果 早期実現を 元韓国駐日大使 申ガクス氏
 会談の定例化合意 重要 米外交問題評議会上級研究員 シーラ・スミス氏
 北へ抑止強化 結束誇示 元駐米大使 藤崎一郎氏
・尹政権 外交力を強化 日米と連携重視 インド太平洋戦略 視野
・兵士死傷50万人迫る 米紙報道 露とウクライナで
・露の人権団体 解散命令 モスクワの裁判所 批判勢力弾圧強化か
・北・中・露のリスク抑制 元韓国大統領府 国家安保室第2次長 金ヒョンジン氏
・対北の「核の傘」 米韓協力で合意
・習氏と会談「秋に期待」 バイデン氏
・西サ諸島で中国 新たに滑走路 香港紙報道
・露艦 対馬海峡を通過

8月21日
・処理水 月内放出へ最終調整 首相、福島原発を視察 全漁連と面会 きょうにも
・首相 米から帰国
・クリミア大橋爆発 「外国の協力得ず」強調 ウクライナ 情報機関長官「関与」
 露基地に無人機攻撃 モスクワ標的相次ぐ
・中国、日本産生鮮魚半減 7月輸入 クロマグロ6割減
・露探査機 月に衝突 着陸計画は失敗に
・首相、不安解消に注力 「処理水」原発視察 「覚悟」「緊張感」東電にクギ
・海洋放出 監視容易・国内外に実績
・【社説】中国と南太平洋 影響力拡大への警戒が必要だ
・ロシア経済に「将来はない」黒田・日銀前総裁 京都市内で講演
・ウクライナ徴兵逃れ続発 反攻へ動員強化 偽装出国・汚職 摘発に力
・露、出稼ぎ労働者に触手
・戦闘機 スウェーデン製供与協議 ゼレンスキー氏、首相と会談
・中国の台湾演習 米「圧力やめよ」 国務省報道官声明

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ワイングラス

2023-08-18 00:00:00 | ガラス
 私どもが開いているアンティークガラスショップの主な商品はというと、やはりワイングラスということになる。普段使いできるアンティークと謳っているが、100年程度以上前に作られた古いものだけではなく、もう少し新しい時代の、いわゆるヴィンテージ品も加えるようにしている。

 扱っているガラス器全体で見ても、ドリンキングアイテムが中心になり、それ以外の商品と言えば、食器ではボウルやディッシュ(皿)、それにコンポート(脚つきの皿)などが少し加わる程度である。ベース(花瓶)、オーナメント(装飾品)も含まれるがやはり数は少なくなる。

 ドリンキングアイテムにも、様々なものがあり、ワイングラスのほかにも、デカンタやピッチャー、アイスバスケットをはじめとして、用途ごとに大きさやデザイン、色の異なるグラス類があって、膨大な種類のものが世界中のメーカーで作られてきているので、ショップで紹介できるのはその中のごくごく一部である。

 手元にあって、ヴィンテージ品の調査時の参考にしている本に「世界のガラス器」(JTBのMOOK リビングアート・シリーズ2、1991年発行)があるが、ここにはドリンキングアイテムコレクションとして、ウォーターフォード クリスタルやバカラに始まり、当時日本で買うことのできた、内外の32社の代表的なグラス類が紹介されている。


「世界のガラス器」(JTBのMOOK リビングアート・シリーズ2、1991年発行)の表紙

 これらドリンキング・グラス類を用途で分けると、ワイングラス、リキュールグラス、シェリーグラス、ゴブレット、シャンパングラス(フルート型、クープ型)、ウィスキーグラス、ブランデーグラス、タンブラーなどがあり、各メーカーから販売されていて、名前が付けられた商品群にも、それぞれこうした用途に応じたものが揃っている。

ウォーターフォード社のドリンキング・アイテム製品紹介例(「世界のガラス器」より)

 こうした名の知られたグラス類は近・現代の物ではあるが、顧客の要望に応えるべく、ある程度は品ぞろえをするように心がけて、集めている。

 国内メーカーであるHOYAクリスタル、カガミクリスタル、佐々木ガラス、カメイガラス製のグラス類もこの本では紹介されていて、こうした商品も気に入ったものがあれば、見つけては入手するようにしている。ただ、4社のうちHOYAクリスタルとカメイガラスは今は存在していない。
 
 「世界のガラス器」で取り上げられているメーカーとその代表的な製品の一部を紹介すると次のようであり、それぞれの名前のついた製品中にワイングラスが含まれる。

・ウォーターフォード クリスタル(Waterford Crystal、アイルランド)
 「アラーナ」、「ムーンコイン」、「リズモア」、「コリーン」
・バカラ(Baccarat、フランス)
 「ダッサス」、「ツアー」、「アルクール」、「マッセナ」、「ローハン」、「コンデ」
 「パーフェクション」、「ネプチューン」、「ナルシス」、「エルベフ」、「ラファイエット」
・サン・ルイ(Saint Louis、フランス)
 「フィルママン」、「トミー」、「クレオ」、「ティッスル」、「バルトルディ」、
 「フロランス」、「ポメロル」
・ラリック(Lalique、フランス)
 「ランジェ」、「トレーヴ」、「トスカ」、「チュイルリー」、「ルクソール」、
 「クロ・ヴジョー」、「フラム」、「ケプリ」、「シメール」
・ドーム(Daum、フランス)
 「ボレロ」、「コレイル」、「イアアーゼ」、「シノン」、「オルセー」、「チャグニー」
・ローゼンタール(Rosenthal、ドイツ)
 「ロマンス・レリーフ」、「ロマンス・ストロー」、「オフェリア」、「アシンメトリア」、
 「キュポラ」、「センチュリー」
・パイル(Peill、ドイツ)
 「マリー・ルイズ」、「ベネチア」、「セシール」、「フェリシィア」、
 「アイシス」、「メシーナ」
・テレジアンタール(Theresienthal、ドイツ)
 「シンフォニー」、「ユーゲントシュティール」、「テレジア」
・ショット・ツヴィーゼル(Schott Zwiesel、ドイツ)
 「ヴォーグ」、「フィネッセ」
・ボヘミアン・ガラス(Bohemian Glass、チェコ)
 「パネルドガラス」、「ケースドガラス」、「500PKシリーズ」、
 「ボヘミアワイングラスシリーズ」、「カリガラスシリーズ」
・モーゼル(Moser、チェコ)
 「パウラ」、「マハラニ」、「スプレンディッド」、「ロイヤル」、「モーツアルト」
・バル・サン・ランベール(Val Saint Lambert、オランダ)
 「ラエケン」、「クラウン」、「シカゴDDF」、「メッテルニヒ」、「パンプル」、
 「ベレット」
・コスタ・ボダ(Kosta Boda、スウェーデン)
 「ピピ」、「シャトー」、「ポエム」、「ライン」
・アトランティス(Atlantis、ポルトガル)
 「ファンタジー」、「サラ」、「オビドス」、「リリック」、「アルカダス」、
 「シャトレー」、「フォリージュ」、「アラベスク」、「バスコダガマ」、
 「サレム」、「ウォルデン」、「ニューヨーク」、「ジェノバ」
・カガミクリスタル(Kagami Crystal、日本)
 「K2高級細脚ライン」、「K7高級細脚ライン」、「K18 高級細脚ライン」、
 「K30  高級細脚ライン」、「K32高級細脚ライン」、「サンクラール」、
 「ロンド」 

 このように、これら膨大な種類のワイングラスが製造されているのであるが、ここで取り上げられている、ほとんどすべてのワイングラスには何らかのガラス工芸面での装飾加工が施されている。

 その加工とは、カット、グラヴィール(エングレーヴィング)、サンドブラスト、エッチング、エナメル絵付け、金彩加工、レース・ガラス、被せガラスなどの技法を用いて行われるものである。またガラス生地自体にも種々の着色がなされている。

 ショップで保有しているものの中からその一例を見ると次のようである。


ウォーターフォード クリスタル製ワイン/シャンパングラス(2023.8.13 撮影)


バカラ製ワイングラス(2023.8.13 撮影)


サンルイ製ワイン/リキュールグラス(2023.8.13 撮影)


ラリック製ワイングラス(2023.8.13 撮影)


ドーム製ワイン/シャンパン/リキュールグラス(2023.8.13 撮影)

モーゼル製ワイン/シャンパン/リキュールグラス(2023.8.13 撮影)

パイル製ワイン/シャンパングラス(2023.8.13 撮影)

ロブマイヤー製ワイングラス/ゴブレット(2023.8.13 撮影)

ボヘミア・ガラス製ワイン/シャンパングラス(2023.8.13 撮影)


ヴェネチア製ワイングラス(2023.8.13 撮影)

当店で多く扱っているその他のヨーロッパ・アメリカ製ワイン/シャンパングラス(2023.8.13 撮影)

カガミクリスタル製ワイングラス(2023.8.13 撮影)


ギヤマンと呼ばれた頃、元治2(1865)年製作のワイングラスペア(2023.8.13 撮影)

博物館にもあるような、18世紀頃に作られたワイングラス(2023.8.13 撮影)

 ワイングラスを扱うときの楽しみは、こうしたガラス工芸の技法に触れることであり、その大胆なカットや、繊細な彫り紋様を見るとき、金彩の美しさや、手描きで描かれた人物像を鑑賞するときである。そう思ってきた。

 ところが、ごく最近、元の職場の上司Aさんが来店され、昔話などをしていたところ、最近ワイングラスを割ってしまったので、替りのワイングラスが欲しいのだとのこと。店にある何種類かのグラスを見ていただいたが、どれもご希望に合わないようで、どのようなものを希望されるのか改めて伺ったところ、シンプルで何も装飾のない普段使いの物がいいとのことである。

 確かに、私のショップのワイングラスには何らかの後加工が施されていて、ご希望に合ったタイプのものは扱っていなかった。

 これは、もともと当ショップの主要コンセプトが、「130年ほど前、避暑地軽井沢の始まった頃、当地に別荘を持っていた外国人が使用したであろうガラス器を集めて、現代の皆さんにご紹介する」ということであり、最近流行しているプレーンな装飾のないグラス類を販売することではなかったので、Aさんが希望されるような商品が見当たらないのは当然のことであった。

 しかし、できればこうしたご要望にも応えたいとの思いがあり、最近話題になっているワイングラスにはどのようなものがあるのか、あらためて調査をはじめた。

 一番よく知られているものはRiedel社のものだと思うが、そのほかにもSchott/Zwiese社からも業務用などプレーンなものが販売されているし、国内品では木村硝子店の扱う製品も話題になることがある。

 先ずはということで、手元にあった本「すぐわかる ガラスの見わけ方」(井上暁子監修、2001年東京美術発行)でRiedel社の項を見ると次のように記されている。ちなみに、この本でも多くのワイングラスが紹介されているが、プレーンで装飾の一切ないグラスとなると、ロブマイヤー製とリーデル製ぐらいなものである。


「すぐわかる ガラスの見わけ方」(井上暁子監修、2001年東京美術発行)の表紙

 「秘密は形と大きさにあり ワインをもっとも美味しくするグラス」という見出しがあり、次の解説文が続く。

 「・・・グラスの大きさや形がワインの味わいを左右する・・・。赤ワイン用のグラスが白ワイン用よりも大ぶりなのは、その豊かな香りをいっそう引き立たせるため。・・・こうした『ワインの個性に合わせたグラス』を世界で初めて誕生させたのが、1756年に創業したリーデル社だ。
 1973年に発表した『ソムリエ』シリーズが単に赤ワイン、白ワインといった区別だけではなく、ワインの作られるブドウの品種に合わせてサイズ、形状の異なる十種類のグラスを揃えた・・・このシリーズは、ワインの持ち味を引き出すよう、大きさや形を微妙に調節した、画期的なグラスとなった・・・」

 続いて、ワインの香りだけではなく、味わいにも配慮したグラスの形状設計がなされているという解説がある。

 「・・・それぞれのグラスが舌の上の味を感じる部分に適切に流れ込むような形にデザインされている。
 たとえば、渋みが強く酸味のひかえめな赤ワインなら、酸味を感じる舌の中央にあたるように縁が広く大ぶりの形に、また、酸味の強いワインは、甘みを感じる舌の先端にあたるように縁をカットして外側にカーブさせ、酸味を自然にやわらげるといったぐあいだ。・・・
 ・・・ワインのもつ美しい色をストレートに楽しむため、装飾はほどこさないのが、リーデル流だ。」

 ここで「世界で初めて」という表現が出ているが、人とワインの付き合いは紀元前3500年に遡るとされる。その歴史の中で、ワインをよりよく楽しむための道具として、ワイングラスの大きさやボウル部の形状に、ではそれまでどの程度関心が払われていたのだろうか。

 海外事情はすぐには判らないが、手元にある書籍「Wine」(桑山為男著、1973年ザ・イースト・パブリケイション発行)を見てみると、400ページに及ぶ大部の本であるが、ワイングラスについての記述はほんの僅かである。

 偶然ではあるが、この本が発行されたのは、リーデル社が「ソムリエ」シリーズを発表したその年である。

「Wine」(桑山為男著、1973年ザ・イースト・パブリケイション発行)の表紙

 次の写真は、オリジナルなワイングラスとして、各種ワインとこれに対応したワイングラスが添えられたものであるが、ワイングラスについてはサイズや容量など、詳しい説明はない。
 
 ワインの種類は写真左からシャンパン、ボルドー赤ワイン、ボルドー白ワイン、ブルゴーニュ赤ワイン、ブルゴーニュ白ワイン(以上写真―1)、続いてモーゼル(又はライン)、アルザス、アンジュ―、ポート、シェリー用(写真ー2)である。


「オリジナルなワイングラス」として掲載されているワインと専用のワイングラスの写真ー1(「Wine」より)


「オリジナルなワイングラス」として掲載されているワインと専用のワイングラスの写真ー2(「Wine」より)
 
 写真で紹介されているワイングラスは、エングレーヴィングの紋様から、カガミクリスタル製と推察できるが、それ以上の詳しい解説はない。「オリジナルなワイングラス」とあるので、桑山氏が働いていたホテルオークラ用の特注品であった可能性が高いと思うが、だとすれば流石の品ぞろえである。これらのグラスが一般にも販売されていたかは定かではない。

 ただ、偶然であるが、写真ー1の「ボルドー赤ワイン」用のグラスと同等の品は、前掲の写真でも紹介しているが、今私の手元にある。


「ボルドー赤ワイン」用のワイングラス(2023.8.13 撮影)

 さて、この写真に続く項「グラスについて」では次のように記されている。

 「ワイングラスは、透明で、チューリップ型が理想的である。チューリップ型は、芳香ブーケを集めるのに最適の形である。グラスの大きさは、赤ワイン用が白ワイン用より少し大きい。大体6オンス~8オンス*である(白ワイングラス4オンス~6オンス)。
 その赤ワイン用は、バーガンディータイプとボルドータイプがあり、前者が大きい。バーガンディーワインを、ブランデーグラスで飲む人もいる。日本のレストランでポートワイングラスやシェリー用の小さなグラスを出すところもあるが、もちろん間違いで、これではワインのおいしさをつかみにくい。
 ついでにシャンパングラスについて触れると、日本ではシャンパンといえば、クープ型を使っているが、クープ型を使う国は、日本とアメリカぐらいのもので、ヨーロッパではフリュート型である。
 いずれにせよワイングラスは、色を見たり、匂いをかぐ関係から、大きい目の方がよいのである。」(* 筆者注:ワインの場合1オンス=30cc とされる)

 著者の桑山為男氏は、出版当時ホテルオークラの酒場課長であるから、第一人者といってよいであろう。著書の「序」でもホテルオークラ取締役会長野田岩次郎氏が「・・・桑山君は、十余年前、まだこの国ではワインが一般の話題にされない頃から、ひそかにワイン研究に乗り出し、ひたすら、その道の奥義を究めようと努力し、ホテル派遣員としてフランスのボルドー、ブルゴーニュ、シャンパン等にて研修を重ねた上、『シュバリエ・デュ・タートヴァン - ワイン騎士団』協会、並びに『シュヴァリエ・ド・コトー・ド・シャンパン - シャンパン騎士団』協会々員に推挙された。我が業界では初のことで、・・・」と賛辞を送っていることからも著者の社会的評価が推察できる。

 ただ、他方で「グラスについて」に添えられている「ボルドー型正式のサイズ」とする図の方は簡単なもので、次のようなものである。 


「ボルドー型正式のサイズ」として掲載されているワイングラスの図(「Wine」より)

 こうしてみてくると、ヨーロッパの影響を受けて、国内でもワイングラスのサイズや形状に対して、ある程度の配慮がされていることが判るが、確かにリーデル社のオーナー氏が指摘するまでは、ワイングラスの大きさやボウル部の形状とワインの味わいについての詳細な検討は、それほどなされていなかったと思われるのである。

 書籍「すぐわかる ガラスの見わけ方」の「コラム」欄には、リーデル社のワイングラス開発のこぼれ話が紹介されていて、次のようである。

 「ワインの味の違いを発見! 偉大な九代目当主、クラウス
 ソムリエシリーズの生みの親は、9代目当主のクラウス・リーデル。・・・お遊び気分で、同じワインをさまざまなグラスで飲んだところ、まったく違った味がしたのにびっくり!
 ワインの専門家の友人でさえ、別のワインを飲んでいると思ったほどの味の違いに、クラウスはグラスの形状がワインの味わいを左右すると気づき、革新的なグラスの開発を始めたのである。

 現在のリーデル社の公式HPを見ると、様々な形状のものが掲載されていて、グラスの高さとボウル部の容量をグラフにすると次のようであり、ワインの品種ごとに最適化されたというグラスの品ぞろえの多さが実感される。そして、これらのほとんどはマシンメイドであると記されている。

 今回この中から赤〇で印をつけたワイングラスを手配してみた。こうした品揃えはリーデル以外の他のメーカーにも見られるので、Aさんにご紹介する予定の数点のワイングラス以外にも、試みに同種のものや、他社の同等品についても合わせて入手してみた。 


リーデル社のワイングラスの品揃え(同社HPの資料から筆者作成)

 今回、こうして入手した装飾のないプレーンな現代のワイングラスについて、Aさんに入荷のご連絡をしたところであるが、果たして気にいって下さるだろうか。

 ショップを開いてから現在まで、ずいぶん多くのワイングラスを扱ってきたがプレーンなものはほとんど扱ってこなかったので、これからは、お馴染みになった顧客の方々にも紹介して、反応を見てみたいと思っている。

 他方で、ワインの味が判らない私としては、クラウス・リーデル氏の考えに盾突くつもりなど毛頭ないが、やはりアンティーク・ワイングラス類に見られる様々なガラス工芸の技法を駆使した、人の手になる工芸製品のよさを味わいながら、日常的にも使っていただきたいと思っているのである。

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ウクライナ情勢(8/8~8/14)

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