今回はウラナミシジミ。前翅長は15-20mmと小型で、名前の通り翅の裏側に波状紋があるなかなか愛らしい蝶である。小学生のころ大阪でも見た記憶がある。
いつもの「原色日本蝶類図鑑・増補版」(保育社 昭和39年(1964年)発行)には、このウラナミシジミに関して次のような記述がある。
「この蝶の越冬態と越冬場所に関しては決定的な研究がなく、昆虫界の宿題となっている。・・・」
この当時の宿題は、現在では明らかにされていて、沖縄、九州~関東地方南部沿岸の温暖な地域で成虫越冬するとされているが、定まった越冬態は持たないようだ。暖かくなると、年4回程度の発生を繰り返しながら分布を北に拡大し、秋には北海道でも見られるようになるという。そして、冬には上記越冬可能地域以外では死滅する。
何とも空しいはるかな北方への旅ではあるが、長い年月をかけて棲息域を拡大しようとしているのだろうか。
東信地方での目撃記録(「信州 浅間山麓と東信の蝶」鳩山邦夫・小川原辰雄 著 2014年4月30日 信州昆虫資料館 初版第一刷発行)によると、8月1日から11月13日に及ぶ。我が家の庭には10月2日から11月24日にかけて吸蜜にきているので、この辺りが寒冷地であることを考慮すると、適応が進んでいるのかもしれない(と期待)。
類似の種はいないので、種の同定は容易。雌雄の判別は、♂では翅の表が淡紫色で外縁のみ細く暗色、♀では広く暗褐色で前翅中央部は暗紫色になり、また♀では後翅表外縁に沿って白く縁取られた黒点列が目立つといった点で比較的容易に行える。
食草はエンドウ、ダイズ、インゲンなどのマメ科の栽培種を好む。暖地では、卵、幼虫、蛹、成虫のいずれでも越冬しているとされるが、寒冷地では上記の通り越冬はできないようだ。
日本ハッカの花で吸蜜するウラナミシジミ♀(2016.10.4 撮影)
キャットミントの花で吸蜜するウラナミシジミ♀(2015.11.24 撮影)
日本ハッカの花で吸蜜するウラナミシジミ♀(2016.10.4 撮影)
キャットミントの花で吸蜜するウラナミシジミ♀(2015.11.24 撮影)
キャットミントの花で吸蜜するウラナミシジミ♀(2015.11.24 撮影)
キャットミントの花で吸蜜するウラナミシジミ♀(2016.10.4 撮影)
ソヨゴの葉の上で休息するウラナミシジミ♂(2016.10.4 撮影)
キャットミントの花で吸蜜するウラナミシジミ♂(2016.10.2 撮影)
キャットミントの花で吸蜜するウラナミシジミ♀(2016.10.12 撮影)
ソヨゴの葉の上で休息するウラナミシジミ♀(2016.10.12 撮影)
キャットミントの花で吸蜜するウラナミシジミ♂(2016.10.4 撮影)
キャットミントの花で吸蜜するウラナミシジミ♀(2015.11.24 撮影)
昨年の秋には一度に8頭ほどのウラナミシジミがキャットミントに吸蜜に来たことがあって、このときには妻の手に止まってしばらく触覚の手入れなどをしていたことがあった。このことは、以前、「越冬蝶」のところで紹介した。
一度に8頭ほどでやってきて、キャットミントの花で吸蜜するウラナミシジミ(2016.10.2 撮影)
一昨年11月24日に、キャットミントの花に吸蜜に訪れていたのは♀であったが、この個体の翅や胴体・腹部には、今年10月にやってきたものに比べると、長い毛が密生していた。この地方の寒さに適応しようとしているのであろうかとつい思ってしまう。
体全体に長い毛が密生していたウラナミシジミ♀(2015.11.24 撮影)
このようにして寒冷地にも適応し、この辺りでも何らかの形態で越冬し、春に姿を見せてくれないものだろうかと思う。
いつもの「原色日本蝶類図鑑・増補版」(保育社 昭和39年(1964年)発行)には、このウラナミシジミに関して次のような記述がある。
「この蝶の越冬態と越冬場所に関しては決定的な研究がなく、昆虫界の宿題となっている。・・・」
この当時の宿題は、現在では明らかにされていて、沖縄、九州~関東地方南部沿岸の温暖な地域で成虫越冬するとされているが、定まった越冬態は持たないようだ。暖かくなると、年4回程度の発生を繰り返しながら分布を北に拡大し、秋には北海道でも見られるようになるという。そして、冬には上記越冬可能地域以外では死滅する。
何とも空しいはるかな北方への旅ではあるが、長い年月をかけて棲息域を拡大しようとしているのだろうか。
東信地方での目撃記録(「信州 浅間山麓と東信の蝶」鳩山邦夫・小川原辰雄 著 2014年4月30日 信州昆虫資料館 初版第一刷発行)によると、8月1日から11月13日に及ぶ。我が家の庭には10月2日から11月24日にかけて吸蜜にきているので、この辺りが寒冷地であることを考慮すると、適応が進んでいるのかもしれない(と期待)。
類似の種はいないので、種の同定は容易。雌雄の判別は、♂では翅の表が淡紫色で外縁のみ細く暗色、♀では広く暗褐色で前翅中央部は暗紫色になり、また♀では後翅表外縁に沿って白く縁取られた黒点列が目立つといった点で比較的容易に行える。
食草はエンドウ、ダイズ、インゲンなどのマメ科の栽培種を好む。暖地では、卵、幼虫、蛹、成虫のいずれでも越冬しているとされるが、寒冷地では上記の通り越冬はできないようだ。
日本ハッカの花で吸蜜するウラナミシジミ♀(2016.10.4 撮影)
キャットミントの花で吸蜜するウラナミシジミ♀(2015.11.24 撮影)
日本ハッカの花で吸蜜するウラナミシジミ♀(2016.10.4 撮影)
キャットミントの花で吸蜜するウラナミシジミ♀(2015.11.24 撮影)
キャットミントの花で吸蜜するウラナミシジミ♀(2015.11.24 撮影)
キャットミントの花で吸蜜するウラナミシジミ♀(2016.10.4 撮影)
ソヨゴの葉の上で休息するウラナミシジミ♂(2016.10.4 撮影)
キャットミントの花で吸蜜するウラナミシジミ♂(2016.10.2 撮影)
キャットミントの花で吸蜜するウラナミシジミ♀(2016.10.12 撮影)
ソヨゴの葉の上で休息するウラナミシジミ♀(2016.10.12 撮影)
キャットミントの花で吸蜜するウラナミシジミ♂(2016.10.4 撮影)
キャットミントの花で吸蜜するウラナミシジミ♀(2015.11.24 撮影)
昨年の秋には一度に8頭ほどのウラナミシジミがキャットミントに吸蜜に来たことがあって、このときには妻の手に止まってしばらく触覚の手入れなどをしていたことがあった。このことは、以前、「越冬蝶」のところで紹介した。
一度に8頭ほどでやってきて、キャットミントの花で吸蜜するウラナミシジミ(2016.10.2 撮影)
一昨年11月24日に、キャットミントの花に吸蜜に訪れていたのは♀であったが、この個体の翅や胴体・腹部には、今年10月にやってきたものに比べると、長い毛が密生していた。この地方の寒さに適応しようとしているのであろうかとつい思ってしまう。
体全体に長い毛が密生していたウラナミシジミ♀(2015.11.24 撮影)
このようにして寒冷地にも適応し、この辺りでも何らかの形態で越冬し、春に姿を見せてくれないものだろうかと思う。