築地まぐろ屋3代目 豊洲市場場内からのマグロ新鮮情報

築地市場場内で40年以上のマグロ仲卸をしている、『松井水産』より、豊洲に移動しマグロの仕入れ情報、お得情報を毎日に配信

ちょっと真面目なお話・・・

2013-08-23 09:45:56 | Weblog


「メジマグロを食べないで=水産庁幹部が異例の訴え」

今日、こんな記事を携帯ニュースで見つけました!


内容は
『マグロの資源回復に際し、
メジマグロの消費がかなりのネックとなっている』
よいうような内容。
この記事では、クロマグロとして水揚げされるうちの
98.8%は、卵を産むようになる前の3歳以下の
メジマグロが占めている・・・と書いてあります。

なんと実に『98.8%』がメジ!!!
正直、この業界にいる私ですらびっくりの数字・・・


私、このブログを開設させていただいた当時から、
「メジは問題だ」
と訴え続けておりました。
考えてみれば当たり前!
これから親になるはずの小マグロを根こそぎ獲ってしまうわけですから・・・


さらに今年に限っては例年の春先の九州付近の漁だけに限らず、
日本近海各地で、時季を問わずに捕れている。

特に春先の日本海、韓国船の旋網漁にいたっては1日で
『何百トン』
という量のメジを獲っているという現実。
そしてその韓国船だって、結局は日本が買うから漁をする・・・
という現実。。


この写真にある紙面の記事中には境港の漁業関係者の話として
旋網漁についても書かれておりました。

「境港の旋網は時季になると大間の1年分のマグロを1日で獲っている」
「今年6月に境港で水揚げされたマグロは10~30キロのものが
過半数を占めていました。未成魚や卵を抱えている物も多く、胸が痛みます。」

そしてなんと、ここで水揚げされたマグロが身篭っている卵は
主に魚粉(エサ)として利用されるそうです・・・


私も毎日、ここの場をお借りして「数が多いだの少ないの」だのと
書かせていただいており、数が多いのは確かに、私たち仲買にとってもありがたい
ことなのは間違いないのですが、この春先の旋網漁、
時に供給多可になりすぎていると感じることもあります。

「もともとイワシやサバを獲っていた旋網の運搬船には冷凍設備は無く
1本釣りのように素早く船上で処理することができない。
血抜きをしていないため劣化が早い。
こうしたクロマグロが大量に築地へ出荷されるが値が付かないことも多い。
結局買い叩かれて『生クロマグロ』として安くスーパーなどの店頭に並ぶ。」


記事中の文章をそのまま書かせていただきましたが、まさにその通り!!


いくら数があっても、品物が悪くては何もなりません。。
私たち、仲買が求めるのは「大量」よりも、供給量に見合った良い品物!!


『獲れるだけ魚を獲り、大漁旗を掲げて港へ戻る。
同じタイミングで同じ魚が大量に水揚げされるため、
魚の単価は下がり、利幅は薄くなる。
このやり方を続けていると、漁業資源は括弧する。
儲からない上に、資源は減り続ける。』

この紙面の見出しにはこんなことが書いてあります。
本当にその通りなんですよね。

そして、当の浜(現地)では
「値が出ない。値が安い」
と文句を言う。。。


「旋網漁を『根こそぎ獲る』と捉えるか、
『効率が良い』と捉えるかは立場の違い」

これは山陰旋網漁業協同組合の関係者の言葉だそうです。
「効率が良い??」
1度に大量に獲れても、品物が悪ければ買い手は付きません。。
本当に
『効率』
良いんですかね(--;;)??



そして記事は最後に
「今後ともマグロを食べていくには、今は我慢しなければならない」
とも。。。


とにかく本当にもう、真剣に考えなければならない時だと思います!




で、今日の状況ですが(手短に~^^;)
津軽海峡の天然本マグロとニュージーランドインドは
幾らかずつですが、出ていました(^^)
大西洋ボストン・カナダは僅かに5本!?

相場は引き続き高いですね~



高いですが、仕方なく(!?)ニュージーインドを
ぼちぼち仕入れてます(^^;;)


明日は「バチくらい」しかないよ~

だそうです・・・・(T0T)