すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【W杯アジア2次予選】ハリルは「アジア軽視」だったのではないか?

2015-09-04 17:33:30 | サッカー日本代表
ハリルの言動にはヨーロッパへの憧憬が見て取れる

「アジアの予選なんてクソだ。問題じゃない。私が目指すのは、あくまでW杯本大会でヨーロッパ列強に煮え湯を飲ませての勝利だ」

 想像だが、ハリルホジッチ監督は、そんなアジア軽視の一種の「白豪主義」に陥っていたのではないか? 

「アジア予選など特別な対策を施さなくても勝てる。問題は本大会だ」

 そう考えて監督に就任した。だから就任当初から、ヨーロッパや南米の強豪国と戦うときに有効な(逆にアジア予選には向かない)「タテに速いサッカー」を標榜した。そう考えれば合点が行く。だがアジア2次予選の初戦でシンガポールに思わぬ苦戦をし、大きく風向きが変わった。

「これはアジア用の対策をしないとまずいぞ」

使う戦術(クロス攻撃)と選んだ選手が矛盾している

 で、続くカンボジア戦ではクロスやミドルシュートの多用など、引いた相手に対する準備をした。だがそれでも頑固なハリルが今回選んでいる代表メンバーは、あくまで「W杯本大会用」である。ゆえにアジア予選で相手のベタ引きに対応したサイドからのクロス攻撃に適する大型の選手(例えばFW豊田)などは選ばれてない。

 こういうことではないだろうか?

 要はシンガポール戦の引き分けで尻に火がつき、カンボジア戦ではそれなりの準備をした。だがメンバーは当然「本大会用」のまま。で、使う戦術(クロス攻撃)と、実際に選んでいる選手が噛み合わない。矛盾しているーー。

海外組の完全固定でも点が取れず
しかも控え組のテストもできなかった


 本ブログではすでに何度も、ハリルのこの種の選手起用における矛盾を指摘している。カンボジア戦で採用した戦術と、選んだメンバーとの食い違いもそのひとつかもしれない。

 だが終わったことを蒸し返すのは生産的ではない。であれば次は9月8日のアフガニスタン戦に向け、万全の準備をしてほしい。そこでひとつ提案がある。それは大胆な選手起用だ。

 絶対に負けられないハリルはカンボジア戦で、海外組をフル登板させた。目先の1勝に囚われ、その時点での「最強」にこだわり海外組を完全固定したザックと同じだ。だがハリルは結局、(1)3得点という中途半端な結果しか残せず、かつ(2)先日の記事で提案したような大量得点を早めに取った上での若手・控え組の途中テスト起用ーーも果たせなかった。

 海外組をフル登板させたあげく、だが(1)も(2)も達成できないのでは、まったく何をやっているんだかわからない。

最弱相手に「ただ勝つだけ」じゃ意味がない
アフガニスタン戦では大胆な若手の登用を


 そこで次の(グループ最弱と目される)アフガニスタン戦では、経験を積ませるため若手と控え組の大抜擢を願いたい。具体的には永井や原口、遠藤航、米倉らの起用である。この案はあながち突飛な話ではない。

 カンボジア戦を見る限り、疲労がたまった海外組のコンディションはあまりよくない。特に岡崎はいつものキレがなく、長友も身体能力がウリの彼にしては緩慢だった。香川にいたっては完全なブレーキ役だ。ただし本田とCB2人は外せないだろうが、その他のメンバーに関しては大手術をしてもいいのではないか? コンディションがよくフレッシュなメンバーで。「W杯本大会」を睨み、選手に経験を積ませるために。

 もちろんアフガニスタン戦は勝って当たり前の試合だ。だがそのゲームにまたも海外組を完全固定し、ふたたびカンボジア戦のように「ただ勝つだけ」では意味がない。控え組を大胆に登用しチームへのフィットを図るなどの「付加価値」をつけた上での勝利でない限り、本大会に向けた積み上げにならない。

 ぜひハリルには深謀遠慮な選手起用を願いたい。

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