チームとの連携は過去最高
前半22分。ダイアゴナルランで裏抜けを狙った乾にスルーパスが出る。完璧なタイミングでパスを受け、乾はライン裏へフリーで抜け出したが……ボールがインフロントに当たり損ねてシュートが弱く、敵DFにクリアされた。絶対に決めておきたい決定機だった。
もしあのシュートを叩き込んでいれば乾に対する評価は確定し、頼れるアタッカーとして強い信頼を得ていただろう。それくらい、どフリーで、しかも重要なシュートだった。おそらく決めていれば後半18分に途中交代されることもなかっただろう。だがそれでも明日からまた前を向いてプレーし続けなければならない。がんばってほしいものだ。
とはいえこの試合、チームメイトとの連携プレーという意味では過去4試合でいちばんよかった。例えば乾は過去の試合で何度も冒頭に書いたような裏抜け狙いのダイアゴナルランを繰り返していたが、肝心のボールが一度もこなかった。
また前半30分頃に乾はライン間でボールを受け、狭いスペースのなかワンタッチで前を向いたが、あんな間受けのシーンもいままでなかった。いや乾は過去、何度も間受けを狙えるポジショニングをしているのだが味方がその意図を理解できず、パスがこなかったのだ。
そういう意味では、徐々に仲間との意思の疎通やコンビネーションは進んでいる。確実にいい方向に向いている。それだけにあの決定的なシュートは決めておきたかった。
バレンシアのハイプレスに苦しむ
ベティスのフォーメーションは3-4-2-1。ボールを失うと自陣で5-4-1のブロック守備をする。日本代表の森保監督が広島時代から慣れ親しんだやり方とまったく同じだ。
スタメンはGKがロペス。3バックは右からマンディ、バルトラ、シドネイ。カナーレスとグアルダードの2人をセントラルMFに置き、右WBはフランシス。左WBはジュニオール。前線は1トップ2シャドーで、右のシャドーがブデブス、左のシャドーが乾。1トップはサナブリアだ。
この日対戦したバレンシアは、前半の立ち上がりにハイプレスで入った。25分くらいまでベティスがボールを保持していたが徐々にバレンシアのパスワークが冴え始め、彼らが次第にペースを握る。
バレンシアは後半の立ち上がりにも、ベティスのビルドアップに対し猛烈なハイプレスをかけてきた。そのためベティスは3バック間で単にパスを回しているだけになり、ボールを前に引き出せない。
おそらくベティスが攻撃的なチームであり、最終ラインからていねいにビルドアップしてくることをバレンシアは研究しているのだ。そのビルドアップを破壊するためのハイプレスなのだろう。とすればベティスは相手がビルドアップを制限しにきた場合のプランBを持っておく必要がある。
とはいえバレンシアが押し込み、ラインを上げて前がかりで来ているときには、バレンシア陣内には広大な無人のスペースが広がっている。つまりそのときベティスが自陣でボールを奪った瞬間は、カウンターの絶好のチャンスだ。だがベティスはせっかくマイボールにしても縦パスを受けた選手がなかなかライン裏へ抜け出せず、チャンスをものにすることができなかった。
どんなサッカーをやろうとしているのか?
選手別では、右シャドーのブデブスは中盤まで下りてきてゲームメイクもし、ボールによくからんでいた。
対照的に1トップのサナブリアはボールに触る回数が極端に低く、物足りない。もっと大迫のようにクサビのボールをポストプレーで収められるCFがいれば、攻めにバリエーションができるのだが。またこの日はセントラルMFのカナーレスも不安定でデキがよくなかった。
総評としては、どうもキケ・セティエン監督がどんなサッカーをやろうとしているのかが見えにくい。ウイングバックを置いているのだからサイドを使おうという意図なのだろうが、その割に中央経由のビルドアップが多くサイドからクロスを入れる回数もそう多くない。
また乾が裏抜け狙いのダイアゴナルランを繰り返してもボールがこないし、間受けを狙ってもチームメイトが意図を理解できずパスがもらえない。ひとことでいえばチーム内での共通理解が少なく、まだチームとしてひとつになってない印象だ。この状態で昨季は6位。今季もリーグで上位にいるのだからなんだか不思議なチームである。
前半22分。ダイアゴナルランで裏抜けを狙った乾にスルーパスが出る。完璧なタイミングでパスを受け、乾はライン裏へフリーで抜け出したが……ボールがインフロントに当たり損ねてシュートが弱く、敵DFにクリアされた。絶対に決めておきたい決定機だった。
もしあのシュートを叩き込んでいれば乾に対する評価は確定し、頼れるアタッカーとして強い信頼を得ていただろう。それくらい、どフリーで、しかも重要なシュートだった。おそらく決めていれば後半18分に途中交代されることもなかっただろう。だがそれでも明日からまた前を向いてプレーし続けなければならない。がんばってほしいものだ。
とはいえこの試合、チームメイトとの連携プレーという意味では過去4試合でいちばんよかった。例えば乾は過去の試合で何度も冒頭に書いたような裏抜け狙いのダイアゴナルランを繰り返していたが、肝心のボールが一度もこなかった。
また前半30分頃に乾はライン間でボールを受け、狭いスペースのなかワンタッチで前を向いたが、あんな間受けのシーンもいままでなかった。いや乾は過去、何度も間受けを狙えるポジショニングをしているのだが味方がその意図を理解できず、パスがこなかったのだ。
そういう意味では、徐々に仲間との意思の疎通やコンビネーションは進んでいる。確実にいい方向に向いている。それだけにあの決定的なシュートは決めておきたかった。
バレンシアのハイプレスに苦しむ
ベティスのフォーメーションは3-4-2-1。ボールを失うと自陣で5-4-1のブロック守備をする。日本代表の森保監督が広島時代から慣れ親しんだやり方とまったく同じだ。
スタメンはGKがロペス。3バックは右からマンディ、バルトラ、シドネイ。カナーレスとグアルダードの2人をセントラルMFに置き、右WBはフランシス。左WBはジュニオール。前線は1トップ2シャドーで、右のシャドーがブデブス、左のシャドーが乾。1トップはサナブリアだ。
この日対戦したバレンシアは、前半の立ち上がりにハイプレスで入った。25分くらいまでベティスがボールを保持していたが徐々にバレンシアのパスワークが冴え始め、彼らが次第にペースを握る。
バレンシアは後半の立ち上がりにも、ベティスのビルドアップに対し猛烈なハイプレスをかけてきた。そのためベティスは3バック間で単にパスを回しているだけになり、ボールを前に引き出せない。
おそらくベティスが攻撃的なチームであり、最終ラインからていねいにビルドアップしてくることをバレンシアは研究しているのだ。そのビルドアップを破壊するためのハイプレスなのだろう。とすればベティスは相手がビルドアップを制限しにきた場合のプランBを持っておく必要がある。
とはいえバレンシアが押し込み、ラインを上げて前がかりで来ているときには、バレンシア陣内には広大な無人のスペースが広がっている。つまりそのときベティスが自陣でボールを奪った瞬間は、カウンターの絶好のチャンスだ。だがベティスはせっかくマイボールにしても縦パスを受けた選手がなかなかライン裏へ抜け出せず、チャンスをものにすることができなかった。
どんなサッカーをやろうとしているのか?
選手別では、右シャドーのブデブスは中盤まで下りてきてゲームメイクもし、ボールによくからんでいた。
対照的に1トップのサナブリアはボールに触る回数が極端に低く、物足りない。もっと大迫のようにクサビのボールをポストプレーで収められるCFがいれば、攻めにバリエーションができるのだが。またこの日はセントラルMFのカナーレスも不安定でデキがよくなかった。
総評としては、どうもキケ・セティエン監督がどんなサッカーをやろうとしているのかが見えにくい。ウイングバックを置いているのだからサイドを使おうという意図なのだろうが、その割に中央経由のビルドアップが多くサイドからクロスを入れる回数もそう多くない。
また乾が裏抜け狙いのダイアゴナルランを繰り返してもボールがこないし、間受けを狙ってもチームメイトが意図を理解できずパスがもらえない。ひとことでいえばチーム内での共通理解が少なく、まだチームとしてひとつになってない印象だ。この状態で昨季は6位。今季もリーグで上位にいるのだからなんだか不思議なチームである。