芸術的な間受けの競演
マンチェスター・シティは前半2分にいきなりサネのゴールで先制すると、少ないタッチ数で光速パスワークを自在にあやつり独演会を繰り広げた。
シティの選手はどんなに狭いスペースでも、中央レーンのライン間で間受けを連続させ、ボールをスルスルと前へ運ぶ。ワンツーや3人目の動きを入れながら、フラムの守備者など存在しないかのようにパスをつなぐ。まるですばしっこい無数のゴーカートが、機敏に障害物をよけて走り回っているかのようだ。
ネガティブ・トランジション(攻→守の切り替え)もいい。ボールを失った瞬間、獲物に飛びかかるスピードとタイミングがものすごく速く、まるでパスカット製造機のようにフラムの甘い横パスをインターセプトし続けた。あれだけ精密でスピーディなサッカーでは、下位や中位のチームではとても勝てないだろう。
選手は引越しを繰り返し電話番号を変える
シティのフォーメーションは4-1-2-3だが、それは単に試合が始まった時点での電話番号にすぎない。彼らはポジション間で絶えず引越しを繰り返し、電話番号を変える。例えばビルドアップで左SBが高く張り出し3-1-3-3になったかと思えば、偽SBが登場し2-3-2-3になったりする。
そんなシティのスタメンは、まずGKがエデルソン。最終ラインは右からウォーカー、オタメンディ、ラポルテ、デルフ。中盤はアンカーがフェルナンジーニョで、右インサイドMFがベルナルド・シウバ。左インサイドMFはダビド・シルバ。3トップはスターリングとアグエロ、サネである。
前半2分、鮮やかなシティの先制点は鋭いパスカットで始まった。フラムのビルドアップ時、まずGKから右サイドに縦パスが出る。それを受けたフラムの選手が自陣で緩慢な横パスを出したその瞬間、猛スピードでスプリントしてきたフェルナンジーニョがパスカットし、ドリブルから右へ折り返す。直後にゴールを決めたサネは、ダイレクトでただ触るだけだった。
続く前半21分のシティの2点目は、ベルナルド・シウバが立役者になった。彼がペナルティエリア右のオープンスペースに走り込んでパスを受け、中へセンタリング。ゴール前中央で混戦になったこぼれ球をダビド・シルバがワンタッチで押し込んだ。
仕上げは後半2分の3点目だ。右サイドからアグエロが敵GKと最終ラインの間に絵に描いたようなシュート性のクロスを入れ、それをスターリングがダイレクトで決めた。自ゴールに向いて守る敵DFがクリアしようとボールに触るとオウンゴールになってしまうコースに強いラストパスが出て、試合は決まった。
シティがあげた3ゴールは、すべてダイレクトで決めたものだ。パスワークが1タッチ、2タッチならば、シュートも1タッチ。プレイスピードがあまりにも速すぎて敵の守備者はなすすべがない。
偽SB化しカウンターに備えるデルフ
おもしろかったのは左SBで出場したデルフだ。本来、MFの彼は幅をいっぱいに取ってサイドを激しく上下動し攻撃にも参加する。
かと思えばチームが3点目を取り安全圏に入ったと見るや、彼は偽SBのポジショニングをしてアンカー脇のスペースを埋める。これで中央を厚くして敵のカウンターに備えると同時に、中盤での組み立てにも加わっていた。
一方、前線に目をやれば、CFのアグエロはボールを保持する敵GKにまで激しくプレスをかけ、意図的にロングボールを蹴らせてそのボールをチームで回収するスイッチャー役になっていた。
こんなふうにペップのチームは最前線から最終ラインまで、すべての選手が攻撃と守備の両方に貢献する。相手から見れば敵が22人いるのと同じだ。これでは勝ち続けるのも道理かもしれない。
マンチェスター・シティは前半2分にいきなりサネのゴールで先制すると、少ないタッチ数で光速パスワークを自在にあやつり独演会を繰り広げた。
シティの選手はどんなに狭いスペースでも、中央レーンのライン間で間受けを連続させ、ボールをスルスルと前へ運ぶ。ワンツーや3人目の動きを入れながら、フラムの守備者など存在しないかのようにパスをつなぐ。まるですばしっこい無数のゴーカートが、機敏に障害物をよけて走り回っているかのようだ。
ネガティブ・トランジション(攻→守の切り替え)もいい。ボールを失った瞬間、獲物に飛びかかるスピードとタイミングがものすごく速く、まるでパスカット製造機のようにフラムの甘い横パスをインターセプトし続けた。あれだけ精密でスピーディなサッカーでは、下位や中位のチームではとても勝てないだろう。
選手は引越しを繰り返し電話番号を変える
シティのフォーメーションは4-1-2-3だが、それは単に試合が始まった時点での電話番号にすぎない。彼らはポジション間で絶えず引越しを繰り返し、電話番号を変える。例えばビルドアップで左SBが高く張り出し3-1-3-3になったかと思えば、偽SBが登場し2-3-2-3になったりする。
そんなシティのスタメンは、まずGKがエデルソン。最終ラインは右からウォーカー、オタメンディ、ラポルテ、デルフ。中盤はアンカーがフェルナンジーニョで、右インサイドMFがベルナルド・シウバ。左インサイドMFはダビド・シルバ。3トップはスターリングとアグエロ、サネである。
前半2分、鮮やかなシティの先制点は鋭いパスカットで始まった。フラムのビルドアップ時、まずGKから右サイドに縦パスが出る。それを受けたフラムの選手が自陣で緩慢な横パスを出したその瞬間、猛スピードでスプリントしてきたフェルナンジーニョがパスカットし、ドリブルから右へ折り返す。直後にゴールを決めたサネは、ダイレクトでただ触るだけだった。
続く前半21分のシティの2点目は、ベルナルド・シウバが立役者になった。彼がペナルティエリア右のオープンスペースに走り込んでパスを受け、中へセンタリング。ゴール前中央で混戦になったこぼれ球をダビド・シルバがワンタッチで押し込んだ。
仕上げは後半2分の3点目だ。右サイドからアグエロが敵GKと最終ラインの間に絵に描いたようなシュート性のクロスを入れ、それをスターリングがダイレクトで決めた。自ゴールに向いて守る敵DFがクリアしようとボールに触るとオウンゴールになってしまうコースに強いラストパスが出て、試合は決まった。
シティがあげた3ゴールは、すべてダイレクトで決めたものだ。パスワークが1タッチ、2タッチならば、シュートも1タッチ。プレイスピードがあまりにも速すぎて敵の守備者はなすすべがない。
偽SB化しカウンターに備えるデルフ
おもしろかったのは左SBで出場したデルフだ。本来、MFの彼は幅をいっぱいに取ってサイドを激しく上下動し攻撃にも参加する。
かと思えばチームが3点目を取り安全圏に入ったと見るや、彼は偽SBのポジショニングをしてアンカー脇のスペースを埋める。これで中央を厚くして敵のカウンターに備えると同時に、中盤での組み立てにも加わっていた。
一方、前線に目をやれば、CFのアグエロはボールを保持する敵GKにまで激しくプレスをかけ、意図的にロングボールを蹴らせてそのボールをチームで回収するスイッチャー役になっていた。
こんなふうにペップのチームは最前線から最終ラインまで、すべての選手が攻撃と守備の両方に貢献する。相手から見れば敵が22人いるのと同じだ。これでは勝ち続けるのも道理かもしれない。