メキシコと「平手」の勝負をする
メキシコとの銅メダルを決める一戦だ。
日本はスペイン戦よりゾーンを上げ、メキシコと対等に戦った。守備に回るとミドルプレスだ。
ただし試合の入りが悪く、前半13分に遠藤がPKを与えて先制される。
続く前半22分にはメキシコのコルドバがFKを蹴り、バスケスが頭で合わせて2点目を奪取。
後半13分。今度はメキシコは左CKからベガがヘディングシュートを決めた。
日本も後半33分に、途中出場の三笘薫が深い切り返しからドリブルでゴール前まで鋭く迫り、GKオチョアの頭上をぶち抜くシュートを放った。
だが日本の反撃はここまでだ。
この試合も「シュートを決め切る力のちがい」という、日本が抱える大きな宿題を残して終わった。
ゾーンを上げると失点してしまう?
日本のフォーメーションは4-2-3-1だ。スタメンはGKが谷晃生。最終ラインは右から酒井宏樹、吉田麻也、冨安健洋、中山雄太だ。
CMFは遠藤航と田中碧。2列目は右から堂安律、久保建英、相馬勇紀。ワントップは林大地である。
やはり日本はゾーンを上げると失点してしまうのか?
そんな煩悶が付きまとった試合だった。
CMFの遠藤と田中が、連戦の疲労のせいかキレがなかったのが痛かった。
だが、この日の選手はよく戦った。
前半18分には林のヒールキックの落としから、遠藤がゴール前に飛び込むがGKオチョアにセーブされる。
また前半30分には、林がボールを受けるとうまくターンし、低いシュートを放ったがGKオチョアに防がれる。
相馬はよく幅を取りサイドでボールをもらうが、なかなか突破までは行かない。
思い切って勝負した時には彼は十分通用しているのだが、この辺りはメンタルの問題だろうか。
三笘のドリブルはハッキリ通用していた
やはり日本はシュートを決め切る力が足りない。
日本はメキシコと同じようにボールはつないでいても、そこがメキシコと決定的にちがう点だ。
ただし後半33分には、途中出場の三笘が切り返しからドリブルし、GKの頭上を打ち抜くド派手なシュートを決めた。すばらしい一撃だった。
三笘はこのほかにも後半31分。ペナルティエリア中央から意表を突くタイミングで左足のシュートを放った。GKオチョアがかろうじて弾く惜しい一発だった。
三笘の鋭いドリブルは、メキシコ相手に明らかに通用していた。
三笘のまわりの空間だけが、まるで異空間であるかのようにメキシコに打撃を与え続けていた。
上田綺世はコースを狙え
後半17分に途中出場した上田綺世も、後半23分。三笘が敵陣中央から縦にすばらしいスルーパスを出し、受けた上田はシュートしたがGKオチョアに防がれた。
あれはきわどいコースに飛ばし、決めなければいけない一撃だった。
上田はほかにも後半23分。三笘の絶妙なスルーパスを受けて右足を振ったが、GKオチョアが立ちはだかった。
上田はシュートがうまく枠には飛ぶが、コースが甘くて防がれる。今後の課題だろう。
ただしこの日、三笘と上田のコンビネーションは「何か」を起こす予感に満ちあふれていた。
森保監督の凡庸な一夜漬け采配
さてこのあとは気が重いが、森保監督の凡庸な選手交代に触れておかなければならない。
後半の頭から、サイドでいちばん効いていた相馬を旗手に代えた。
「前半は相馬で行き、後半は旗手だ」
森保監督は例によって、前日の夜から一夜漬けであらかじめ考えてあったのだろう。
「目の前で起こっている現象」に対応するのでなく、まるで菅首相が用意していたメモを凝視しながら答弁するかのような、あらかじめ考えてきた交代策だ。
後半17分に林大地を上田に代えた交代策も、シナリオ通りなのだろう。
同じ後半17分の左SB中山と三笘の交代も、後半の頭に左SHに入れておいた旗手を左SBに下げ、三笘をその左SHに入れている。
いかにも旗手のユーティリティ性を生かした妙采配に見えるが、これも考えてきた一案だ(グループリーグでも同じことをやっていた)
例えばハリルのように相手チームを研究し、敵の弱点を突いたり、敵のストロングポイントを消すような采配をまったくしない。いつも判で押したように同じやり方ばかり。
そして極め付けは試合終了間際、吉田を前線に残してのパワープレイだ。
もうやめませんか? そういうカビの生えたやり方は。
森保監督の采配には、まったくうんざりさせられた。
久保の号泣にもらい泣きした
逆にこの日、救いになったのは、試合後の久保建英の号泣だった。
この若者は、「負けたこと」が本当に悔しくてたまらず泣いている。
そのあくまで勝負にかける究極のストイック性が強く胸を打った。
森保監督の采配には胸焼けしたが、久保の号泣には救われた。
この試合最大のハイライトだった。
メキシコとの銅メダルを決める一戦だ。
日本はスペイン戦よりゾーンを上げ、メキシコと対等に戦った。守備に回るとミドルプレスだ。
ただし試合の入りが悪く、前半13分に遠藤がPKを与えて先制される。
続く前半22分にはメキシコのコルドバがFKを蹴り、バスケスが頭で合わせて2点目を奪取。
後半13分。今度はメキシコは左CKからベガがヘディングシュートを決めた。
日本も後半33分に、途中出場の三笘薫が深い切り返しからドリブルでゴール前まで鋭く迫り、GKオチョアの頭上をぶち抜くシュートを放った。
だが日本の反撃はここまでだ。
この試合も「シュートを決め切る力のちがい」という、日本が抱える大きな宿題を残して終わった。
ゾーンを上げると失点してしまう?
日本のフォーメーションは4-2-3-1だ。スタメンはGKが谷晃生。最終ラインは右から酒井宏樹、吉田麻也、冨安健洋、中山雄太だ。
CMFは遠藤航と田中碧。2列目は右から堂安律、久保建英、相馬勇紀。ワントップは林大地である。
やはり日本はゾーンを上げると失点してしまうのか?
そんな煩悶が付きまとった試合だった。
CMFの遠藤と田中が、連戦の疲労のせいかキレがなかったのが痛かった。
だが、この日の選手はよく戦った。
前半18分には林のヒールキックの落としから、遠藤がゴール前に飛び込むがGKオチョアにセーブされる。
また前半30分には、林がボールを受けるとうまくターンし、低いシュートを放ったがGKオチョアに防がれる。
相馬はよく幅を取りサイドでボールをもらうが、なかなか突破までは行かない。
思い切って勝負した時には彼は十分通用しているのだが、この辺りはメンタルの問題だろうか。
三笘のドリブルはハッキリ通用していた
やはり日本はシュートを決め切る力が足りない。
日本はメキシコと同じようにボールはつないでいても、そこがメキシコと決定的にちがう点だ。
ただし後半33分には、途中出場の三笘が切り返しからドリブルし、GKの頭上を打ち抜くド派手なシュートを決めた。すばらしい一撃だった。
三笘はこのほかにも後半31分。ペナルティエリア中央から意表を突くタイミングで左足のシュートを放った。GKオチョアがかろうじて弾く惜しい一発だった。
三笘の鋭いドリブルは、メキシコ相手に明らかに通用していた。
三笘のまわりの空間だけが、まるで異空間であるかのようにメキシコに打撃を与え続けていた。
上田綺世はコースを狙え
後半17分に途中出場した上田綺世も、後半23分。三笘が敵陣中央から縦にすばらしいスルーパスを出し、受けた上田はシュートしたがGKオチョアに防がれた。
あれはきわどいコースに飛ばし、決めなければいけない一撃だった。
上田はほかにも後半23分。三笘の絶妙なスルーパスを受けて右足を振ったが、GKオチョアが立ちはだかった。
上田はシュートがうまく枠には飛ぶが、コースが甘くて防がれる。今後の課題だろう。
ただしこの日、三笘と上田のコンビネーションは「何か」を起こす予感に満ちあふれていた。
森保監督の凡庸な一夜漬け采配
さてこのあとは気が重いが、森保監督の凡庸な選手交代に触れておかなければならない。
後半の頭から、サイドでいちばん効いていた相馬を旗手に代えた。
「前半は相馬で行き、後半は旗手だ」
森保監督は例によって、前日の夜から一夜漬けであらかじめ考えてあったのだろう。
「目の前で起こっている現象」に対応するのでなく、まるで菅首相が用意していたメモを凝視しながら答弁するかのような、あらかじめ考えてきた交代策だ。
後半17分に林大地を上田に代えた交代策も、シナリオ通りなのだろう。
同じ後半17分の左SB中山と三笘の交代も、後半の頭に左SHに入れておいた旗手を左SBに下げ、三笘をその左SHに入れている。
いかにも旗手のユーティリティ性を生かした妙采配に見えるが、これも考えてきた一案だ(グループリーグでも同じことをやっていた)
例えばハリルのように相手チームを研究し、敵の弱点を突いたり、敵のストロングポイントを消すような采配をまったくしない。いつも判で押したように同じやり方ばかり。
そして極め付けは試合終了間際、吉田を前線に残してのパワープレイだ。
もうやめませんか? そういうカビの生えたやり方は。
森保監督の采配には、まったくうんざりさせられた。
久保の号泣にもらい泣きした
逆にこの日、救いになったのは、試合後の久保建英の号泣だった。
この若者は、「負けたこと」が本当に悔しくてたまらず泣いている。
そのあくまで勝負にかける究極のストイック性が強く胸を打った。
森保監督の采配には胸焼けしたが、久保の号泣には救われた。
この試合最大のハイライトだった。