延長&PK戦の末にやっと辛勝
今大会でいちばんデキの悪い試合だった。
あんなにリズムが悪い日本は今回 、初めてだ。
メディアは「死闘」などと煽っているが、特に後半の日本は完全に足が止まり拙攻の連続だった。
5-3-2を敷きカラダで守る相手の守備もあり、思うようにポゼッションできない。将棋でいえば、日本は「自分から王手飛車にかかりに行く」ような戦い方をした。
日本はニュージーランドにやられてPK戦にもつれ込んだというより、「自分に負けた」のだ。
例えばニュージーランドは往年のイングランド・スタイルみたいなチームなのに、日本は蛾が灯りに吸い込まれるようにハイクロスを入れたりした(敵はそういう戦い方が得意なのに)
ほかにも相手が攻撃時、3バックになるところを狙い、ボールを奪ったら速攻をかければいいのだ。なのに日本はわざわざバックパスして敵に守備の態勢を整える時間をやり、相手が5バックに変化するのを待ってやったりしていた。トランジションが悪い。
やれやれである。
前半10分に絶対的な決定機をはずす
日本のフォーメーションは4-2-3-1だ。スタメンはGKが谷晃生。最終ラインは右から橋岡大樹、吉田麻也、冨安健洋、旗手怜央だ。
CMFは遠藤航と田中碧。2列目は右から堂安律、久保建英、相馬勇紀。ワントップは林大地である。
一方、ニュージーランドは守備時5-3-2だ。インサイドハーフの2人が日本の2CMFを見て、アンカーが日本のトップ下につく。ガチガチの対策だ。
そしてマイボールになると、3バックでビルドアップする。3-1-4-2のような形である。彼らは積極的にロングボールを縦に入れてくる。
また後半になると、彼らはフォーメーションを4-3-1-2に変えてきた。中盤の「3」枚で遠藤と田中、久保を抑える狙いである。
前半10分。FWの林が縦パスをワントラップしながら瞬間的にゴールの方へ向き直り、ペナルティエリア右から目にも止まらぬ低くて速いクロスを入れた。
だがボールが速すぎたため、受けた遠藤はゴールの枠の上にドカンとシュートを外してしまった。
球速が速いからインサイドで軽く当てるだけでいいのに、遠藤は力んで足を大きく振りに行ってふかしてしまった。外す方が難しいような絶対的な形だった。
あれさえ決めていれば、日本は何もPK戦など戦わずにすんだのだ。
ほかにも後半36分、交代出場のFW上田綺世も絶対的な決定機を外している。
他方、ニュージーランドにはそんな決定機はまったくなかった。
つまり2-0で日本が勝つべき試合だったのだ(が、そうならないのがサッカーである)。
速攻すべき局面で遅攻にする
ニュージーランドのフォーメーションは守備時5-3-2だが、日本の最終ラインがボールを保持しているとき、彼らは前からプレスをかけてくる。南アフリカみたいにベタ引きじゃない。
ということは、日本は相手の第一プレッシャーラインを越えれば敵の後ろは薄いということだ。
ゆえにボールを奪ったら速く攻めたいのだが、日本はマイボールになると横パスやバックパスをして遅攻にしてしまう。
で、わざわざ敵の後ろに守備ゴマが5枚揃うのを待ってやってから攻めている。
駆け引きがヘタだ。
ニュージーランドは大柄で敏捷性はないし、細かい技術があるわけじゃない。鋭さもない。精度も高くない。楽勝なはずだが、なぜか日本は攻めあぐねている。自分からドツボにハマりに行っているのだ。
例えば橋岡がサイドから盛んにクロスを入れるが、相手は往年のイングランド・スタイルみたいなチームなんだからそういうクロスを防ぐのは得意だ。
そんなハイボールじゃなく、例えばグラウンダーの速いダイレクトパスでワンツーを絡めるなどして機敏に崩したい。
そうやって日本らしいアジリティで勝負すれば、大男ぞろいで鈍重なニュージーランドの選手はついて来られない(はずなのだが、日本はそうしない。敵の思うツボだ)
日本は難敵メキシコやフランス相手にあんな鋭い試合をしたのに、こんな大まかなチームを相手に、大まかに攻めあぐねている。敵のペースに乗ってしまい、「自分」を見失っている感じだ。
結局、両者無得点のまま試合は延長戦にまでもつれ込み、PK戦になり日本が競り勝った。
内容はよくなかった。
ただPK戦に勝ち、抱き合って子供のように喜ぶ彼らは、ひとつになっている感じがした。
スペイン戦のスタメンは?
さて、次は準決勝のスペイン戦である。
累積イエローカード2枚で冨安が出られないのは痛いが、しかたない。板倉がやってくれるだろう。
ところで森保監督は、スペイン戦にどんな陣容で臨むのだろうか?
個人的には、ニュージーランド戦で途中出場させたFWの上田とMF三笘は頭から使っておき、逆に守備機会が多くなるはずのスペイン戦でこそ、力強く守備で粘れるFW林大地とMF相馬勇紀をスタメンで使いたかったのだが……さて、森保監督はどう考えるのだろうか?
今大会でいちばんデキの悪い試合だった。
あんなにリズムが悪い日本は今回 、初めてだ。
メディアは「死闘」などと煽っているが、特に後半の日本は完全に足が止まり拙攻の連続だった。
5-3-2を敷きカラダで守る相手の守備もあり、思うようにポゼッションできない。将棋でいえば、日本は「自分から王手飛車にかかりに行く」ような戦い方をした。
日本はニュージーランドにやられてPK戦にもつれ込んだというより、「自分に負けた」のだ。
例えばニュージーランドは往年のイングランド・スタイルみたいなチームなのに、日本は蛾が灯りに吸い込まれるようにハイクロスを入れたりした(敵はそういう戦い方が得意なのに)
ほかにも相手が攻撃時、3バックになるところを狙い、ボールを奪ったら速攻をかければいいのだ。なのに日本はわざわざバックパスして敵に守備の態勢を整える時間をやり、相手が5バックに変化するのを待ってやったりしていた。トランジションが悪い。
やれやれである。
前半10分に絶対的な決定機をはずす
日本のフォーメーションは4-2-3-1だ。スタメンはGKが谷晃生。最終ラインは右から橋岡大樹、吉田麻也、冨安健洋、旗手怜央だ。
CMFは遠藤航と田中碧。2列目は右から堂安律、久保建英、相馬勇紀。ワントップは林大地である。
一方、ニュージーランドは守備時5-3-2だ。インサイドハーフの2人が日本の2CMFを見て、アンカーが日本のトップ下につく。ガチガチの対策だ。
そしてマイボールになると、3バックでビルドアップする。3-1-4-2のような形である。彼らは積極的にロングボールを縦に入れてくる。
また後半になると、彼らはフォーメーションを4-3-1-2に変えてきた。中盤の「3」枚で遠藤と田中、久保を抑える狙いである。
前半10分。FWの林が縦パスをワントラップしながら瞬間的にゴールの方へ向き直り、ペナルティエリア右から目にも止まらぬ低くて速いクロスを入れた。
だがボールが速すぎたため、受けた遠藤はゴールの枠の上にドカンとシュートを外してしまった。
球速が速いからインサイドで軽く当てるだけでいいのに、遠藤は力んで足を大きく振りに行ってふかしてしまった。外す方が難しいような絶対的な形だった。
あれさえ決めていれば、日本は何もPK戦など戦わずにすんだのだ。
ほかにも後半36分、交代出場のFW上田綺世も絶対的な決定機を外している。
他方、ニュージーランドにはそんな決定機はまったくなかった。
つまり2-0で日本が勝つべき試合だったのだ(が、そうならないのがサッカーである)。
速攻すべき局面で遅攻にする
ニュージーランドのフォーメーションは守備時5-3-2だが、日本の最終ラインがボールを保持しているとき、彼らは前からプレスをかけてくる。南アフリカみたいにベタ引きじゃない。
ということは、日本は相手の第一プレッシャーラインを越えれば敵の後ろは薄いということだ。
ゆえにボールを奪ったら速く攻めたいのだが、日本はマイボールになると横パスやバックパスをして遅攻にしてしまう。
で、わざわざ敵の後ろに守備ゴマが5枚揃うのを待ってやってから攻めている。
駆け引きがヘタだ。
ニュージーランドは大柄で敏捷性はないし、細かい技術があるわけじゃない。鋭さもない。精度も高くない。楽勝なはずだが、なぜか日本は攻めあぐねている。自分からドツボにハマりに行っているのだ。
例えば橋岡がサイドから盛んにクロスを入れるが、相手は往年のイングランド・スタイルみたいなチームなんだからそういうクロスを防ぐのは得意だ。
そんなハイボールじゃなく、例えばグラウンダーの速いダイレクトパスでワンツーを絡めるなどして機敏に崩したい。
そうやって日本らしいアジリティで勝負すれば、大男ぞろいで鈍重なニュージーランドの選手はついて来られない(はずなのだが、日本はそうしない。敵の思うツボだ)
日本は難敵メキシコやフランス相手にあんな鋭い試合をしたのに、こんな大まかなチームを相手に、大まかに攻めあぐねている。敵のペースに乗ってしまい、「自分」を見失っている感じだ。
結局、両者無得点のまま試合は延長戦にまでもつれ込み、PK戦になり日本が競り勝った。
内容はよくなかった。
ただPK戦に勝ち、抱き合って子供のように喜ぶ彼らは、ひとつになっている感じがした。
スペイン戦のスタメンは?
さて、次は準決勝のスペイン戦である。
累積イエローカード2枚で冨安が出られないのは痛いが、しかたない。板倉がやってくれるだろう。
ところで森保監督は、スペイン戦にどんな陣容で臨むのだろうか?
個人的には、ニュージーランド戦で途中出場させたFWの上田とMF三笘は頭から使っておき、逆に守備機会が多くなるはずのスペイン戦でこそ、力強く守備で粘れるFW林大地とMF相馬勇紀をスタメンで使いたかったのだが……さて、森保監督はどう考えるのだろうか?