すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【フェアプレーP問題】まったく馬鹿げた議論だ

2018-06-30 07:59:21 | サッカー日本代表
文句があるならレギュレーションを変えろ

 ロシアW杯において、日本代表がフェアプレーポイントによりグループリーグを突破した件が問題視されている。まったく馬鹿げた議論であり、お話にならない。

 まず日本がポーランド戦の終盤に、安全にボールを回し時間を使ったプレーが非難されている。だが他会場との関係により、失点しないよう安全にプレーするのはごく当たり前の話だ。セーフティにボールを回し、うまく時間を使うのは正当なプレーである。

 それを「攻めない。卑怯だ」というなら、仮にリードしている状態で試合終盤にうまく時間を使って「試合を殺す」プレーは禁止だ、ってことになる。それではサッカーにならない。

フェアプレーポイントはお飾りか?

 一方、日本はフェアプレーポイントで勝ち残ったから「けしからん」というなら、勝ち点、得失点差、総得点すべてが同率の場合「最後の最後はフェアプレーポイントで優劣を決める」というレギュレーション自体がおかしい、ということになる。

 ならばFIFAは即刻、レギュレーションを変えるべきだ。

 ルールに明記されているにもかかわらず、それを利用するのは「卑怯だ」などというのは論理矛盾であり、まったくわけがわからない。

「他力本願」は是か非か?

 さて残る核心は、おそらく「他力本願」は是か非か? という問題だろう。だがこれだって実はカンタンな話だ。他会場の情報をもとに「この時間帯なら、リードしているコロンビアはもう失点しないようプレーするだろう」と読みをきかせる。

 で、「ならば自分たちもルール上の有利を得るため、まず失点を避けよう」と戦略を立てるのは個人信条の自由である。それを「卑怯」呼ばわりするのは論理が破綻している。

 たとえばイタリア人に向かって、「カテナチオなんて卑怯だ。なぜ攻めないのか?」などと批判するのは正当だろうか? そんなものはイタリア人の個人信条の自由である。本人が信念をもってカテナチオを選択するなら、当然それが優先されるべきだ。なぜならそれは「守備の文化」に価値を置くイタリア人固有の生き方の問題だからである。

 であるならば、今回の日本が取った「攻めない」という戦略も同列に論じる必要がある。

シミュレーションのほうがよっぽど汚い

「日本人は勝つためじゃなく、試合に負けるために時間稼ぎした。フェアじゃない」と批判する人もいるだろう。

 だがそれをいうなら、それ以上の失点を避け、そのまま試合に負けることによってルール上はグループリーグを勝ち上がれるレギュレーションになっているのだから、それを利用することは正当だ。目的はあくまで決勝トーナメントに進出すること。それのいったい何が悪いのか? まったく理解できない。

 もし日本代表の行為に「恥を知れ」というなら、ファウルされてもいないのに大げさに倒れる(サッカー界ではすでに「常識」と化した)シミュレーションのほうが、よっぽど汚いし恥ずかしい。

 私はシミュレーションが大嫌いだ。

 ぜひ根絶してほしい。

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